Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

  • facebook

観客の期待を超えていく極上のエンターテインメント作品!『国宝』豪華キャストと李相日監督を迎えジャパンプレミア開催!

2025年5月30日

抗争で父親を失った任侠一門の息子が、上方歌舞伎の名門当主に引き取られ、歌舞伎の世界で出会ったライバルの御曹司と成長していく『国宝』が6月6日(金)より全国の劇場で公開される。5月30日(金)には、世界遺産 真言宗総本山 東寺に豪華キャストと李相日監督を迎え『国宝』ジャパンプレミアが開催された。

 

映画『国宝』は、李相日監督が『悪人』『怒り』に続いて吉田修一さんの小説を映画化。任侠の家に生まれながら、歌舞伎役者として芸の道に人生を捧げた男の激動の人生を描いた人間ドラマ。任侠の一門に生まれた喜久雄は15歳の時に抗争で父を亡くし、天涯孤独となってしまう。喜久雄の天性の才能を見抜いた上方歌舞伎の名門の当主である花井半二郎は彼を引き取り、喜久雄は思いがけず歌舞伎の世界へ飛び込むことに。喜久雄は半二郎の跡取り息子である俊介と兄弟のように育てられ、親友として、ライバルとして互いに高めあい、芸に青春を捧げていく。そんなある日、事故で入院した半二郎が自身の代役に俊介ではなく喜久雄を指名したことから、2人の運命は大きく揺るがされる。主人公の喜久雄を吉沢亮さん、喜久雄の生涯のライバルとなる俊介を横浜流星さん、喜久雄を引き取る歌舞伎役者の半二郎を渡辺謙さん、半二郎の妻である幸子を寺島しのぶさん、喜久雄の恋人である春江を高畑充希さんが演じた。脚本を『サマー・ウォーズ』の奥寺佐渡子さん、撮影をカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作『アデル、ブルーは熱い色』を手がけたソフィアン・エル・ファニ、美術を『キル・ビル』の種田陽平さんが担当した。2025年の第78回カンヌ国際映画祭の監督週間部門に出品された。

 

今回、東寺の金堂から、吉沢亮さん、横浜流星さん、高畑充希さん、寺島しのぶさん、森七菜さん、見上愛さん、田中泯さん、渡辺謙さん、李相日監督が登壇。極上のエンターテインメント作品の魅力を伝える舞台挨拶が繰り広げられた。

 

まず、吉沢さんは「遂に日本の皆様にこの映画を届けられる日が来たということで…そして、この撮影の地でもある京都の世界遺産で、こんな素敵な空間で皆様にお届けできる、という…本当にスペシャルな日だなぁと思って凄く楽しみにしておりました」と御挨拶。横浜さんは「本当に不安定な天候で…自分は雨男なので、不安はあったんですけど…本当に晴れ男の吉沢亮のおかげで晴れまして…本当にハレの場ですので…この東寺という世界遺産で皆様にこの作品を届けられることを幸せに思います」と伝えた。高畑さんは「なかなかない場所での舞台挨拶に参加できることをとても嬉しく思います。撮影でもお世話になった京都、個人的にも大好きでよく来る京都の地にまた来ることが出来て、とても嬉しく思います」と感激の言葉を。寺島さんからは「この素敵な映画、私達が渾身で作った映画を皆様の前でいち早く見て頂けるのをとても嬉しく思っております」と伝えていく。森さんは、喉の調子だけは大変ながらも、渡辺さんからの心遣いを受けながら元気に御挨拶。見上さんは「このような凄い特別な場所で、皆さんの特別な時間を共有できることを凄く嬉しく思います」と気持ちを伝えた。田中さんは「万菊、自分がやっていたのが信じられないです、未だに。是非、ゆっくりと克明に映画を観て皆さんの知る限りの人達にこの映画のことを話してあげてください。そのくらい僕達は皆で魂込めて作った映画です」と真摯な気持ちを。渡辺さんは「先ほど、(金堂の)扉が開く前、仏様に我々背中を押されて出てまいりました。本当に、不安な天気予報でしたので、皆さんにお集まりいただけて、そして映画もきちんと上映できる。本当に嬉しく思っています。この風景の中に立っていることを本当に奇跡に思います。この映画もそういう奇跡に支えられてできた映画です」と万感の思いを伝えていく。李監督は「皆様も曇りを吹き飛ばしていただき、ありがとうございます。ちょっと長いですけど、全く感じないと思います。この映画は関西圏をベースに撮影をしております。我々もこの京都をベースに生活をしながら数ヶ月間撮影を行ってきました。今日はそういった縁のある場所でこうやってお披露目が出来る。本当にこの地では沢山の方に協力いただき、ご助力いただいたおかげで映画が完成することが出来たので、その方々も含めて感謝の気持ちを伝えることができて、本当に嬉しく思っております」と感謝の気持ちを伝えた。

