フジコ・へミングの波乱万丈な人生を未公開のインタビュー映像や絵日記を交えて紐解く『フジコ・ヘミング 永遠の音色』がいよいよ劇場公開!

©2025「フジコ・ヘミング 永遠の音色」フィルムパートナーズ
2024年4月に92歳で他界した、ピアニストのフジコ・へミングの生き様と音色を刻んだドキュメンタリー『フジコ・ヘミング 永遠の音色』が10月24日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『フジコ・ヘミング 永遠の音色』は、2024年4月に92歳で他界した世界的ピアニスト、フジコ・ヘミングのドキュメンタリー。情感あふれるダイナミックな演奏で国内外の多くの人々の心をとらえ、「魂のピアニスト」と呼ばれたフジコ・ヘミング。2018年のドキュメンタリー映画「フジコ・ヘミングの時間」など12年にわたって取材を続けてきた小松莊一良監督が彼女の素顔に迫り、心揺さぶる演奏と生きざまを映し出す。圧巻の「ラ・カンパネラ」やクラシックの名曲の数々、貴重なオリジナル曲など初公開を含む演奏シーンをはじめ、フジコ本人のインタビュー映像や絵日記、本作で存在が明らかになった異母妹エヴァや俳優の弟ウルフの証言などを収録。幼少時のスウェーデン人の父との別れ、母による厳しいレッスン、無国籍であることの生きづらさ、貧しい留学生活、忘れられない恋、聴力の喪失などさまざまな苦難を乗り越え、60代で認められ人気ピアニストとなった彼女の波乱万丈な人生を振り返る。2003年放送のスペシャルドラマ「フジ子・ヘミングの軌跡」でフジコを演じ、プライベートでも親交のあった菅野美穂さんがナレーションを担当した。
©2025「フジコ・ヘミング 永遠の音色」フィルムパートナーズ
映画『フジコ・ヘミング 永遠の音色』は、10月24日(金)より全国の劇場で公開。関西では、10月24日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田や京都・烏丸御池のアップリンク京都や桂川のイオンシネマ京都桂川、10月31日(金)より神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

小松莊一良監督によるフジコ・ヘミングのドキュメンタリーは本作を含め3作ある。1作目の『フジコ・ヘミングの時間』(2018)は、ワールドツアーで世界を巡って演奏する姿や、自宅で愛する猫に囲まれて過ごす時間など、公私にわたるフジコの素顔に密着し、彼女のの人間性と音楽に迫った。2作目の『恋するピアニスト フジコ・ヘミング』(2024)は、2020年から4年間にわたる旅路を撮影し、コロナ禍における日々を追いかけた貴重な作品である。そして、3作目の今作は、これまでもふれてはいたが、彼女の波乱万丈な人生を振り返る集大成的な作品だ。父親はスウェーデン人で画家・建築家、母親は日本人でピアニストの2人の間で生まれ、家族で日本に移住したが、最終的には父親は祖国に帰ることに。幼少期から母親の手ほどきでピアノを始め、才能を開花させ、天才少女と話題になった。戦争の影響を受けながらも、戦後は若くしてデビューコンサートを催し、その後はドイツに留学。さらに才能を発揮していくが、貧しい留学生活になったり、聴力を喪失を失ったりと幾度も苦難に遭遇し、これを波乱万丈といわなければ相応しい言葉が見つからない。60代を迎え、母親を亡くし日本に帰国後、改めて世界的に認められ人気ピアニストとなった。幾度もの苦難と向き合ってきたことが十分に伝わってくる手を見つめながら、その指がふれた鍵盤からは繊細な音色が奏でられていることを存分に体感できる。このリアルな姿を今はもう観ることが出来ないのが歯がゆくも、じっくりと最後まで見届けたいドキュメンタリーであった。

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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