沼影市民プールが営業終了するまでの49日を追ったドキュメンタリー『沼影市民プール』がいよいよ劇場公開!
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埼玉・沼影市民プールの営業終了まで49日間を追ったドキュメンタリー『沼影市民プール』が9月5日(土)より全国の劇場で公開される。
映画『沼影市民プール』は、埼玉県さいたま市の沼影市民プールが営業を終えるまでの49日間を記録したドキュメンタリー。”海なき市にプールを”という市民の願いから1971年に誕生した沼影市民プールは、人々の憩いと出会い、そして健康を支える場として、52年間で約600万人が訪れた。しかし2021年、さいたま市はプールの解体と、小中一貫校の建設を発表する。存続を求めて900通を超えるパブリックコメントや1万人以上からの署名が寄せられたものの計画は進み、2024年3月、沼影市民プールは静かにその役目を終えた。『わたしたちに許された特別な時間の終わり』『解放区』などの太田信吾監督が、沼影市民プールが営業終了の日を迎えるまでの49日間にカメラを向け、公共施設の喪失が市民に何をもたらすのかを見つめていく。制作段階において、チェコのカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2024にて日本企画として初となるFirst Cut+ Works in Progress Awardを受賞。完成後も第30回釜山国際映画祭ワイドアングル部門、第27回テッサロニキ国際ドキュメンタリー映画祭などに出品された。

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映画『沼影市民プール』は、9月5日(土)より全国の劇場で公開。関西では、9月18日(金)より京都・烏丸御池のアップリンク京都、9月19日(土)より大阪・十三の第七藝術劇場で公開。
本作では、市民の憩いの場が失われることを、人間が死を受け入れるためのプロセスに重ねて表現している。それほどに場所と人間の結びつきは強固であり、喪失感は死に触れる時と同じように引き摺っていた。これから映画を見る観客の中にも、それぞれにとって”沼影市民プール”のような場所があるだろう。行政の都合だけなく、理不尽に場所が失われる可能性を秘めた現在、心を守るためにも自分事として考えながら本作を鑑賞してみてほしい。
自宅であるファーストプレイス、学校や職場などのセカンドプレイス。その往復だけになりがちな世の中で、自身にとって心地が良いサードプレイスの重要性は日に日に増している。市民にとっては、この沼影市民プールがサードプレイスの1つであり、とても大切な場所である。夏はプールとして営業し、冬にはアイススケート場として営業していた。半世紀以上の歴史があり、世代を超えた思い出の場所にもなっており、行政が事務的に説明するだけでは納得してもらえないのも想像に難くないだろう。単純にコミュニケーション不足だった気がしてならない。
行政の立場としては、苦しい事情が沢山あったのでは、とは思う。駅前再開発に伴う児童数、生徒数の急増。周辺公立校がパンク寸前な現状。経済合理性や効率を考え、必要なものは残し、それ以外は形を変え持続可能な街作りをすることは必須であり、それ自体は間違っているとは言い難い。首都圏の自治体は、超高層マンションを増やす等、あの手この手で人口確保に必死にならざるを得ないのも現状。ただ、その結果として、流入してきた人口は何年も維持できるものなのだろうか。そのために必要な対策が、憩いの場を取り壊し、新しい学校を作ることだったのだろうか。今も計画が前に進んでいない理由は、物価高騰が関係しているだけに正確に把握するのは難しそうだ。だが、市民の憩いの場を失った、という現実が目の前に広がり続ける現実は、なかなか厳しい。沼影市民プールを取り壊した以上、少しでも両者が納得する街に近づくことを願っている。
fromブライトマン
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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