 

 

5月18日、カンヌ国際映画祭でワールドプレミア上映が行われ、上映終了後には鳴り止まない拍手喝采とスタンディングオベーションを受けたことについて、吉沢さんは「本当に嬉しかったです。凄く安心しましたね。この日本の伝統芸能をベースにした作品が…凄いエンターテインメント性も高い作品なので、それがカンヌの地でどのような評価を頂くのか…凄く楽しみな反面、不安も大きかったんですけど…本当に最後に観終わった後のスタンディングオベーションもそうだし…観ている間の皆様が集中して観てくださっている空気感がホントにビンビンに伝わって来て…我々がつくったものが、込めたものがしっかり届いているな、と実感したので、熱くなりましたね」と当時を思い返す。観客の様子を感じ取りながら「この長い作品で、これだけ日本の色が全開の作品を…ちゃんとついてきてくれるかな、という不安もあったんですけど…最後の方までちょっとした笑い声が聞こえたり、ずっと集中して観てくれていたから…本当にやって良かったぁ」という思いに溢れていた。

 

 

上映後のスタンディングオベーションを受け、横浜さんは「幸せでしたよ。忘れることの出来ない景色を見ることができました。カンヌの地に行けただけでも役者としてはホントに幸せなことで…作品がしっかりと観てくださった方々の心に届いて、そういう景色を見られたので…すごい幸せでした」と振り返りながら「これを糧にその後の撮影にも行きました。ほんの少しの手応えと自信を感じたので、早く皆様に観ていただきたい気持ちでいます」と正直な気持ちを伝えていく。

 

 

ワールドプレミア上映を終えた後の様子について、渡辺さんは「劇場を出た後、本当に目を潤ませて”素晴らしかった”って…そういうお客さんに何人も会いました」と振り返る。カンヌ国際映画祭には初参加だったが「歌舞伎というだけでなく、演目に様々な意味が込められているシーンが多いんです。やっぱり字幕だと、どこまでご理解いただけるか分からない。凄く不安があったんです。でも、本当に映画はお客様に観ていただいて完成するんだな、と何処の国でも同じだと実感して…今日も一期一会の『国宝』が皆さんと一緒に完成するんだな」といった思いを強く抱いていた。

 

 

カンヌ国際映画祭では監督週間部門に出品され好評を受けたが、李監督は「上映中、隣は吉沢君だったんですけど、カチカチな感じが凄く伝わってきて…もう伝導し合って、2人とも力がグッと入ったまま3時間ぶっ通しで映画を観ているような緊張感に包まれていたんです。上映が終わった時のリアクションはとても熱いものがありました。拍手喝采が多い中で”Beautiful!”と言う言葉が何度か耳に焼き付いた」と印象深げだ。翌日には、カンヌ国際映画祭の機関紙に「歌舞伎の生まれではない映画の俳優達が途轍もない大きな挑戦に挑んで、結果として、非常に絶大な説得力を生み出した。そして、映像の美しさ、特に、歌舞伎の舞台を観る映像は、1つ1つの絵画のような美しさであった…(最後に)2025年のカンヌ国際映画祭の中で最も美しい映画の1つであった」という好意的な長文の批評が書かれており「歌舞伎であり、映画であり…芸術に対して我々が向き合ってきた真摯さ、挑んできたものに対して精神性を含めて美しい、と評してくれたような気がしました」と受けとめている。

 

 

