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私、本当にアイドル活動が楽しかった。天職だったな…『恋愛裁判』齊藤京子さんと深田晃司監督を迎え公開記念舞台挨拶開催!

2026年1月24日

実際の裁判に着想を得て、恋愛禁止ルールを破った女性アイドルの裁判を通して、華やかな芸能界の裏側を描く『恋愛裁判』が1月23日(金)より全国の劇場で公開。1月24日(土)には、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田に齊藤京子さんと深田晃司監督を迎え、公開記念舞台挨拶が開催された。

 

映画『恋愛裁判』は、『淵に立つ』『LOVE LIFE』の深田晃司監督が、アイドルの恋愛禁止ルールを題材に描いたオリジナル作品。恋愛禁止ルールを破ったとして裁判にかけられる女性アイドルの姿を通して、日本で独自に発展したアイドル文化と、その中で暗黙の了解とされてきた”アイドルの恋愛禁止”問題について切り込んだ社会派ドラマ。深田監督が”元アイドルの女性に賠償命令”という新聞記事に着想を得て、構想から10年をかけて完成させた作品で、主演を日向坂46の元メンバーである齊藤京子さんが務めた。人気上昇中のアイドルグループであるハッピー☆ファンファーレでセンターを務める人気メンバーの山岡真衣は、中学時代の同級生である間山敬と偶然再会し、意気投合して恋に落ちる。アイドルとしての立場と恋愛との間で葛藤していた真衣だったが、ある事件をきっかけに衝動的に敬のもとへ駆け寄る。それから8ヶ月後、真衣は所属事務所から”恋愛禁止条項”の契約違反として裁判所に召喚されることになる。裁判では、事務所社長の吉田光一やチーフマネージャーの矢吹早耶らが真衣を追及するが…
元アイドルである齊藤さんが、その経験を生かして真衣の葛藤や成長を繊細に演じた。真衣と恋に落ちる間山敬役にドラマ「SHOGUN 将軍」の倉悠貴さん、所属事務所チーフマネージャーの矢吹早耶役に「極悪女王」の唐田えりか、事務所社長の吉田光一役に人気声優であり俳優としても映画やドラマで活躍する津田健次郎さん。2025年の第78回カンヌ国際映画祭でカンヌ・プレミア部門に正式出品された。

 

今回、上映後に齊藤京子さんと深田晃司監督が登壇。約10年にわたる構想を費やした意欲作がいよいよ公開となり、その思いが伝わってくる舞台挨拶が繰り広げられた。

 

日向坂46のメンバーとして何度も来阪されている齊藤さんは「いつも大阪に来ると、スタッフの皆さんが東京と全然違うな」と毎回感じており「明るい感じやユニークな感じが、東京よりあたたかさを感じますね」と振り返り、気に入っているようだ。今回、初めてTOHOシネマズ梅田に来て、改めて「日本全国で公開されているんだな」と実感し、嬉しい気持ちに浸っていた。深田監督は「大阪の人はやっぱり優しい。グイグイ」といった印象が残っており、29歳で初めて大阪に来た時、梅田で道に迷った際、声をかけたサラリーマンに道を尋ねると、一緒に連れて行ってくれたエピソードを明かしていく。

 

今回、オーディションを経て主演に抜擢された齊藤さん。最初に脚本を読んだ際に衝撃を受け「山岡真衣を演じることで、アイドル業界のファンの皆さんにどのように思われるのかな」と葛藤があったことを打ち明けながらも、まずは、第三者として「物語が、とにかくおもしろいな」と素直な感想を語った。山岡真衣というキャラクターについて「アイドル活動に対しても、何においても、真面目に行うところが、自分がアイドル活動をしていた時の感じと似ているな」と受けとめており「決断力や、最終的に成長したマイマイのように、私も覚悟を持ってオーディションを受けさせていただきましたね」と振り返る。オーディションでは、歌ったり踊ったり演技をしたりしたが、深田監督とアイドル論や本作について語ったことが印象に残っており「このオーディションは楽しかったな」といった心持ちで終えたようだ。深田監督は「アイドルとして活動されてきた時間も含めて色々とお聞きしたい」といった意向があったことから、様々なことを訪ねており「自分もすごく楽しかったな」と印象に残っていた。オーディションでは、日向坂46の楽曲で歌とダンスを披露してもらい「自信に満ちている。すごい良かった」と喜び、感想を伝えると、齊藤さんからは「本家ですから」と返された、とのこと。山岡真衣という役について「元々アイドルの方がやってくれた方がリアリティが出るだろう。プロジェクトとしても絶対にその方が良い」と考えていたが「でも、アイドルの方は、必ずしも演技経験が豊富な方ばかりではないので、やっぱり、俳優との両面で探っていたんですね」と明かす。そういった中で、齊藤さんがオーディションに参加し、歌とダンスを絶賛し、劇中のシーン(ケ店で間山敬すシーン、雨の中で喧嘩しているシーン、法廷でのシーン)を演じてもらっており「屋上で話しながら、ラブロマンスの始まりのような場面も良かったんですけど、寧ろ、法廷の場面で淡々と喋る時の芝居がすごく良かった。非常に艶のある低い声もすごく印象的。自分が考えていたアイドルだったら、なんとなく高くて可愛い声、といったステレオタイプな偏見を打ち砕いてくれた。でも、アイドルを8年間もやってきて、センターも務めているので説得力があるのがおもしろくて、お願いした」と当時の抜擢理由を語った。

