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映画を作る人々を描く台湾映画の特集上映「台湾Filmake──映画に恋した3つの人生──」が順次公開!

2026年4月20日

“映画を作る人々”の物語を描いた3作品がスクリーンにかけられる、台湾映画の特集上映「台湾Filmake──映画に恋した3つの人生──」が4月25日(土)より全国の劇場で順次公開される。

 

特集上映「台湾Filmake──映画に恋した3つの人生──」で公開される3作品『台湾ハリウッド』『超低予算ムービー大作戦』『めぐる面影、今、祖父に会う』に共通するのは、“映画を作る人々”の物語を描いた映画であること。青春時代を映画制作とともに駆け抜けた人々、超低予算の作品制作で一発逆転を狙う人々、そして関わった映画と自分自身が重なっていく経験をする人々——スクリーンの裏側で、不思議な出来事が作り手たちに巻き起こる。

 

映画『台湾ハリウッド』は、1955年から1981年にかけて数多くのいわゆるB級作品が製作されていた台湾の映画界を背景に、映画製作に夢をかけた当時の映画人たちの姿を描いたコメディ作品。映画脚本家の祖父は、女優だった祖母とのなれそめを孫に聞かせる。それは祖父と祖母の輝かしい日々だった。1960年代、台湾のハリウッドと呼ばれた北投(ベイトウ)で、売れっ子脚本家の奇生は、満員の映画館に入れずに裏の塀を乗り越えて映画館に侵入してきた美月と出会う。スターに会いたい一心でエキストラとなった美月。奇生は美月の魅力をいち早く見いだし、ヒロインに大抜擢する。やがて2人の間には恋が芽生え、美月は人気女優として脚光を浴びていく。
台湾で監督や俳優として活動する北村豊晴さんが台湾の若手監督シャオ・リーショウと共同でメガホンをとった。主演は長澤まさみさんがヒロインを務めた台湾ドラマ「ショコラ」のラン・ジェンロン、美月役には歌手としても活躍するアンバー・アン。日本では、2014年に第9回大阪アジアン映画祭、2015年に特集上映「台湾シネマ・コレクション2015」で『おばあちゃんの夢中恋人』のタイトルで上映されていた。

 

©2012 All rights reserved.

 

映画『超低予算ムービー大作戦』は、台湾の広告界で活躍するリー・ヨウチアオが監督を務め、ある低予算映画の制作過程で起こるバカバカしくも奇妙な事態を描いたドタバタコメディ。映画プロデューサーが新作制作のため監督探しに奔走するが、超低予算のため誰も引き受けてくれる人がいない。わらにもすがる思いで採用したのは、自ら志願してきた怪しげな新人監督だった。出資元からの無理難題にも振り回され、撮影現場ではスタッフたちが予算の壁に阻まれながら映画作りに挑むことになるが…
新人監督を台湾のBLドラマ「奇蹟」で注目を集めたカイ・シュー、プロデューサーを『カップルズ』に出演したタン・ツォンシェンが演じる。

 

©2024 All Rights Reserved.

 

映画『めぐる面影、今、祖父に会う』は、ホウ・シャオシェン監督作品の映画美術を数多く手がけてきたホアン・ウェンインの長編初監督作品。父の介護のため実家に戻ったアートディレクターが、故郷で過ごす日々の中で、日本の統治時代を生きた祖父に思いを馳せていく姿を描いた家族ドラマ。映画美術の仕事に携わるフーユェは、体調を崩した父を支えるため、撮影現場を一時的に離れ故郷へ戻る。父の介護のため故郷で過ごしながら、撮影セット制作のために連絡を取った建築士と語り合うなかで、彼女の心は祖父が生きた時間へと重なっていく。
主人公フーユェを台湾ドラマ版「イタズラなKiss」で人気を博したアリエル・リン。彼女がひかれていく建築士と若き日の祖父を、「流星花園 花より男子」の花沢類役で知られるビック・チョウが1人2役で演じている。ホウ・シャオシェンがプロデューサーを務めた。

 

©2023 All rights reserved.

