祖父の死をきっかけに一緒に暮らすことになった孫と祖母の人生のふとした喜びを描く『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』がいよいよ劇場公開!

©2025「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」
コーヒーにこだわる心優しい青年と、学びの楽しみを広げる好奇心旺盛な祖母の絆を描く『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』が10月24日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』は、グローバルボーイズグループJO1の豆原一成さんと、44年ぶりに映画主演を務める市毛良枝さんが、同じ大学に通うことになった孫と祖母を演じるドラマ。女性の活躍が困難だった時代に学校を創立し、教育に尽力した島田依史子さんの著作を原案に、”学ぶことの楽しさ”を主軸に据えながら、人生のふとした喜びや世代を超えた家族の物語を描く。祖父の他界後、大学生の拓磨は、夫に先立たれてひとり残された祖母・文子と同居することになった。ある日、拓磨は亡き祖父である偉志の書斎で、大学の入学案内を見つける。それは偉志が遺した妻である文子へのサプライズだった。亡き夫の遺志を受け入れ、大学への進学を決意した文子は、若い頃の夢だった”学び”の日々を謳歌する。一方、祖母と同じ大学に通う拓磨は、自分の夢に自信が持てずに将来について悩んでいた。そんな2人はある時、富士山のことが好きだった偉志の手帳に不思議な数式を見つける。その数式が、2人にとって一歩を踏み出すきっかけとなっていく。
本作では、拓磨役の豆原さん、文子役の市毛さんのほか、酒井美紀さん、八木莉可子さん、長塚京三さんらが脇を固める。監督は『大河への道』の中西健二さんが務めた。
©2025「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」
映画『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』は、10月24日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都、神戸・三宮の kino cinema 神戸国際やシネ・リーブル神戸等で公開。

大正から昭和にかけて、”女性の自立”のために職業教育を行った島田依史子さんが創立した文京学院大学(1991年の開学当初は文京女子大学、女子大学で初めて経営学部を設置した。2002年に校名変更した後は男女共学)へ通うことになったおばあちゃんと孫の絆を描いた本作。孫は大好きなコーヒーのためにアルバイトに励み、あまり大学には通っていなかった。おばあちゃんは、夫に先立たれてひとり残されたしまったが、ひょんなことから孫と同じ大学へ通うことに。興味深い役柄の設定であるが、市毛良枝さんが演じることで、元気なおばあちゃんが、様々なことに関心を持って学問に励む姿には、生涯教育の象徴であるかのように感じられる。だが、孫にとっては、そんなおばあちゃんの姿がもどかしくもあり、周囲には秘密にしていたことは分からないことはない。とはいえ、ひょんなことからお互いに周囲の友人達を巻き込んでしまえば、意外な程に馴染んでしまう様子は愛おしい光景でもあった。そして、家族の絆を改めて見つめ直す出来事に幾つも遭遇していくのが本作ならではのストーリーテリングだ。そこで、本作のタイトルにある富士山が意味することが重要になっていく。”富士山”と”コーヒー”と”数式”という単純には結び付かなそうな3つが並列されているタイトルが意味することは興味深く、苦難を乗り越えて最終的には微笑ましく感じられる物語に仕上がっていた。人生の中で一休みしたくなった時、再び歩き出そうとする時、軽い気持ちで本作を観てみるのはいかがでしょうか。

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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