高校3年生の少女が、ある小説に憧れて300年後から来たという転校生と恋に落ちる『リライト』がいよいよ劇場公開!

©2025『リライト』製作委員会
高校3年生の少女のもとに現れた、ある小説に憧れて300年後の未来からやって来たという転校生の少年の謎を描く『リライト』が6月13日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『リライト』…
高校3年の夏、美雪の学校に保彦という少年が転校してくる。ある小説に憧れて300年後からタイムリープしてきたという保彦と秘密を共有することになった美雪は、彼に恋をする。7月21日、美雪は保彦にもらった薬を使い、10年後の自分に会うためタイムリープする。未来の美雪は過去の自分に、自身の著書だという本を見せるが、それは未来で保彦が出会う小説だった。過去に戻ってきた美雪は、この夏の保彦と自分の物語を書いて時間のループを完成させることを約束し、未来へ帰る保彦を見送る。10年後、ようやく本を出版した美雪は、過去からタイムリープしてくるはずの自分を待つが、なぜか一向に現れない。謎を探るなかで同窓会に参加した彼女は、同級生から驚きの真実を知らされる。
本作は『ちょっと思い出しただけ』の監督である松居大悟さんと『サマータイムマシン・ブルース』の脚本家である上田誠さんが初タッグを組み、法条遥さんの小説を原作にオール尾道ロケで映画化したSF青春ミステリー。池田エライザさんが主人公である美雪の高校時代とその10年後を演じ、阿達慶さんが保彦役で映画初出演。物語のキーパーソンとなる美雪のクラスメイトである友恵役を橋本愛さんが務め、そのほか久保田紗友さん、倉悠貴さん、前田旺志郎さん、山谷花純さん、大関れいかさん、森田想さん、福永朱梨さんが同級生役で共演。尾道ロケ作品として有名な『ふたり』の石田ひかり、『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』の尾美としのりさんらベテラン俳優が脇を固める。
©2025『リライト』製作委員会
映画『リライト』が6月13日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や九条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開。

本作の原作小説は、“SF史上最悪のパラドックス”として評判を呼んだ衝撃作とのこと。作品を観ていく中で、”そんなのありかよ!”とか”そんなことでタイムリープしてもいいの!?”と思わずにはいられない方もいるのではないか。脚本を手掛けた上田誠さんは、ヨーロッパ企画の作品ではSFを描いてきたが、あくまでも庶民派テイストであり、おもしろさやおかしさの要素が相まって、登場人物達を応援したくなるコメディ作品が多い。だが、本作では、ある意味では深刻でシリアスなテイストがあり、違った一面が垣間見られた。勿論、周囲にいるキャラクターは振り回されている一面もあり、コメディの要素がないわけではない。まさに、人生は悲劇にも喜劇にも成り得ることを体現しているだろうか。
なお、本作の舞台になっているのは広島県尾道市。つまり、日本のSFで有名なあの作品へのオマージュがたっぷりと込められている。それらのモチーフを少しだけ変化させたエッセンスがそこかしこにあり、キャスティングにまで盛り込まれており、それらに気づく度にワクワクしてしまう。そして、至るところに伏線が張り巡らされていることに気づかされ、そのギミックを構築した人物には拍手を送りたい限りだ。…とツラツラと書いてみたが、まずは事前情報を入れずまっさらな状態で本作を観てみることを大いにお薦めしたい。それこそが本作を大いに楽しむことが出来る手段ではなかろうか。

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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