貧しい家庭で育った天才少女が、前代未聞のカンニング計画を企てる『BAD GENIUS/バッド・ジーニアス』がいよいよ劇場公開!

©Stewart Street LLC
名門校に特待生として迎えられた貧しい家の少女が、ある出来事をきっかけに、富豪弁護士の息子からカンニング計画を持ちかけられる『BAD GENIUS/バッド・ジーニアス』が7月11日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『BAD GENIUS/バッド・ジーニアス』…
貧しい家庭に育つ天才少女リンは、名門高校に特待生として入学する。ある日、リンは落第の危機に陥った親友グレースを助けるため、試験中に奇想天外な方法で解答を教えてしまう。グレースの恋人で弁護士の息子であるパットは、そんなリンの才能に目をつけ、学校の劣等生たちを救う“裏ビジネス”を持ちかける。やがてその計画は、前代未聞のカンニング作戦へと発展していく。
本作では、日本でもヒットした2017年のタイ映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』をハリウッドでリメイク。『プレゼンス 存在』のカリーナ・リャンが主人公リン、テレビシリーズ「Bel-Air(原題)」で注目を集めるジャバリ・バンクスがリンの相棒となるバンク、『ドクター・ストレンジ』シリーズのベネディクト・ウォンがリンの父モウを演じた。『ルース・エドガー』の脚本家J・C・リーが初メガホンを取り、『キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド』の監督・脚本で知られるジュリアス・オナーがリー監督とともに脚本を担当。製作には『コーダ あいのうた』のパトリック・ワックスバーガーが名を連ねた。
©Stewart Street LLC
映画『BAD GENIUS/バッド・ジーニアス』は、7月11日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のT・ジョイ梅田や難波のなんばパークスシネマ、京都・九条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

2018年、日本でタイ映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』が公開された当時、カンニングという負の要素がある題材でありながら、『オーシャンズ11』や『ミッション:インポッシブル』に例えられるなど話題になった。そして、今やタイのA24とも云われるようになった配給会社GDH559が注目されるきっかけとなった作品だ。それだけ注目されたならば、他の国がリメイクしようと躍起になってしまうのも納得せざるを得ない。タイは多民族国家であるが、今回リメイクされたアメリカで意味する多民族国家とは異なっていると両作品を観ながら気づかされる。タイならば世界で活躍しようとする意向が感じられるが、アメリカならば、大国アメリカの中でエリートになったり夢を掴んだりすることが本望であるが故に、カンニングという手段が選ばれてしまっただろうか。両作品共にカンニングするための手法は共通している手法がある。タイ版で観た際には、その斬新さやスリリングさに心を鷲掴みされた。そして、青春映画ならではの危うさも感じてしまったものだ。アメリカ版では、カンニングを図った後の顛末が異なっていた。カンニングの愚かさを強調しているようでもある。だが、それだけでは、リメイクした意味がない。『オーシャンズ11』を生み出したアメリカ映画ならではの痛快さが備わっている。そもそも、中国でSAT試験(大学進学適性試験、アメリカの大学入学時に考慮する要素の1つ)がカンニング騒動で無効になった事件を元にして『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』が製作されたことを考えると、アメリカでリメイクされることは運命だっただろうか。

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!