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ベトナムで続いている犬食文化、家父長制、村のコミュニティを背景にしたホラー『狗神の業』がいよいよ劇場公開!

2025年8月12日

©2023 89S GROUP. ALL RIGHTS RESERVED.

 

恐怖の象徴とされる“チャオドイノンメ”に着想を得て、犬肉販売を生業とする一族が父の死をきっかけに、不可解な出来事に巻きこまれていく『狗神の業』が8月15日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『狗神の業』は、犬食文化が残るベトナムで、犬肉を生業とする一族が次々と謎の死を遂げていく姿を描いたホラー。犬肉店を経営する父が亡くなり、葬儀のため婚約者のスアンを伴って帰省したナム。しかし、犬肉店というナムの実家の家業や、スアンの妊娠をめぐって2人は口論になってしまう。そして葬儀の日の夜、ナムは恐ろしい夢を見る。それは、家族全員がまるで売られる前の犬のように殺され、吊るされているというものだった。そしてその傍らでは、亡くなった父が「一族全員が殺される」と言い放っていた。やがてその言葉通りに不可解な出来事が起こり始め、家族が次々と犠牲になっていく。かつて同じように家族を亡くした別の犬肉店の娘・ライは「赤い鼻の白い犬に気をつけろ」と警告するが、ナムの実家にいる番犬が、まさにその特徴を備えていた。

 

本作は、ベトナムで国産ホラーとしては歴代最高となる興行成績を記録したヒット作。クアン・トゥアン、ミー、ヴァン・ドゥン、ナム・トゥーらが出演。本作が長編初作品となった若手映像作家のルー・タン・ルアンが監督を務めた。

 

©2023 89S GROUP. ALL RIGHTS RESERVED.

 

映画『狗神の業』は、8月15日(金)より全国の劇場で公開。関西では、8月16日(土)より神戸・新開地のCinema KOBE、8月30日(土)より大阪・十三のシアターセブンで公開。

犬肉料理の文化は、日本の近隣では、東南アジア、中国や朝鮮半島辺りを中心に浸透してきたが、現在では、香港、フィリピン、台湾、タイ、シンガポール等では犬肉禁止令が施行されている。それでも、ベトナムでは、犬食文化が残っているようだ。犬肉は幸運をもたらすと考えられている、とのこと。とはいえ、犬食の忌避といった慣わしもあるようで、本作においては、それらが運命の境目となっているようだ。犬肉店を経営する父の忌まわしき死によって、次々と怪現象や怪死が起こっていく。それならば、父の死について辿っていけば、原因が分かるはず。だが、本作の注目ポイントはそれだけはなかった。ベトナムならではの過度な家父長制があり、兄弟姉妹からの嫌がらせには憤りを感じずにはいられない。つまり、この家族は、犬食についても家族についても業(カルマ)を抱えており、行きつくところにまで至っているわけだ。真相は最後に明かされることになるが、この父親がとにかく酷い人間であることは記しておく。その祟りが家族に返ってくる、というのが必然ではあるのはいたたまれない限り。この家族が最終的にはどうなってしまうのか。ベトナムならではの土着的なホラーを最後まで存分に楽しんでほしい。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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