異なる季節と時間軸で変わりゆくソウルの街を巡りながら、3組の男女の移り変わる運命と人生の節目を描く『ミマン』がいよいよ劇場公開!
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©2023 JACOB HOLDINGS.ALL RIGHTS RESERVED.
複数の意味を持つ“ミマン”という言葉をテーマに、異なる時間軸と季節とともに、ありふれた会話を交わす3組の男女を通して、日々変わり続けるものと変わらないものを描く『ミマン』が2月14日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ミマン』は、異なる季節と時間軸のソウルの街を舞台に、3組の男女の移り変わる運命と人生の節目をとらえた3編からなる会話劇。開発が進み変わりゆくソウルの街を、男女が肩を並べて散歩したり、時にはドライブしたりしながら、自分の身に起きたことや仕事での出来事、家族のこと、結婚や恋についてなど、日常的でありふれた会話を繰り広げる。そんな3組の姿を通し、街と同様に日々ゆるやかに変化していくことや、決して変わることのないものを映しだす。タイトルの「ミマン」という言葉には複数の意味があり、本作では「迷妄=道理に暗く、要領を得ずに戸惑うこと」「未亡=忘れようとしても忘れられない」「弥望=遠く広く眺める」という3つの意味をテーマに描く。
本作には、イ・ミョンハ、ハ・ソングク、パク・ボンジュン、ペ・スンジン、チョン・スジらが出演。監督は、本作が長編デビューとなるキム・テヤン。2023年の第24回東京フィルメックスのコンペティション部門にて学生審査員賞を受賞した。
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映画『ミマン』は、2月14日(金)より全国の劇場で公開。関西では、関西では、大阪・梅田のテアトル梅田、京都・烏丸の京都シネマ、や神戸・三宮のkino cinema 神戸国際で公開。
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『ミマン』という言葉を日本人が聞けば、「未満」という言葉が思い浮かぶだろうか。韓国語では、「迷妄」(道理に暗く、要領を得ずに戸惑うこと)、「未亡」(忘れようとしても忘れられない)、「弥望」(遠く広く眺める)という意味があるそうだ。本作では、この3つの意味を基にしたエピソードが季節の連なりのように構成された会話劇のアンサンブルによって織り成されている。各エピソードには、キーワードとなるようなモノがあったり、人物が登場したりしながら、関連性を見出しながら本作の世界観に浸透していくのもおもしろい。季節が移り変わっていくように、人々の気持ちも移ろいやすいものだ。それは、人々には出会いと別れがあり、また再会したり、思い出したりしながら、過去に思いを馳せていく。気づけば、登場人物の中に愛おしくなっていくキャラクターを見つけてしまい、本作が放つ魅力にのめり込むことも出来る。かくも人生には運命と節目があり、切ろうとしても切ることができないと思い知らされる、と気づく印象深い作品であった。
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- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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