魂の繋がりを痛いほどに美しく描いた壮絶な純愛物語『バウンド・イン・ヘブン』が第20回大阪アジアン映画祭のコンペティション部門で日本初上映!

魂の繋がりを痛いほどに美しく描いた壮絶な純愛物語『バウンド・イン・ヘブン』が第20回大阪アジアン映画祭のコンペティション部門で日本初上映された。
映画『バウンド・イン・ヘブン』…
フェイ・ウォンの歌が拠り所の主人公は、コンサートチケットを婚約者に取り上げられ、呆然とひとり会場へ赴く。そして生の歌声を聞かせてやると言う奇妙な男に出会う。『カンフーハッスル』の脚本家であるフオ・シンが初監督作品として壮絶な純愛を描いた。
映画『バウンド・イン・ヘブン』は、3月21日(金)10:00よりABCホールでも上映。

フェイ・ウォンは今も長く聞かれ愛され続けているんだなぁ、と思ってしまった冒頭。だが、主人公の女性は、DVを受け疲弊しきっており、壮絶な物語が始まっていくんだろうな、と予感される。そこで出会うのは、様々な内情を知っていそうなダフ屋である謎の男。ふとしたきっかけであろうと、女性にとっては救いを求めるがごとく、結ばれていくのは自然な流れ。そこから、周辺にいる人物が複雑に絡みながら、愛憎が渦巻くストーリーテリングが展開するかと思いきや、さらなる重荷として、終末期医療の段階にまで至っている家族がいることで、主人公をさらに苦しめていくことが判明していく。過酷な状況下へと追い込まれていくが、見せられている画は叙情的であり、ずっと見ていたくなるような美しさがある。翻って、作品の重みが増していく毎に、際立った苦しみを象徴的に表現していく。しかし、その傍らには、フェイ・ウォンの楽曲が印象的に用いられることで、余韻を残してもくれている。チャウ・シンチー監督作品の脚本を手掛けながら、本作を初監督作品として手掛けたフオ・シンに驚くばかりだ。

- キネ坊主
- 映画ライター
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