アジア各国から届いた最新スリラー映画3作品を一挙に上映する特集上映「映画で旅するASIAN THRILLER特集」がいよいよ開催!

アジア各国から届いた最新スリラー映画3作品を一挙に上映する特集上映「映画で旅するASIAN THRILLER特集」が9月5日(金)より開催される。
近年、アジア映画の躍進が目覚ましい。世界中の映画祭や配信プラットフォームで注目を集めるほか、日本でも、『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』が興行収入約5億円を記録する異例の大ヒットを遂げるなど、独自の視点と文化性で観客を惹きつけてやまない。特に、オリエンタルな混沌を大胆なジャンル表現に昇華し、CGに頼らない肉体的な緊張感で人気が高いのが、ホラー・アクション・サスペンスといったジャンル系の作品である。本特集では、シンガポール×アクション、台湾×サスペンス、香港×サイコホラーという各地域の文化的背景を活かしたハイブリッドな3作品が、それぞれ異なる語り口で「アジア映画の現在地」を描き出す。
映画『ゲイラン』は、シンガポールの歓楽街であるゲイランを舞台に、失踪した娼婦と彼女を取り巻く男たちの運命が絡み合っていくさまを描いたクライムスリラー。ある夜、若く美しい娼婦が突如消息を絶つ。その出来事をきっかけに、彼女の恋人である煙草売りをはじめ、売春宿のポン引き、臓器提供者を探す医師、地元の社会支援弁護士らが入り乱れ、血みどろの追跡劇を繰り広げる。中華圏を代表する映画賞の金馬奨で最優秀アクション振付賞にノミネートされた、スピーディーかつユニークなアクションも見どころ。
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映画『シャドウズ』は、人間の内に秘めた善と悪の二面性をテーマに描く香港発サイコスリラー。 香港でソーシャルワーカーが家族を虐殺し、自ら出頭するという残忍で不可解な殺人事件が発生した。法医学精神科医のチョイは、生まれつきの特別な能力で、殺人犯の潜在意識から“事件の中の事件”の存在に気づく。果たして、人前では「善人」に見える彼らは、本当に善人なのか。それとも善人を装った悪人なのか…『私のプリンス・エドワード』のステフィー・タン、『人生の運転手(ドライバー) 明るい未来に進む路』のフィリップ・キョン、『カウントダウン』のツェー・クワンホウが出演しいた。
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映画『リンウー 靈語 ─超常捜査─』は、台湾発の超常現象スリラーサスペンス。台湾版エミー賞とも称される金鐘獎で数々の賞を受賞したドラマ「麻酔風暴」で助監督を務めたスー・ホイアンが、長編映画初監督を務めた。警察官のジーカイは、児童連続殺人事件の捜査を命じられる。同じ頃、姉で小学校教師のメイジェンは、娘のドウドウを何者かに誘拐され、犯人から「1年前に何をしたか、思い出せなければ娘は死ぬ」という“宿題”を突きつけられる。『親愛なる君へ』のジェイ・シー、『紅い服の少女 第二章 真実』のレイニー・ヤン、『血観音』のウー・カーシー、『弱くて強い女たち』のディン・ニン、「角頭 彷徨人」のチェン・レンシュオらが出演した。
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特集上映「映画で旅するASIAN THRILLER特集」は、9月5日(金)より開催。関西では、9月6日(土)より大阪・十三のシアターセブンや神戸・新開地のCinema KOBEで開催。

”映画で旅するASIAN THRILLER特集”とのことで…実際にそんな旅をしたくはないけども、映画で疑似体験するなら、ちょっとは旅していいかも…という思ってしまう方はいるだろうか。そんな不毛な議論は一旦置いておいて…昨今のアジア各国発のホラー映画やスリラー映画には、おもしろい作品が続々と日本にも届けられている。アジアならではの土着信仰に関する要素が詰め込まれている作品が多いが、本当にゾッとするような作品ばかりなので、気になって仕方がない方も多いだろう。本特集でピックアップされた作品も、土着信仰に関する要素はしっかりと詰め込まれているが、それだけではない作品になっており、どの作品もたっぷりと楽しませてくれる。シンガポール発のクライムスリラー、香港発サイコスリラー、台湾発の超常現象スリラーと三者三様ではあるが、心理的に追い込まれていく状況には、観る者にも緊張感が伝わってきて、否が応でもスクリーンから目が離せないだろう。日本においては、エンターテインメントの要素が強い映画祭や特集上映で今回のようなアジア映画がピックアップされてきたが、さらに広くロードショー公開される機会が増えていくことを楽しみにしておきたい。

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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