 

 

劇中でのアイドルに関する描写にはリアリティが追求されている。齊藤さんは、準備稿の段階から「アイドルに詳しい方が書かれたんだな」と受けとめており「ト書や細部が解像度が高かった」と絶賛。その後も、ライブ前にしていることを深田監督に聞かれ、”イヤモニ”について応えると、次の台本には書かれており、細部についても話し合いながら、脚本を作り上げていったようだ。なお、当初は、山岡真衣がセンターを務める、といった設定ではなかったようで、深田監督は「山岡真衣のキャスティングが決まっておらず、実際にアイドルにお願いできるかも分からない、5人のメンバーがどうなるかも分からない中で、センターに見合っている説得力があるキャスティングが出来るか分からなかったので、腰が引けていた。センターにしない方が無難だろう、と思っていた」と明かし「齊藤さんが来てくれたことで、センターの説得力を十分に出せるな」と思い始めたようだ。齊藤さんと話していく中で「脚本に書いてある真衣というキャラクター…寧ろ、こういう方がセンターになるんじゃないか」といった意見交換ができ、背中を押され、山岡真衣をセンターに設定した。また、法廷のシーンでは、当初は山岡真衣がアイドル論を語る件があったが、齊藤さんが演じることになり「これまで8年もトップアイドルとして最前線で活動されてきた実際のアイドルである齊藤さんが出てくれるとなったら、自分が頭で考えたアイドル論を語らせるのは滑稽だな。そんなことをしても意味がないな。齊藤さんが”生きたアイドル論”みたいなものだ」と気づき、全てをカットしたことが一番大きく変わった箇所のようだ。

 

今回、事前にSNS上で2人への質問事項を募集しており、まずは、現役のアイドルへの本作の良さの伝え方を聞かれ、齊藤さんは「”ル”い。めちゃくちゃリアルに描かれているので、アイドルの裏側を、ドキュメンタリー映画じゃなく、作品として、物語として、エンタメとしても観られるところ」とポイントを挙げ「私、本当にアイドル活動が楽しかった。今でも、天職だったな、という風に思っていて、卒業コンサートの時に、生まれ変わっても絶対アイドルになります、と言って卒業したぐらい本当に大好きな職業だったので、アイドルを目指してる方がもしいらっしゃったら、本当に楽しいのでお薦めします、という気持ちでいっぱいです」と太鼓判を押す。深田監督は「現役のアイドルの方には、映画の中で特にココを観てほしいな」といった思いや「自由に感じ取ってほしい」という思いはあるようだが「実際に、自分がインタビューをしてきた元アイドルの人達を見ていても、連帯感がある方が多かったんですね。特に、寮に住んでいる3人それぞれの目指す方向が違ったとしても、どこかで繋がっている連帯感は好きなんですね。いな」と願っていた。

 

