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かけがえのない”あの頃”に想いを馳せてもらえれば…『あの頃、君を追いかけた』山田裕貴さん、齋藤飛鳥さん、長谷川康夫監督迎え舞台挨拶開催!

2018年9月27日

台湾の人気作家ギデンズ・コーさんが自伝的小説を映画化し、本国で大ヒットを記録した青春映画を2000年代の日本に舞台を置き換え、お調子者の男子高生とクラス一優等生の女子高生が織り成す恋模様を描く『あの頃、君を追いかけた』が10月5日(金)より全国ロードショー公開される。本公開に先駆け、9月27日(木) には先行上映が行われ、山田裕貴さん、齋藤飛鳥さん、長谷川康夫監督を迎えて舞台挨拶が開催された。

 

映画『あの頃、君を追いかけた』は、台湾の人気作家ギデンズ・コーが自伝的小説を自ら映画化し、台湾で大ヒットを記録した同名作品の舞台を日本に移し、再映画化。地方都市の高校に通う水島浩介は、クラスの仲間たちとバカなことばかりしながら、お気楽な高校生活を楽しんでいた。ある日、浩介の度を越した悪ふざけによって授業が中断。激怒した教師が浩介のお目付け役として任命したのが優等生の早瀬真愛だった。クラス一の優等生で真面目で堅い真愛を疎ましく思う浩介だったが、彼と4人の仲間たちにとって中学時代からの憧れの存在だった真愛に浩介の胸はざわつきはじめていた…

主人公・浩介役を山田裕貴、ヒロイン・真愛役を齋藤飛鳥が演じるほか松本穂香、佐久本宝、國島直希、中田圭祐、遊佐亮介らが脇を固める。監督は、脚本家として「ホワイトアウト」「亡国のイージス」などに携わり、舞台の演出なども数多く手がける長谷川康夫。

 

今回、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田で上映前に山田裕貴さん、齋藤飛鳥さん、長谷川康夫監督が登壇。山田さんはシアターに入場する前に座席が733席あると聞き、ビックリしており「東京でもそういう劇場って聞いたことがなかった。しっかりお客さんが入ってくださって凄く嬉しい」と感激。感謝の気持ちを込め「今日は短い時間ですが、楽しんでいきましょう!」と前のめりにアクションをつけながら盛り上げる。齋藤さんも座席数を聞き「さすがにそれは無理だろう」と思わず言ってしまったが「大阪の皆さんは温かくて、おもしろいことが好き。今日は何を言ってもいいんだろうな」と楽しい時間に期待を寄せた。長谷川監督も大きな劇場にビックリしながら「どうかこれからスクリーンの中の2人の表情を楽しんでください。ゆっくりじっくり見てやってください」と願いを込める。

 

大阪に着いて、名古屋出身の山田さんは「吉本新喜劇が名古屋でも放送している。吉本新喜劇を見て育ったので、関西弁が好きで、聞いていると落ち着く。吉本新喜劇の内場さんと共演させてもらい、ご縁がある」と感慨深い。齋藤さんは、乃木坂46の活動で、握手会やLIVEで大阪に来ており「何度もお世話になっている。いつもLIVEの時は『大阪の方は元気な方が多くて、リアクションが良く、皆で大阪は楽しいね、盛り上がるね』と話している」と振り返った。長谷川監督は、舞台演出を手掛けている時、近鉄劇場に年に一度は必ず来ていたことがあり「大阪はノリが違って、やりやすい。反応がバシバシ来るので、毎回大阪でやるのが楽しみでした」と良き思い出があり、今回の機会を楽しみにしている。

 

現在28歳の山田さんは、高校3年生からの10年間を演じたが「撮影陣も自分のあの頃を思い出しながら撮影していた」と思い返す。自身は、小学校・中学校・高校とずっといじられキャラだったと告白し「『山ちゃん、なんかやれ』と言われて、モノマネをやったり、クラスでスマートにカッコよくいるタイプじゃなかった」と明かす。その経験を今作で活かし「友達とワイワイやる空間は自分の中で懐かしく、思い返しながら、浩介という役が出来た」と実感。齋藤さんは、普段からクールだと言われていることを認識している。役柄が同じだなと思いながら「真愛ちゃんは浩介に対して、ちょっかいを出したり、勉強を教えたりする」ことに違和感を感じながらも「普段は自らアクションを起こさないタイプなので、自分の中にある積極性を出しながらやりました」と必死に演じた。そんな2人を見ながら、長谷川監督は「そこにいてくれるだけで嬉しくなるような現場だった。僕も含めて撮っているスタッフ全員が同じ思い。この7人で良かったなと思いながら撮影が進められた」と感謝を伝え、お客さんからも拍手が起こる。

