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“生きづらさ”を抱える思春期の青年と彼の叔母による対話を描いた『もういちどみつめる』がいよいよ劇場公開!

2025年11月18日

©Aerial Films

 

山でキャンプ場を営む女性のもとを、少年院から出所して1年経過した甥が訪れ、彼らが心の交流を深めていく様を描く『もういちどみつめる』が11月22日(土)より全国の劇場で公開される。

 

映画『もういちどみつめる』は、少年院を出所した思春期の青年と生きづらさを抱えて生きる叔母が織りなす心の交流を通し、言葉にして対話することの重要性を描くドラマ。山でキャンプ場を営む典子のもとに、1年前に少年院から出所した18歳の甥ユウキが突然訪ねてくる。ユウキは典子の姉である母親を捜しているという。典子が義理の兄に電話すると、ユウキと義理の兄の関係はうまくいっていないとのことだった。人の表情を読み取ることが苦手な典子は、ユウキにキャンプ場でアルバイトをさせながら話を聞いて寄り添い、ユウキはそんな彼女に次第に心を開いていく。ある日、典子の息子でユウキと同じ年の従兄弟である健二が、大学の友人たちとキャンプにやってきて、ユウキは由香理と森の植物や星の話題で盛り上がるが…

 

本作では、『HER MOTHER 娘を殺した死刑囚との対話』で国内外から注目を集めた佐藤慶紀監督が、『淵に立つ』『よこがお』等の筒井真理子さんと『旅と日々』の髙田万作さんを主演に迎えて撮りあげた。生まれながらに他者とのコミュニケーションに難を抱える典子を筒井さん、複雑な家庭環境や過去を抱えるユウキを髙田さんが演じ、にしやま由きひろさん、徳永智加来さん、中澤実子さんが共演している。

 

©Aerial Films

 

映画『もういちどみつめる』は、11月22日(土)より全国の劇場で公開。関西では、11月22日(土)より大阪・十三の第七藝術劇場、11月28日(金)より京都・烏丸の京都シネマで公開。また、神戸・元町の元町映画館でも公開予定。

ある家族が静かに崩壊していく姿を通して、現代の家族や社会のあり方を問いかける『BAD CHILD』、殺人事件の加害者と対話することで和解を試みる被害者遺族の姿を通し、理解できないものへの接し方や、死刑制度などについて描き出す『HER MOTHER 娘を殺した死刑囚との対話』といった劇映画を手掛けてきた佐藤慶紀監督。本作は、少年院を出所した思春期の青年と生きづらさを抱えて生きる叔母が織りなす心の交流を描く作品であり、過去作の延長線上にあるような作品だと感じずにはいられない。人の表情を読み取ることが苦手で、相手が話す言葉通りに受けとめることしかできない主人公の典子は、素直に生きてきただけだろう。だが、それだけでは日々を柔軟に過ごすことが出来ないのが切なく、複雑な世の中に出ることが出来ないのは如何ともし難い。対峙する甥のユウキは、言葉数が少なく、典子と真っ直ぐに話すことが出来ないのだ。だが、胸の内には秘めたる想いがあり、それを打ち明けることが出来ず、不器用に生きるしか出来なかった。そんな2人の間を昭夫が取り持つようにしてくれるのがせめてもの救いだ。本作を観進めていくと、次第にユウキが求めていたことの真相が分かり、言葉にし難い気持ちを抱えてしまう。それでも、皆が日々を生きていかないといけないのだ、と感じずにはいられない。それが、前に進むことになるのか定かではないが、ユウキがささやかな幸せな瞬間に遭遇することを願ってやまない…そんなユウキを演じた髙田万作さんの眼差しは、直近の公開作品で共演した河合優実さんに通ずるものがあると感じ、今後の活躍を大いに期待したい限りだ。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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