 

特集上映「台湾Filmake──映画に恋した3つの人生──」は、4月25日(土)より全国の劇場で順次公開される。関西では、4月25日(土)より神戸・新開地のCinema KOBE、5月2日(土)より大阪・十三のシアターセブンで公開。

台湾映画の印象といえば、爽やかな青春・家族とのあれこれ・やりすぎなくらいのコメディ感。ちょっといなたい部分もあるけど、そこもひっくるめて好き。今回、4月25日から各地で順次開催される「台湾Filmake-映画に恋した3つの人生-」という特集上映に並ぶ3作品のいずれもその要素を満たしている。そして、”映画を作る人”の物語が共通で扱われているなんて、見ない理由がない。

 

 

『台湾ハリウッド』

台湾語映画の黄金時代と言われている1960年代。台湾のハリウッドと呼ばれた温泉街・北投で映画に人生をかけた人たちが青春を謳歌していた。脚本家の劉奇生は自身が初めて脚本を手掛けた映画の上映を控えている。そこにミーハー娘の美月がやってくる。満員の映画館には入れなかったものの、大スターを見るために塀を乗り越える。偶然遭遇した二人のとびっきりのロマンスコメディ。

 

ベッタベタなコメディ演出、サウンドのオンパレード。それが妙に癖になる。特にヒロイン美月役のアンバー・アンは叫んで、変顔をして、体も張っての大活躍。途中からかっこよく見えてくる。本作は祖父の青春時代を振り返る映画。今や「俺の若い頃はよぉ」と語りだしたもんならウザがられてしまうけど、こんな青春話が聞けるのならば、どんどん話を聞きたくなる。人生の先輩方。ワクワクする青春物語をもっと聞かせてください。酸いも甘いもあるストレートな青春映画を楽しみたい方はこちらがおすすめ。

 

 

『超低予算ムービー大作戦』

10万元(約50万円)で映画を撮れ、と言われる。スマホで撮影できる時代とはいえ、無茶な話だ。しかも監督がいない。唯一志願してきた新人映画監督を即採用するくらい切羽詰まった状況である。経歴は華やかであるが、誰も名前を聞いたことがない。やっとの思いで監督を見つけても、次から次から無理難題のオンパレード。無事に映画を撮り終えたかと思ったら、あの新人監督が忽然と姿を消している。一体何が起きているのか。多くの議論を呼ぶものの、真相を知るものは誰ひとりいない…

 

タイトルから、厳しい状況の中、制作者の熱意とやる気で映画を作り上げる青春モノだと思っていた。予想をいい意味で裏切り、なんともファンタジーな展開を見せてくれるが、そこに関して多くを語ることは差し控えるのでその目で確かめてほしい。初めは自称ハリウッド帰りの監督に嫉妬や疑心暗鬼にかられている面々も、出資者の会長という共通の敵がいたり、一つの映画を作るという熱でまとまっていく。美しい。映画製作の舞台裏を面白おかしく、ファンタジックに見てみたい方はこちらがおすすめ。

 

 

『めぐる面影、今、祖父に会う』

映画美術の仕事に携わる主人公フーユェ。父の介護のために故郷を訪れ、自分の記憶を辿っていくうちに、激動の台湾を生きた祖父に思いを馳せる。他の2作とは違い、コメディ要素はなく、大人の恋愛と台湾の歴史を追うドラマ。震災や戦争の時代を生きた祖父が、何度倒れても起き上がる逞しさを見習いたい。フーユェが惹かれていく建築家と祖父の両役を、『台湾版 花より男子』で花沢類を演じたヴィック・チョウが、色気たっぷりに演じている。マジで惚れてしまう程にカッコいい。少し悪い男でもあるんだけど、そこがいい。

 

祖父のパートは厳しい現実を生きながら、パワフルで現実に負けな姿をモノクロで描いている。これがまた美しい。それは悲観的になるばかりではなく、壊れたら立て直し、稼ぐ。というサイクルが丁寧に描かれているからなんだろう。駅前に立った宿は見惚れてしまう。少し人生に迷いを感じている方にはこちらがおすすめ。

 

 

3作を通じて感じたのは、上の世代への敬意。台湾全体がそうなのかはわからないが、過去から学び、敬い、自分の人生をより良くしようという姿が伺えた。それぞれの映画は毛色が違えど、映画を作るものの情熱や念が込められた素敵な作品ばかり。ハリウッドや欧米でも映画製作にまつわる映画や、監督の自伝的映画もちらほら見る機会がある。しかし台湾という国と映画の括りで3本鑑賞できる機会はそうないだろう。コレまで見られる機会が限られていた作品や、日本未公開の作品なので、この機会にぜひ御覧いただきたい。

fromブライトマン

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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