陸上競技100m走の世界で最速に挑む男たちの狂気と情熱を描く『ひゃくえむ。』がいよいよ劇場公開!

©魚豊・講談社/「ひゃくえむ。」製作委員会
生まれつき足が速く、友達も居場所もある少年が、辛い現実から逃れようと走る少年に早く走る方法を教え、やがてライバルとして関係を築いていく『ひゃくえむ。』が9月12日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ひゃくえむ。』は、「チ。-地球の運動について-」で知られる漫画家・魚豊の連載デビュー作で、陸上競技の世界で100メートル、という一瞬の輝きに魅せられた者たちの狂気と情熱を描いたスポーツ漫画「ひゃくえむ。」をアニメーション映画化。生まれつき足が速く、友達も居場所も当たり前のように手に入れてきたトガシと、つらい現実を忘れるためがむしゃらに走り続けていた転校生の小宮。トガシは小宮に速く走る方法を教え、放課後に2人で練習を重ねていく。打ち込めるものを見つけた小宮は貪欲に記録を追うようになり、いつしか2人は100メートル走を通じてライバルとも親友ともいえる関係となる。数年後、天才ランナーとして名を馳せたトガシは、勝ち続けなければならない恐怖におびえていた。そんな彼の前に、トップランナーのひとりとなった小宮が現れる。
本作では、松坂桃李さんがトガシ、染谷将太さんが小宮の声をそれぞれ演じ、共演には内山昂輝さん、津田健次郎さん、高橋李依さん、種﨑敦美さん、悠木碧さんら豪華声優陣が集結。2020年の長編第1作『音楽』で国内外から高く評価された岩井澤健治さんが監督を務め、『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』のむとうやすゆきさんが脚本を担当した。
©魚豊・講談社/「ひゃくえむ。」製作委員会
映画『ひゃくえむ。』は、9月19日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や九条のT・ジョイ京都、兵庫・神戸のOSシネマズ神戸ハーバーランド等で公開。

各エピソード毎に衝撃的な展開を見せてくれた「チ。-地球の運動について-」の魚豊さんの連載デビュー作を、『音楽』の岩井澤健治監督が映画化…このタッグを聞くだけでも観たくてしかたないのが本作だ。『音楽』では、自主制作体制で7年半の歳月をかけて完成させた。今作では、しっかりとしたアニメーション制作の体制が組まれながらも、『音楽』に続いてロトスコープの手法を取り入れながらも、必死になって走る各キャラクターの形相を手書きアニメーションの持ち味を活かしている。気づけば、否が応でも食い入るようにスクリーンを見入ってしまうのだから、原作の持ち味を最大限に表現していた。主人公は、生まれつき足が速いトガシ。こんな小学生、クラスに1人はいるよなぁ、と思える優等生タイプ。そんな彼が出会ったのが転校生の小宮。最初は、どちらかといえば、小宮のような気分で本作を観てしまい、トガシのようなクラスメイトに出会いたかったなぁ、と思ってしまった。だが、気づけば、誰もが才能を開花し、天才同士の競り合いに畏れ入るばかり。とはいえ、天才同士の中でも順位は付いてまわってくるもので、挫折してしまう者がいれば、さらに孤高の存在となるスプリンターもいる。そんなライバル同士の戦いに胸が熱くならないはずがない。なお、ロトスコープの手法を用いていることから、音響の素材録りでは、スパイクにマイクを装着したり、実際にトラックに水を撒いて劇中と同じ状況にするといったことをしており、実写映画の撮影に近い状態で録音しており、劇場での体感度は凄まじいばかり。最速に挑む男達の戦いに大いに胸を熱くしてほしい限りだ。

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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