東アジア反日武装戦線「さそり」の元メンバーである桐島聡の姿を描く『逃走』がいよいよ関西の劇場でも公開!

©「逃走」制作プロジェクト2025
社会運動が過熱していた1970年代に過激派の一員だった桐島聡が、49年間の逃亡生活で体験した出来事を、足立正生監督の実人生と重ね合わせながら描く『逃走』が4月4日(金)より関西の劇場でも公開される。
映画『逃走』は、『赤軍 PFLP 世界戦争宣言』『REVOLUTION+1』の足立正生が監督・脚本を手がけ、半世紀におよぶ逃亡生活の末に病死した東アジア反日武装戦線の元メンバーである桐島聡を描いたドラマ。元日本赤軍メンバーという経歴を持つ足立監督が、自身の半生と重ねあわせながら、桐島の苦悩と決意を描きだす。社会運動が高揚していた1970年代の日本。新左翼過激派集団である東アジア反日武装戦線「さそり」のメンバーである桐島聡は、重要指名手配され逃亡の日々を送っていた。いつ逮捕されるかわからない緊張感のなかで日雇い仕事を転々とし、やがて「内田洋」という偽名で神奈川県藤沢市の工務店に住み込みで働くように。1960~1970年代のブルースやロックを好む彼は、近所のライブバーに通い趣味を楽しむ一方で、かつての仲間たちの姿を思い浮かべては日本社会の欺瞞や凋落を見つめ続けていた。2024年、70歳となった彼は末期がんと診断され、病院のベッドで生死の狭間をさまよう。国内外で活躍するベテラン俳優の古舘寛治さんが主演を務め、青年時代の桐島を杉田雷麟さん、桐島の恋人となる女性を中村映里子さん、桐島とともに逃亡する宇賀神寿一をタモト清嵐さんが演じた。
©「逃走」制作プロジェクト2025
映画『逃走』は、関西では、4月4日(金)より京都・烏丸の京都シネマ、4月5日(土)より大阪・九条のシネ・ヌーヴォや十三の第七藝術劇場、神戸・元町の元町映画館で公開。なお、4月5日(土)には京都シネマとシネ・ヌーヴォ、4月6日(日)には元町映画館と第七藝術劇場に足立正生監督と中村映里子さんを迎え舞台挨拶を開催予定。

先日開催された第20回大阪アジアン映画祭のクロージング作品として世界初上映された『「桐島です」』を鑑賞した現在、桐島聡について描いた2作品の違いが大いにある。本作は、2024年に70歳となった彼が末期がんと診断され、病床の上で若かりし頃からを回想していく作品だ。東アジア反日武装戦線「さそり」のメンバーである桐島だが、素の彼は、周りの若者となんら変わりない人間に感じられる。世の中に対して考える中で、戦前の日本について知り、新左翼過激派集団に加わっただけのように描かれていく。だからといって、本作は彼をまっさらな善人としては描いていない。20歳から21歳の間に連続企業爆破事件といった複数のテロ事件に関与したことに違いない。数々の事件の後、社会の陰に隠れ、「内田洋」という偽名を使って普通の人間として働き暮らし続けてきたことを中心に描いている。周囲の男性と同じように恋もしていく。彼の周りにいる人間からすれば、まさか彼がテロリストだとは思えないだろう。それだけ普通の人間として淡々と彼を描いていく。そんな桐島という男を足立正生監督が独自のファンタジックな画で描いた。パレスチナ解放人民戦線・日本赤軍の元メンバーである監督が桐島に何を感じながら作り上げたのか、様々に考えながら、本作を観てみてはいかがだろうか。

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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