恋を捨てた男と人魚のラブストーリー『マーメイド・イン・パリ』がいよいよ劇場公開!
(C)2020 – Overdrive Productions – Entre Chien et Loup – Sisters and BrotherMitevski Production – EuropaCorp – Proximus
恋に落ちた男性の命を奪う人魚と、失恋から恋心を抱かなくなった男の恋愛模様を描く『マーメイド・イン・パリ』が2月5日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『マーメイド・イン・パリ』は、パリの街で恋に落ちた人魚と恋をすることができなくなった男の恋愛ドラマ。老舗のバーでパフォーマーとして働くガスパールは、ある夜、傷を負い倒れていた人魚ルラを見つける。美しい歌声で男たちを魅了し、恋に落ちた男の命を奪っていたルラは、ガスパールの命も奪おうとする。しかし、過去の失恋により恋する感情をなくしてしまったガスパールには、ルラの歌声がまったく効果がなかった。2人は次第に惹かれ合っていくが、ルラは2日目の朝日が昇る前に海に帰らなければ、命を落としてしまうという。
本策は、フランスのカリスマアーティストであるマチアス・マルジウが監督を務めたラブストーリー。ニコラ・デュヴォシェルがガスパール、マリリン・リマがルラを演じ、『マダムのおかしな晩餐会』のロッシ・デ・パルマ、『ルノワール 陽だまりの裸婦』のロマーヌ・ボーランジェ、『世界にひとつの金メダル』のチェッキー・カリョもキャストに名を連ねた。
(C)2020 – Overdrive Productions – Entre Chien et Loup – Sisters and BrotherMitevski Production – EuropaCorp – Proximus
映画『マーメイド・イン・パリ』は、2月11日(木)より、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマ、難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都、神戸・三宮の神戸国際松竹をはじめ、全国の劇場で公開。
音楽、小説、映像の分野で多様な活躍をしているマチアス・マルジウ。前作『ジャック&クロックハート』が自身の小説をアニメーション映画として手掛けたことから、本作も冒頭は印象的なアニメーションで始まる。より一層に本作がファンタジーであることを伝えていく。とある失恋経験により、どんな音楽にも感情が動かされなくなってしまった主人公ガスパールに対し、大失恋を経験してしまった者なら誰もが共感してしまうのではなかろうか。だからこそ、人魚という人間であって人間ではない特殊な生命に対して懸命になれるのも何故だか納得してしまう。
近年、人魚が登場する映画といえば『ゆれる人魚』や『人魚姫』を筆頭にホラーやダークな要素が強い作品が多かったように感じるが、本作はフランス映画らしいキュートなラブストーリー。一種の夢を見ているような雰囲気も醸し出すフェアリーテールの要素はたっぷりと仕込まれている。どんな恋をしていても、大小問わず何らかの痛みを伴ってしまう。人魚に恋をしてしまったことの代償を端的にメタファーとして表した本作における人魚ルラの設定ではあるが、ガスパールとの行く末を煌びやかにも切なくまとめたストーリーテリングは秀逸。マチアス・マルジウは次にどんな才能を発揮してくれるのか否が応でも期待してしまう。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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