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生きている間に一つでも幸せを積み重ねて楽しい思い出を作って…『親鸞 人生の目的』杉良太郎さんを迎え舞台挨拶開催!

2025年3月8日

平安末期から鎌倉時代に移り変わる激動の時代を生きた親鸞聖人の青年期を中心とし、彼の苦悩と葛藤を通して生きることについて考える『親鸞 人生の目的』が3月7日(金)より関西の劇場でも公開。3月8日(土)には、大阪・梅田のテアトル梅田に杉良太郎さんを迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『親鸞 人生の目的』は、高森顕徹によるベストセラー書籍「歎異抄をひらく」「人生の目的」を原作に、浄土真宗の宗祖・親鸞の青年時代を中心にその人間味あふれる苦悩と葛藤を描いたアニメ映画。8歳で両親を失った親鸞は「やがて死ぬのになぜ生きるのか」という疑問の答えを仏教に求め、わずか9歳で比叡山に入る。10年の仏道修行を経て19歳になった彼は、聖徳太子廟からの帰り道に、関白・九条兼実の娘である玉日姫に出会う。比叡山では女性のことは思ってもならないという教えがあるにも関わらず玉日姫のことを忘れられなくなった親鸞は、絶望して比叡山を下りる。京都の町で法然上人に出会った親鸞は、「煩悩あるがままで救われる」という彼の教えによって苦悩の解決の道を知る。やがて親鸞と玉日姫は再会を果たし、ますますひかれていくが…杉良太郎が親鸞の老年期の声で声優に初挑戦し、青年期を櫻井孝宏、浄土宗の開祖・法然上人を中博史が担当。アニメ映画『なぜ生きる 蓮如上人と吉崎炎上』『歎異抄をひらく』に続くシリーズ第3弾。

 

今回、上映後に杉良太郎さんが登壇。55年ぶりの映画館での舞台挨拶となり、感慨深げに語る機会となった。

 

神戸出身の杉さんは、大阪について、歌舞伎座に初出演した頃を振り返り「お客さんが来てくれるか全然分からない。チケットを売りに行った時に”余っているのあったら、みんな持ってきて”と東洋紙業の朝日多光さん、という人でした。仏さんにみたいな人でした。2年目は評判が良くてチケットがなかったんです。そしたら”ほな、あんた殺生な”と怒られました」と明かす。以来、50年も歌舞伎座に立ち続けており「毎日毎日、今日が命日という覚悟を決めて舞台に上がりました。死に物狂いでした」と謙虚さを表す。杉さん自身が、人気というものについて恐ろしく感じており「人気絶頂になりましたら、歌舞伎座で1日2回でも3回でも食事が出るんです。2回も3回も食べられないので、1回だけにしてもらった。そうすると、毎日料理が違う。今日は中華、今日は洋食やイタリアン…お皿やフォークやお茶碗まで全部、杉って入っています…誰も、やってくれ、って言うてへんけど…人気というのは…劇場がそういう処遇をするんでしょうなぁ」と行き過ぎだと指摘もする。翻って「それは、儲かっているから、やれるんやろうなぁ。儲かれへんようになったら、笑い顔がだんだん消えていくんですよ。すれ違ってもニコリともしなくなってくるんですよ。これが人間社会やなぁ」と説く。また「歳を取るにつれて、昔やった芝居も体の動きが悪い。キレが悪いから、引退しようと思いました」と告白し、60歳定年を唱えた。また、健康には気を遣っており「私は、今、筋トレに行っていますねん。裸になったら、逆三角形で、えぇ~!と思うような筋肉質の体になっていますよ」と驚くようなことも語っている。さらに「私の寿命は、150と決めています」と告げ「皆、しっかりして、気を確かに持って」とお客さんに呼びかけた。

 

 

親鸞聖人について「人間は煩悩を捨てられるか…捨てられるわけないやないか。煩悩を捨てられたら、神様やないか。たかが人間や。駄目なことに魅力があるねん」と述べ「人生、長いこと生きてきて、よぉ~く見てみたら、ほくろもしみもしわもあるで。まっしろな人はおらへんと思う。それが人間やねん。えぇやん、それで」と断言。「なんで、親鸞聖人が、煩悩を捨てきれるか、と悩んでいたんかなぁ。生きていたら、私が教えてやったのに」とまで言ってしまう。また「死んだら、何処へ行くんでしょうか、と悩まんでもえぇやん。そんなこと考える暇があるか。考えるにも及ばへんやん。どこも行けへんと思うわ。生きている間に一つでも幸せを積み重ねて、楽しい思い出とか作っていかんと意味ないやん。死んだ後のことなんか考えんでもいいと思う。後生の一大事は、なんにも一大事ではないと思う。それが親鸞聖人と食い違うとこやな」とまで話す。とはいえ「似ているなぁ、と思うところは、畏れ多くも、悩み続けて頭をぶつけているシーンがある…あれは、私もホテルで、なんでお前はこんなに芝居が下手なんだ、と壁に頭ぶつけた経験がありますよ」と共感を表す。また「やっぱり、貧しい人や苦しい人や辛い人に沢山会ってきたんで、なんでやろ…なんで助けてやれなかったんやろ…そんなことばっかり考えていると、夢にも出て来る。もっと力があったらなぁ、とか考えますよ」と吐露し、近年の災害に関することやベトナムでの慈善活動の際に遭遇した出来事も語り、お客さんに向けて「とにかく健康に気をつけてね」とメッセージを送り、舞台挨拶を締め括った。

 

映画『親鸞 人生の目的』は、関西の劇場では、大阪・梅田のテアトル梅田、京都・三条のMOVIX京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸等で公開中。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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