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警察官の“特例射殺”を問う社会派インド映画『銃弾と正義』がいよいよ劇場公開!

2025年9月2日

©Lyca Productions

 

インド南端の県を舞台に、凶悪犯罪の捜査で犯罪者を仕留めるさまを“狩人”とあだ名されていた名物警察官が、女性教師殺人事件の犯人を追い詰めようとする『銃弾と正義』が9月5日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『銃弾と正義』は、警察官が凶悪犯をその場で射殺する「特例射殺(エンカウンター)」をテーマに描いた社会派アクション。インド最南端のカンニヤクマリ県。アディヤン警視は凶悪犯罪の捜査中に反撃してくる犯罪者を迎え撃ち、その場で仕留めることをしばしば行っていることから「狩人」の異名で呼ばれていた。ある日、女性教師のレイプ殺人事件が発生。被害者の女性は以前、教育現場を巻き込む薬物汚染についてアディヤンに通報していた。特捜チームに加わったアディヤンは、犯人と思われる若い男の追跡に乗り出す。一方、人権擁護派の判事サティヤデーヴはアディヤンの捜査手法に強い危機感を抱いていた。事件の捜査をめぐり、アディヤンとサティヤデーヴが対立するなか、この事件と同時期に起きていた別の社会問題とのつながりが明らかになる。

 

本作では、インド映画界を代表する俳優ラジニカーントとアミターブ・バッチャンが共演。ラジニカーントが主人公アディヤン、アミターブ・バッチャンが判事サティヤデーヴを演じ、『バーフバリ』シリーズのラーナー・ダッグバーティ、『ヴィクラム』のファハド・ファーシルが共演。『ジャイ・ビーム 万歳ビームラーオ』のT・J・ニャーナベールが監督を務めた。

 

©Lyca Productions

 

映画『銃弾と正義』は、9月5日(金)より全国の劇場で公開。関西では、6月20日(金)より、大阪・梅田のテアトル梅田や難波のなんばパークスシネマや堺のMOVIX堺、京都・三条のMOVIX京都や桂川のイオンシネマ京都桂川、兵庫・神戸のkino cinema神戸国際塚口サンサン劇場で公開。

警察官が凶悪犯などに対して逮捕・起訴・裁判などの手続きをすべてまたは一部省略して射殺することを意味する”エンカウンター”。法律的には、”警察官による超法規的処刑”として表現しそうだが、本作の字幕においては”特例射殺”と分かりやすく表現している。明らかな凶悪犯であり、情状酌量の余地が一切ないのであれば、特例射殺はやむを得ないのかもしれない。分かりやすいヒーロー映画であるならば、凶悪な敵が殺されていくことに抵抗することはないだろう。だが、リアリティある物語ならば、賛否の余地はあるだろうか。本作において、主人公は、特例射殺をすることが許された警視だ。特例射殺をする度にヒーローの如く崇められていた。だが、本作には、彼が行う特例射殺に危機感を抱く人権擁護派の判事がいることも興味深い。警視と判事が次第に対立していくが、決して敵と味方に分かれることはない。彼等が憎むのはあくまで罪である。本当の悪が何であるか、が本作のポイントだ。本作の冒頭で描かれていることがまさか重要な伏線になるとは思わなかった。まさに秀逸なストーリーテリングである。ストーリーが進んでいく中で何が本当の正義であるのか、観る者に問われていくインド映画は新鮮であり、まさに『銃弾と正義』といえる邦題がピッタリであることもうなづくことが出来た。こんな社会派なアクション映画も製作できるインド映画の奥深さを知ることができる作品でもある。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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