 

撮影現場を振り返り、齋藤さんは、劇中の世界観そのままだ、と感じた。山田さんをはじめ男性キャストらは最初から仲が良くて常にワイワイ楽しく過ごしていると感じ「最初は私と松本穂香ちゃんで『男の子達、またやってるね』と眺めていた。段々女子を笑わせに来たりちょっかいをかけに来たりして、たまに乗っかって一緒にふざけてみたりと和気藹々と楽しい現場だった」と振り返る。これを受け、山田さんは「皆の自然な空気や中の良さがこの映画には重要。男女の思春期における価値観の違いや、女子の方が先に大人になる部分を映画に活かせれば」と、心がけていたことを明かす。

 

なお、本作には、台湾版と同じシーンがあるが、一つだけ望んでも撮れなかった場所があった。撮影全体のラストで、齋藤さんが声に出して悔しがったことがあり、山田さんは「僕は嬉しかった。望んだ場所でいい画を撮りたい、演じたいと思ってくれていることが嬉しい。普段クールなはずの飛鳥ちゃんから熱を感じた。同じ熱量で作品に臨んでいる」と感激。これを受け、齋藤さんは「台湾は、2人で楽しむデートの感覚。台湾版と同じお店で、丸い小さなアイスを2人で食べるシーンを同じように撮れた」と、自身が台湾版のファンとして、聖地巡礼が出来たことを告白する。

 

台湾でクランクアップした時、山田さんと齋藤さんは号泣しながら挨拶を行った。当時を振り返り、山田さんは「個人的に、この作品が物凄く大切で、自分の俳優人生にとっても、この映画が評価されたり、良かったと言ってもらったりすることで、山田裕貴という俳優の観られ方が変わっていくんだろうなと思っていた作品」と作品への愛情を語る。さらに「飛鳥ちゃんは映画初出演で大変だったろうし、この仕事が決まったから芸人辞めましたという子達もいた。皆が報われる作品になってほしいと思って作品に臨んだ」と心境を明かす。共演者が先に「楽しかった。ありがとう」と言ってクランクアップしていくなかで「皆の撮影していた日々や笑っている顔が浮かんできて、その思いで一杯でした。監督やスタッフ、この仲間たちとやれて良かったなとジーンときちゃった」と、泣きそうになりながらも振り返った。一転、齋藤さんは「私は違います。泣いていて、同じような気持ちはあった。素敵なスタッフに囲まれて、いい作品に関われてよかったなという気持ちはあった。でも、一番泣いていたのは監督なんです」とツッコミ。長谷川監督は「年取ると涙もろくなるんです。2人がそんなに泣いているとつられてしまってね。もらい泣きってあるでしょ」と告白すると、山田さんも「監督が飛鳥ちゃんを見る目も孫を見るような目で」とツッコミを入れた。

 

最後に、長谷川監督は「今日は若い方がほとんどですが、僕の気持ちとしては、ぜひ皆さんのお父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんにも観てほしい。もしこの映画を観て良かったなと思ったら宣伝して、お父さんお母さんに来てもらって下さい。2人のデートムービーにしてもらいたいなと思っています。ぜひ誘ってあげて下さい」とお願いする。齋藤さんは「この作品は観ていて笑ってしまうような、『この人達馬鹿だなぁ』と思ってしまうような、楽しく観られるシーンが沢山ある。同じように、何か大事なものを思い出させてもらうような美しいシーンだったり、『かけがえのない時間を今まで自分は過ごしてきたんだな』と改めて考えられるシーンもあったりする」と解説し「皆さんも自分の”あの頃”に重ね合わせて頂ければ嬉しいな」と願った。山田さんは「大人が観れる恋愛映画になっている。壁ドンもないし、キラキラしたものがない。主人公はカッコ悪いが、真愛を追かけた時間は素敵で輝いているし、そういう部分を受け取ってもらえたらいいな」と気持ちを込める。浩介の台詞より「凄い人間になりたい、俺がいると世界が変わるような人間に」と引用しながら「映画を観た後に皆さんが『この映画良かったな』と言ってもらえたら、僕達は皆さんの世界をちょっとだけ変えたことなる。そういった映画になっていることを祈りながら皆さんが楽しんでくださることを願っています」と思いを込め、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『あの頃、君を追いかけた』は、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田他にて全国ロードショー。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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