当時、大阪での舞台公演真最中だった高畑さんは、現地からの報道を見て「一緒に同行できなくて”私も行きたかったぁ、羨ましい”と思いながら、勝手に見送った気持ちだったんです。実際、沢山連日のニュースが流れてきて…本当に海を越えて、言葉を超えて、美しい映画で…2人の美しさが人間じゃない、みたいな感じなので…映画全体の美しさが国を越えて伝わったんだなぁ。好評だった、というニュースをたくさん読んで、ファンのように嬉しい気持ちになりました。毎度まわってくる4ショットが格好良過ぎた…イケ過ぎてて胸アツでした」と喜んでいる。

 

 

同じように報道の映像を見た寺島さんも羨ましかったが、現地で夫の友達らが観ており「とても素敵な長文を主人に送ってくれて…バカンスでまた会うので、”その時に質問攻めにしてやる”って言ってましたね。”質問したいことがいっぱいある”って言っていました。楽しみにしています」と明かした。

 

クランクインは横浜さんと同日だった吉沢さんは「2人の踊りのシーンから入りました。いきなり踊りました」と思い返しながら「撮影期間も含めて1年半も歌舞伎と向き合いながらの撮影でしたので…1つの役の準備の段階にそこまで期間を設けるのは初めての経験だったので、僕自身もどんな体験をするのか、未知数だった…物凄い大きな不安を掲げながら…でも、この作品が僕の代表作になってほしい、という思いも載っかった撮影だったので、物凄い覚悟は持っていましたし、その分、凄い苦しみもしましたね」と振り返る。なお、撮影期間中はウィークリーマンションに泊まっており「部屋に凄いデカい蜘蛛が出て…アレはビックリしました。マネージャーさんに電話して来てもらって退治してもらいました。カメムシとかは部屋に毎日出るんです。虫がすごく苦手なんですけど、ギリ…」と告白。そして、渡辺さんは「でも、この2人もすごい頑張って撮影していたんですけど、舞台の時は必ず200人ぐらいのエキストラの方が参加してくださったんです。ずっ~と自分達が映らない時でも座って拍手をしてくれたり、応援して掛け声をかけてくれたり、1日お付き合いいただいた。本当に胸が熱くなりました」と労っていく。さらに「京都はスタジオが土なんですよ。最後はセットなんですよ。すごいセットなんですよ。種田陽平、会心のセットなんです。土を掘ってエレベーターを付けて”せり”を出したんです。セットを見ただけで感心しました。これは京都ならではです。素晴らしかった」と讃えた。

 

1年前の5月31日にクランクアップした横浜さんは「ただただ作品と向き合って、俊介として生きていた日々だったので、撮影で出し切って帰って反省…なので、外に出る暇はありませんでした」と振り返る。高畑さんの撮影は京都がメインだったが「エキストラの皆さんと客席で観させていただくタイミングが多かったので、ただのファンみたいに観ていたんです。歌舞伎や舞台は引きの世界で、風紀で受け取るものが多いと思うんです。映画になると、圧倒的に寄りの強さが…感動しちゃって…吉沢さんの寄りのカットがあまりにも美して…引きでも観れて寄りでも観れてラッキーでした」と喜んでいる。歌舞伎の世界の生まれである寺島さんは「作品として、大垣幸子として存在しつつ、自分が今まで生きてきた環境が歌舞伎の世界ですので、そういうエッセンスは私が存在することで映画が少しだけでもリアリティが出ればいいかな。そういう役割なんじゃないかな。そのために李さんは私を呼んでくださったのかな」と感じていた。そして「子役の2人も含めて、パフォーマンスをする方達の撮る分量がすごいえげつないんですよね。だから素晴らしいんです。私達は観客で応援するしかなかったから、途中でタオルを投げたくなっちゃったぐらい、もう”ギブです”と言いたいぐらい、ホントに頑張ったので…先に観てくださった方の評判が良いと、とっても嬉しくなっちゃってウキウキしています。大成功間違いない」と確信している。これを受け、吉沢さんは「(撮る量が)多かったよね。もう十分だろう、と思った先にまだ2倍ぐらい残っていた日々だったので、体力的にも精神的にもなかなかハードな日々ではありましたけど、どうにかなりましたね」と回想。横浜さんも「こんなに妥協せず、魂を1カット1カット込めてくださる方はいないから幸せな環境でした」と同感。皆の反応を見て、李監督は「報われますね。そうやって言ってもらえるとやった甲斐があったな」と安堵している。