次に、”アイドル齊藤京子”と”アイドル山岡真衣”の違いを尋ねられ、齊藤さんは「まずビジュアルや髪型等はまるで変えたい、と思って敢えて変えましたね。”アイドル齊藤京子”を連想されたくない。今までやってこなかった髪型を敢えてやったり、この作品で初めて髪の毛を染めたりして役作りをした。山岡真衣に寄せつつ、でも齊藤京子にはならないように。そうなることで、この作品も、山岡真衣としても観てくださる方がしっかりと作品に没頭できるだろうな」と述べ「勿論いつもの髪型をすれば完全にアイドルになるのは分かっているんですけど、それを敢えて違うものにしたので、全然違う。私が演じてはいるので私ではあるんですけど、全然違う私のアイドル姿がこの映画では観られる」と説く。現在、ファンレターをいただいており「そこに感動しました、とポジティブなコメントが凄く多くて、それを”京子”として観ずにいられるから良く見れる、というのもあるのかな」と捉えており「あの時やっていた髪型とか、あまりにも”京子”感が出るとアイドルとしては100点かもしれないけど、それは、この映画では”マイマイ”でもないし、”齊藤京子”がここに邪魔したくない、というのがあって、役作りは一生懸命に監督と話し合いながらやりましたね」と振り返った。

 

 

そして、アイドルを題材にして、おもしろかったことや難しかったことについて聞かれ、深田監督は「おもしろかったところは、ハッピー☆ファンファーレのメンバーのオーディションから山岡さんが決まった後、残り4人のオーディションをやって、アイドルグループを作り上げていく過程を凄く短期間で圧縮して味わったこと。皆がアイドルグループになっていく過程がすごくおもしろかったですね。どんどん仲良くなっていったことを含めてすごくおもしろかったです。大変だったところで云うと、アイドルの恋愛を描くと夜のシーンばっかりなんだな、と。夜のシーンだし、変装をしてるし、そこをどうやって撮るか、どうやって光を当てるか、というところは夜のシーンだけど、苦労したところです。撮影部や照明部と一緒に苦労したところかな」と挙げた。そして「事務所の描き方のさじ加減はすごく難しかったですね。取材をしていると本当に様々な事務所があって、すごく良心的な事務所があれば、所謂ブラックな事務所があった。ブラックを描いていけば際限がないんです。インパクトも強まるんです。でも、それをやってしまうと、アイドル業界にあるかもしれない問題は寧ろ見えなくなってしまう。その全体の構造の問題ではなく、個の問題になってしまうところがあったので、そのさじ加減をなるべくフラットに描くところは、凄く気を遣ったところです」と説く。なお、撮影現場について、齊藤さんは「撮影が始まってから凄く仲良くなって、合間とかでもずっと遊んでいた。本当に仲良くなった。だから、他のハピファのメンバーがクランクアップになった時、本当に卒業みたいな気持ちになって凄く泣きましたね」と思い返す。深田監督も「齊藤さんが皆と人狼ゲームで遊ぶことによって、どんどんコミュニケーションを深めていってくれたおかげで、4年間も活動しているアイドルグループを、3ヶ月で仲のいい雰囲気を出さなくちゃいけなかったんですけど、齊藤さんがまとめてくれたな」と感謝しており「凄く深刻なシーンの直前でも、人狼ゲームを凄く楽しんでいて、皆すごいな。カメラが回った瞬間、スッとシリアスなシーンになる」と驚くばかりだ。

 

また、カンヌ国際映画祭の現地での日本のアイドルの受けとめ方について聞かれ、齊藤さんは取材で「て、か」「アイドルが恋愛をしてはいけない、というのは何故ですか」「ファンがアイドルに恋をする、というのは何故ですか」といったことを沢山聞かれたことを明かし「私も、確かになんでだろうな、と思いながら頑張って応えたんですけど、それは日本ならでは、なんだな」と改めて認識。アジアでは、K-POPのアイドル文化が挙げられるが、タイでもアイドル文化があるが「アイドルが恋愛したら寧ろ応援するけど、日本ではまだ違うんですか」と聞かれたこともあり「同じアジアでも、日本だけなのかな、ここまでの文化は…」と実感していた。

 

最後に、齊藤さんは「昨日、公開初日を迎えて…前日の日付変わるぐらいからもうドキドキしていて、1、2、3,来るぞ、みたいな…一昨年ぐらいから今日という日が長かったので、本当に今日が来たな、というか。でも、いつも、楽しみにしててください、ということしか言えなかったんですけど、観ようと思ったら観られる状況になったことが当たり前のように感じない、すごく不思議な、そして、すごく嬉しい気持ちでいっぱいです。私自身、覚悟を持ってこの作品に参加させていただいたので、ぜひ何度でも劇場に足を運んでいただけたら嬉しいです。本日は、本当にありがとうございました」と伝え、舞台挨拶を締め括った。

 

映画『恋愛裁判』は、1月23日(金)より全国の劇場で公開中。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田大阪ステーションシティシネマや難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や九条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開中。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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