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かつて日本の山々に実在したノマド、山窩(サンカ)と少年の交流を描いたヒューマンドラマ『山歌』が第17回大阪アジアン映画祭のインディ・フォーラム部門で世界初上映!

2022年3月16日

(C)六字映画機構

 

都会育ちの少年が、かつて日本の山々に実在していた山窩“サンカ”の家族と出会い、自由に自然と共に生きていく彼らの姿に魅せられていく姿を描く『山歌』が第17回大阪アジアン映画祭のインディ・フォーラム部門で世界初上映された。

 

映画『山歌』は、かつて日本の山々に実在した流浪の民・山窩(サンカ)を題材に、孤独な少年とサンカの一家の交流を描いたドラマ。高度経済成長期の1965年。東京で暮らす中学生の則夫は、受験勉強のため田舎の祖母の家へやって来る。ある日彼は、山から山へと旅を続けるサンカの家族と出会う。一方的な価値観を押し付けられることに生きづらさを感じていた則夫は、既成概念に縛られず自然と共生する彼らの姿にひかれていく。

 

本作では、『半世界』の杉田雷麟さんが映画初主演を果たし、心優しいサンカの娘ハナを『未成仏百物語 AKB48 異界への灯火寺』の小向なるさん、ハナの父である省三を『偶然と想像』の渋川清彦さんが演じる。ドキュメンタリー映画『馬ありて』で注目された笹谷遼平監督が、第18回伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞を受賞した自身の脚本を基にメガホンをとった。

 

(C)六字映画機構

 

 

映画『山歌』は、3月18日(金)12:30よりシネ・リーブル梅田でも上映。なお、2022年4月22日より全国の劇場で順次公開予定。

都会で暮らす中学三年生がクラスに馴染めず、受験勉強をする目的で田舎に住む祖母の家にやってくる。高度経済成長期真っ只中の1965年だと、子どもへのプレッシャーも大きかったことだろう。そんな中で、山窩と呼ばれる流浪の民に出会ったならば、さぞ魅力的に見えるだろうか。都会っ子にとってみれば、イワナを獲り、蛇を食べ、自然の中で躍動する姿は、自然と共に生きる意味を教えてくれる。同時に、サンカは同時代を生きる現代人からは差別や迫害の中に生きていることを知ると、都会人はサンカにはなれない、ということも思い知った。一方で、サンカが”山を下りる”ということの意味も描かれており、高度経済成長と共に彼等は一般社会に溶け込んだ理由も理解できる。高校生時代の恩師から、自然に触れることの意味を教えてもらったことを改めて思い出した。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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