 

 

ロケでの撮影が多かった森さんは「京都での撮影はそんなに多くなかったんですけど、セットを見にいきました。2人の演目の時に見にいかせていただいて、本当に細かなところまで素晴らしくて…それから京都にまた来たんですけど、あのセットを見てからだと、京都の街並みにもっと興味が湧いてきて、こんな素晴らしい街で撮られた映画がこれから公開されるんだな」と感慨深げだった。

 

 

京都の屋内や屋外での撮影をした見上さんは「場所の持つパワーみたいなものをすごく感じた現場。今まで屋内だったら東京でセットでもそんなに変わらないだろう、と正直思っているところもあったんですけど、実際、お茶屋さんのシーンとか京都で撮影していく中で、床や壁に滲み出る様々な人の匂いや歴史みたいなものが街にも建物にもすごく漂っているのが京都だなぁ、と思った。そういうことにすごく助けられた撮影だったな」と思い返していく。

 

 

小野川万菊役での撮影について、田中さんは「とにかく桁外れの門外漢がやってはいけないことかもしれない、とドキドキするような仕事を3ヶ月やっていました。未だに僕の中では終わった気がしていない。所謂伝統と云われている芸術に僕はずっと80になるまでふれてきていないんです。僕は、生活の中に全部あるだろう、と思い込んできて、自分に言い聞かせて、そして、前へ行こう、という風にして生きてきた人間なので、どのぐらいショックが大きかったか、ご想像できるかと思いますけども…是非映画の中で僕の中身を想像してご覧になっていただけたらいいと思います」と提案しながら「この主演の2人の努力は壮絶です。壮絶な努力をなさってくだっています。ホントに、これは伝統の為にもきっとなると思います。2人の体を伝統が浸食した。これは大事件です、と僕は思っています。素晴らしい映画でした」と讃えた。

 

ジャパンプレミアを迎えた現在、渡辺さんは「東宝、めずらしく一般試写していないんですよ。今日、ホントに初めて一般の方にお目にかける、そういう日です。並々ならぬ思いがあるんだ、と思うんです。おそらく並々ならぬ映画にはなっています」と話し「僕も襲名披露の”鶴亀”という踊りを吉沢と一緒に踊ったんです。北の方の凄く素敵な神社で、奉納の舞を踊ったんですけど、神を感じるんだよね。歴史を感じる。そういう場所でこの映画を届けられるのは、この作品にふさわしい幕開けだな」と噛み締めている。そして、1週間後に劇場公開を迎えるにあたり、李監督は「早く観てほしいですよ」と伝えると共に「撮影3ヶ月というのは、一番フィーチャーされる部分ではあるんですけども、原作を書かれている吉田さんから始まって、脚本開発に数年かかって、準備にかかって、撮影3ヶ月。全ての濃密なエッセンスが撮影で行われて、更にその後、編集、音楽、CG…今回、今までの作品より倍以上の期間がかかっています」と明かしていく。そして「京都が生んだ偉大な音楽家、原 摩利彦さん。カンヌの劇場のエンジニアも”サウンドトラックが素晴らしかった”と言ってくれるぐらい。彼とは『流浪の月』で初めて組んで、今回、2回目を引き続きお願いしたんです。音楽づくりも京都で合宿を何度も行って…夜中や朝まで追い込みながら曲を作っていただいた。本当に素晴らしい。音楽というものが映画を1つも2つも3つも階段を上げてくれているので、そういったことも含めて映画を浴びてください。カンヌで感じた観客席の沸騰のように、日本の観客の皆さんにも特別な映画体験をしていただければ、本当にこれ以上嬉しいことはありません」と伝えた。

 

最後に、吉沢さんは「我々のこの作品に込めた思いは皆様に伝わっている、と思うんですけれども…本当に沢山の方にこの作品を絶賛していただいていて、皆様の中にも、期待値の高い作品になっていんじゃないかな、という気がするんですけども…確実にその期待を超えていく作品になっていると思います。本当に極上のエンターテインメント作品を皆様にお届けできると信じております」と思いを込め、舞台挨拶を締め括った。

 

 

映画『国宝』は、6月6日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田大阪ステーションシティシネマや難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や九条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

Popular Posts