全ての謎を知る“のっぺら坊”が収監された鉄壁の要塞を舞台に、壮絶な闘いが繰り広げられる『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』がいよいよ劇場公開!
©野田サトル/集英社 ©2026映画「ゴールデンカムイ」製作委員会
明治末期の北海道を舞台に、日露戦争帰りの青年とアイヌの少女が、奪われたアイヌの金塊を求めて、謎の鍵を握る男が投獄されている網走へ向かう『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』が3月13日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』は、野田サトルさんの人気コミックを実写化した2024年の映画『ゴールデンカムイ』およびWOWOWにて放送・配信された連続ドラマ「ゴールデンカムイ 北海道刺青囚人争奪編」の続編となる映画版第2作。”不死身の杉元”の異名を持つ元軍人の杉元佐一は、アイヌ民族から強奪された莫大な金塊の存在を知る。その犯人である謎の男”のっぺら坊”は捕まる直前に金塊を隠しており、獄中で囚人達の身体に金塊のありかを記した刺青を彫り、彼らを脱獄させた。刺青は、24人でひとつの暗号になるという。そんな折、杉元はアイヌの少女アシㇼパと出会い、金塊強奪犯に父を殺されたという彼女と行動を共にすることになる。時を同じくして、北海道征服をもくろむ大日本帝国陸軍第七師団の鶴見中尉と、戊辰戦争で戦死したはずの土方歳三も金塊を狙っており、刺青囚人の苛烈な争奪戦が勃発。闘いの舞台は、全ての謎を知る”のっぺら坊”が収監されている網走監獄へと移る。
本作では、杉元役の山﨑賢人さん、アシㇼパ役の山田杏奈さんらこれまでのキャストに加え、第七師団の上等兵である宇佐美役で稲葉友さん、網走監獄の看守部長である門倉役で和田聰宏さん、”薩摩の貴公子”こと鯉登音之進の父で海軍少将である鯉登平二役の國村隼さんらが新たに参加。ドラマ版の第3話と第5~8話を手がけた片桐健滋さんが監督を務めた。

©野田サトル/集英社 ©2026映画「ゴールデンカムイ」製作委員会
映画『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』は、3月13日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や大阪ステーションシティシネマやT・ジョイ梅田、心斎橋のイオンシネマシアタス心斎橋や難波のTOHOシネマズなんばやなんばパークスシネマ、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や九条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開。
漫画原作の実写映画化に関するクオリティを劇的に高めた、と断言できる作品である2024年1月に劇場公開された『ゴールデンカムイ』。映画公開後に放映されたドラマシリーズも含め、実写表現によるクオリティの高さには大変な感動を覚えつつも、原作ファンの1人として、実写版でこれまで展開されている話の流れや取り上げられるエピソードの強弱等をどうしても原作と対比してしまう。今作からのストーリー展開に対して、(原作に対して)どのように編纂されて描かれるのだろうか、と思ってしまい、99%の期待と1%の不安を胸に抱えながら試写会場へ足を運んだ。
前作は鍋(桜鍋)で締め括られたが、本作の冒頭では、原作でも人気の高く、しばしば話題に挙がるあの”鍋”のエピソードが描かれる。原作よりもやや濃厚に盛り込まれている印象もあるが、杉元が日露戦争の最中に顔面だけでなく身体中に傷を負ったことが、1作目の銭湯シーンに引き続き、改めて分かるシーンでもあり、特殊メイクチームが携わる仕事の細やかさを再び垣間見た。そして、前作とドラマシリーズで驚いたように、登場するキャスト達の”まるで登場人物本人!”というレベルの演技力や原作を充分に解釈した結果に基づく表現力も見どころの一つだ。台詞があまりないシーンでさえも、”ああ、これ、原作以上に原作そのまま!”と思うところだらけであり、笑ったりハラハラしたり涙したりしながら物語に没入することができた。
メディアミックスにおいて、”原作と違う”とどうしても感じてしまうことはあるものだが、今作は前作以上に、可能な限り原作のシーンを忠実に描いており、アレンジしているシーンも、作品全体の流れが持つ説得力をより高めるために随所に工夫がなされており、制作チームの原作に対するリスペクトを改めて感じた次第だ。むしろ、”杉元佐一の物語”として捉え直すと、原作エピソードからの取捨選択によって、本作で初めて『ゴールデンカムイ』にふれる人達にも分かりやすく、説得力のある表現としてまとまっていた。それは、物語を端折って性急に進めていくのではなく、必要なシーンではじっくりと時間をとって、映画ならではの表現で、”観せる”シーンであった、と云える。(プレス資料によると、今作は前作以上に原作者からのアドバイスが入ったとのこと。原作にある軽微な矛盾点が整理されていたり、大胆に削除された部分があったりしたことで、却って話の筋が整ったことにより、登場人物の言動や感情の動きが伝わりやすくなったことに納得がいく。)
ともあれ、本作のクライマックスである、杉元がアシㇼパさんへの感情を吐露するシーンは、原作やアニメ未視聴の方には心してしっかりと観ていただきたい。そして、その直後の大どんでん返しで”ええっ?!”と驚いてほしいし、そこから意外な方向へ転がり出す物語がどうなっていくのか、続きを早く観たい!と思っていただければ…。終盤で描かれる実写版オリジナルのシーン表現から察するに、今作では残念ながら出番が無かった登場人物に関しても、何らかの形で今後の物語に現れるのではないか、という微かな期待も抱いている。
今作は、初めて物語にふれる方にも分かりやすく、冒頭5分程度で”ここまでのあらすじ”が描かれていく。だが、もし時間の余裕があれば、各種配信サービスを通じて視聴できる前作やドラマも、この機会に是非ご覧いただきたい。そして、アニメ版、ひいては原作コミックスで、実写版とは違った表現を楽しみながら見比べてもらえれば、作品への理解がより深まるのではないか(但し、注意する点があるとすれば、現在放映中のアニメ最終章をいきなり観ると、刺青の暗号に関するネタバレを喰らってしまうため、視聴する順番にはくれぐれも気をつけていただきたい)。端的に言えば”とてもおもしろいお話なので、あなたにもぜひはまっていただきたい”と声を大にして伝えたい。今回の映画を機に、新たに作品自体のファンになる人が少しでも増えれば…と、原作ファンの1人としての願いである。
fromやすえ
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

















