ロンリー・ハーツ事件を題材に『ハネムーン・キラーズ』『地獄愛』がシネマート心斎橋で同時公開!
実在の変態連続殺人鬼カップルをモデルにした映画『ハネムーン・キラーズ』『地獄愛』が7月15日(土)より大阪・心斎橋のシネマート心斎橋で2作同時公開される。
映画『ハネムーン・キラーズ』『地獄愛』は共に1940年代後半のアメリカで実際に起きたカップルによる連続殺人事件、ロンリー・ハーツ事件を題材にして制作された作品。ロンリー・ハーツ事件は、禁欲的な母に育てられながらも異常性欲に悩む看護師の巨漢女マーサ・ベックと、事故の後遺症で性衝動に悩み、黒魔術を信奉する結婚詐欺師のハゲ男レイモンド・フェルナンデスによって行われた。2人は文通クラブ「ロンリー・ハーツ・クラブ」で出会い、恋に落ち、マーサは兄妹と偽りレイモンドの家業に共謀。仕事のために女性たちと親しくするレイモンドに嫉妬したマーサは詐欺相手の女性たちを次々に殺害。計20名以上の犠牲者を出し、1951年3月8日、ふたりはNYのシンシン刑務所にて電気椅子にて処刑された。なお、ロンリー・ハーツ事件はこれまで幾度となく映画化され公開されてきた。今回、最初につくられた映画『ハネムーン・キラーズ』のリバイバル上映と共に、舞台設定を現代にした『地獄愛』が劇場公開される。
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映画『ハネムーン・キラーズ』は、1940年代のアメリカに実在した殺人鬼カップル、マーサ・ベックとレイモンド・フェルナンデスを題材にしたクライムドラマ。年老いた母親と暮らす巨漢の看護師マーサは、新聞広告の恋人募集欄「ロンリー・ハート」で知り合った男性レイに惹かれていく。しかし彼の正体は、寂しい独身女性を狙う結婚詐欺師だった。全てを捨ててレイと生きることを選んだマーサは、彼の共犯者として結婚詐欺に加担するように。しかし次第に相手女性たちへの嫉妬心を抑えきれなくなり、殺人まで犯すようになっていく……
当初は無名時代のマーティン・スコセッシが監督に抜擢されたが1週間で降板し、オペラ作曲家のレナード・カッスルがメガホンをとった。全米公開時はリアルな殺人描写が原因ですぐに上映終了したものの、その後フランソワ・トリュフォーが絶賛するなどして注目を集め、カルト・クラシックとして語り継がれることとなった。日本では2000年に初公開された。今回、映画「地獄愛」の公開にあわせてリバイバル上映。
舞台設定を現代にした『地獄愛』は、とあるベルギーの村を舞台に、人々の異常な愛と狂気を寓話的に描いた『変態村』を監督したファブリス・ドゥ・ヴェルツによる作品。未だかつて見たことのない陰惨さと、神をも恐れぬ鮮烈な内容に、カンヌを始め全世界に騒然と熱狂を以てその名を轟かせた。あれから10年。よりディープで強烈な愛の形を投げかける問題作が誕生した。
(C)Panique / Radar Films / Savage Film / Versus Production / One Eyed – 2014
映画『地獄愛』(R15+)は、1940年代に約20人の女性を殺害し死刑となった実在の殺人鬼カップル、マーサ・ベックとレイモンド・フェルナンデスの事件をモデルに撮りあげた狂気のラブストーリー。シングルマザーのグロリアは、出会い系サイトで知り合った男ミシェルに心を奪われる。実はミシェルは寂しい女性の性的欲求を満たして生計を立てる結婚詐欺師だったが、ミシェルの正体を知ってもグロリアの愛は冷めることなく、2人は兄妹と偽って一緒に結婚詐欺を繰り返すように。2人の歪んだ愛はやがて狂気へと変ぼうし、寂しい女性たちを次々と殺害していく。
映画『ハネムーン・キラーズ』『地獄愛』は、大阪・心斎橋のシネマート心斎橋で7月15日(土)より2作同時公開。公開第1週目は、『地獄愛』(R15+)が18:10~、『ハネムーン・キラーズ』が20:20~の上映。なお、京都みなみ会館や元町映画館でも順次公開予定。
『ハネムーン・キラーズ』『地獄愛』のそれぞれが、監督の趣向や時代設定に合わせてつくられている。ロンリー・ハーツ事件を題材にしながらも、各々の作品が事件の内容全てを取り上げて見せるのではなく、適材適所を取り上げる。それだけで十分に映画として成立し、何度も映画がつくられ、注目を集めている。
『ハネムーン・キラーズ』は、公開当時でも多くの映画ファンに知られていた作品ではなかったようだ。とはいえ、現在の映画人は公開当時に見ていたのだろうか。近年の結婚詐欺師モノ映画には、作品のエッセンスを随所に垣間見れ、その影響は計り知れない。どちらかと言えば、格好良くも綺麗でもない男女のカップルを描いた作品だが、それらがスクリーン上で観る者をある種魅了していく力を確かめてみるためにも一見してみてはいかがだろうか。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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