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思っていた感じと違う、他にはない珍妙な味わいがある映画になれば…『ポプラン』上田慎一郎監督、皆川暢二さん、竹原芳子(どんぐり)さんを迎え舞台挨拶開催!

2022年1月16日

“家出したイチモツを捕まえろ”というテーマを基に、奇妙でシュールな世界観を持つ、唯一無二のエンタテインメントを描く『ポプラン』が1月14日(金)より全国の劇場で公開中。1月16日(日)には、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田に上田慎一郎監督、皆川暢二さん、竹原芳子(どんぐり)さんを迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『ポプラン』は、2018年に『カメラを止めるな!』で映画界に旋風を巻き起こした上田慎一郎監督のオリジナル作品で、ある日突然どこかへいってしまった自分のイチモツを捜す男の姿を、奇妙でシュールな世界観とともに描いた。ある時、東京の上空を高速で横切る黒い影が目撃され、ワイドショーなどは「東京上空に未確認生物か」と騒ぎ立てる。一方、漫画配信で成功を収めた経営者の田上は、自分のイチモツがなくなっていることに驚く。自身のイチモツを捜す田上は、やがて同じようにイチモツを失った人々が集まる「ポプランの会」なる集会にたどり着く。

 

上映後、まず上田慎一郎監督と皆川暢二さんが登壇。上田監督にとってシネ・リーブル梅田での登壇は3回目。1回目は『4/猫 -ねこぶんのよん-』、2回目は『カメラを止めるな!』での舞台挨拶だった。『カメラを止めるな!』での舞台挨拶は、主人公の日暮が着ているアロハシャツのコスプレをしているお客さんが5名も来場しており、上田監督は「皆が前に出てきてもらって、濱津さんと一緒に写真を撮った。カオスな感じになっていたのを覚えています」と印象深い思い出がある。

 

滋賀県出身の上田監督は、高校卒業後に大阪の専門学校に1年間通っており、日本橋に住んでいたことがあり、今となって語れない思い出ある経験もしていた。皆川さんは、大阪の知り合いがいるが「『メランコリック』の宣伝活動の一貫としてトゥクトゥクという三輪バイクを映画のビジュアル仕様にして東京から西日本に回ってくる中で大阪の劇場でも宣伝しました」と振り返り、馴染みがあり、大阪の雰囲気を気に入っている。

 

あらすじが特殊な本作について、上田監督は「良い意味で、思っていた感じと違っていた」という反応を多く受け取っており「最初からそういうことはイメージして作っていました。”このあらすじなら、こんなトーンだろう”という型から外れようと思っていた。自分にとっては挑戦だった」と明かす。「ライトなドタバタコメディにするのが正攻法ですけど、それとは逆の手つきで仕上げた、他にはない珍妙な味わいがある映画になればいいな」と思って作っており「そういう感想が挙がってきたことは嬉しいな」と喜んでいる。

 

そして、竹原芳子(どんぐり)さんが暴れ馬のごとく登場。「アツアツで来ました!」と威勢よく声を挙げた。上田監督が「竹原さんは毎回、応援ゲストとして来てくださった。元々は出る予定がなかった」と明かすと、竹原さんは「私は『カメ止め!』で人生が変わりましたので、上田監督のことはどこまでも応援しようと思っています」と宣言。とはいえ、本作について、チラシを見た時に「えっ、えっ」と思い、予告編を見て「ギョッ!」となってしまった。「上田監督を応援する気持ちはあるけれども、これは私の好みのタイプではないな、見ないな」と思っていたが、先日のトークイベントに出るにあたり観てみると「2箇所で泣いて、自分に刺さるような部分もあった」と覆されてしまう。さらに「今日、朝イチに神戸でコッソリ観たんですよ」と打ち明け「映画館で観たら数段面白いです。気持ちが刺さるシーンも映画館だとしっかり伝わります。笑いどころがあちこちに散りばめられてるのが映画館でしっかり観たほうが笑える」と絶賛。「何度観ても面白いと思うから『カメ止め!』と同じようにリピートしてください。そして、SNSで広めて頂いて、一人でも多くの人に観て頂きたい」と猛アピールし「若い人が観る映画だと思っていたんですけど、そうじゃなかった。本当に奥が深い。60歳過ぎている女性の私がクるから様々な年代の方に観て頂いたら響く」とお薦めしていく。

 

さらに、皆川さんの演技について、竹原さんは「様々なシーンで表情が豊か。Twitterである方が、彫刻のような顔立ちと、ギリシャ芸術のような容姿と書いてあって、まさにそのとおり。美しい。心に響きます」と称えていく。上田監督も「ギャップが良いんでしょうね。ダビデ像みたいなイケメンでシュッとしているのに、振り回されているギャップがおかしかったですよね」と賛同。皆川さんは「ありがとうございます」と照れながら「竹原さんは、裏表なく、このまんま。イベントの打ち上げでも話して、今日は2回目ですが、”オカンだな”と感じてしまう。初めてだとは思えない」と気に入っている。

 

最後に、竹原さんは「『ポプラン』を広めてください!皆さんのお力が必要です。こんなに良い映画は映画館で観ないといけないです」と選挙演説の如く応援。皆川さんは「劇場でお客さんと一緒に観て、お客さんと空間を共有しながら観ると、違う顔を見せる映画だと思います。これから公開が続きますので、おもしろいと思って頂けたら是非広めて頂けると力になります」と伝えていく。上田からは「感想を見ていると、何も考えず楽しんだという方とグッと来て泣いてしまった方と、観る方との掛け算で感想が変わる映画になったのかなと思うので、一緒に観てくれた方同士で語り合ってくださると嬉しいです。観てもらえたら、普遍的な映画だと思うので、是非周りの方にもその声を届けて頂きたいな」と思いを込め、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『ポプラン』は、1月14日(金)より全国の劇場で公開中。関西では、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、京都・三条のMOVIX京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開中。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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