愛をめぐる多様な願望が交差していく男女の姿を描く『イケメン友だち』が第20回大阪アジアン映画祭の特別注視部門で日本初上映!

愛をめぐる多様な願望が交差していく男女の姿を描く『イケメン友だち』が第20回大阪アジアン映画祭の特別注視部門で日本初上映された。
映画『イケメン友だち』…
カミングアウトした中年のゲイ男性は、若い理髪師に振られた男と出会い関係を深めていく。その複雑な関係に、精子提供を求めるレズビアンカップルが絡んできて…。ユーモアと皮肉を交え、アイデンティティ、自由、政治を掘り下げて描く。
映画『イケメン友だち』は、3月21日(金)16:20よりテアトル梅田でも上映。

『イケメン友だち』というタイトルから察しただけだと、どのようなイケメン俳優が登場するだろうか、と気になってポスターや予告編を見てみると、中年男性や女性の姿が映し出され、?がいくつも頭に浮かんでしまった。とはいえ、本作を観てみると、トーンを抑え気味のモノクロ作品の中に、毅然とした男性同士や女性同士の姿が映し出されていた。そして、各々のシーンでの振る舞いをみていると、シュールレアリスムな光景がいくつもあり、アキ・カウリスマキ監督の作品を観ているような気分にも陥ってしまう。だからといって、カウリスマキ監督作品に込められたようなメッセージ性がなさそうでもあり、ありそうでもある。なんだか不思議な作品を見せられている気分になるが、悶絶してしまうような可笑しみがあるので、憎めない作品でもあるのだ。この作品が、昨年には、中華圏最大の映画賞で金馬奨で、主演男優賞、撮影賞、編集賞、観客賞にも選ばれているのだから、評すべきことはいくらでもあることを認知しておきたい。

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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