Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

  • facebook

難病ALS=“筋萎縮性側索硬化症”を発症した男女を3年半にわたり密着した『杳かなる』がいよいよ関西の劇場でも公開!

2025年4月8日

©2024 映画『杳かなる』上映委員会

 

全身の筋力が徐々に弱まる、難病ALS=“筋萎縮性側索硬化症”を発症した男女を追ったドキュメンタリー『杳かなる』が4月11日(金)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『杳かなる』は、難病の「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」を抱えたことで喪失と絶望のただなかを歩く人々の、いのちの旅路に寄り添ったドキュメンタリー。全身の筋力が徐々に弱まっていき、病気の進行によっては発声や意思疎通も困難になるALS(筋萎縮性側索硬化症)。6年前に確定診断を受けた佐藤裕美さんは、発症前は活動的な日々を送っていたが、身体を動かすことが徐々に不自由になり、不安を募らせるいまは、自室でひとり、生の証しのように詩をつづっている。そんな裕美さんが、知人を通じて同じ病を抱える岡部宏生さんと知り合う。48歳でALSを発症して18年。岡部さんは呼吸苦のために気管切開をして人工呼吸器を装着し、声を失っているため、透明な文字盤を通して言葉を伝えている。病への不安と戸惑いを吐露する裕美さんに、岡部さんは「生きることを一緒に考えたい」と告げる。3年半にわたる撮影期間の中で、裕美さんはある日「大事な友人を紹介したい」と、岡部さんと一緒に旅に出る。その旅先で、岡部さんはひとつの願いを裕美さんに告げる。

 

本作の監督は『風は生きよという』『道草』等、障がいや病気を抱えた人々を捉えたドキュメンタリーを手がけてきた宍戸大裕さん。タイトル「杳(はる)かなる」に使われている「杳(よう)」という字には、暗くてはっきりしない、はるかに遠いという意味があり、進行性の難病を抱えて生きることは、時に先の見通しがない絶望の日々でもあることを表す。

 

©2024 映画『杳かなる』上映委員会

 

映画『杳かなる』は、関西では、4月11日(金)より京都・烏丸の京都シネマ、4月19日(土)より大阪・九条のシネ・ヌーヴォで公開。

全身の筋力が徐々に弱まり、病状の進行によっては声も失われ、意思を通わせることもむずかしくなる難病、ALS。罹患した著名人に関するドキュメンタリー映画によって、どういった難病であるか、多少なりとも社会に浸透してきただろうか。だが、それは、あくまでALSと共に生きている著名人の姿を映し出しているだけであり、患った市井の人々が日々をどのように過ごしているか、分かり得るものではない。本作に登場する市井の方々が患う病状の進行は様々。故に、突如患ってしまった方は、先輩から生き方を学ぶことが出来る。たとえ声を発することが出来ずとも、お互いの気持ちが寄り添っている、と本作を観ていると伝わってきた。介助者の方も文字盤を使って積極的にコミュニケーションをとっており、その技巧にも驚かされてしまう。1人で生きていくことが困難であったとしても、介助者や寄り添う家族がいるからこそ、様々なことが出来る可能性が生まれていく。根治療法は未だにない難病ではあるけれども、生き続けることが見出せる内容として作られている本作。患った時は絶望を感じたとしても、その先にある希望を感じられる作品であると感じられた。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

Popular Posts