児童養護施設に暮らす子供達を映し出すドキュメンタリー『大きな家』が先行公開!
©CHOCOLATE Inc.
それぞれの事情で親元を離れ、児童養護施設で職員と共に暮らす子供たちに密着し、家族とも他人とも言えない繋がりの中で、不安と葛藤を抱えながらも成長していく彼らの日常をつぶさに映し出す『大きな家』が12月6日(金)より東京・名古屋・大阪の劇場で先行公開される。
映画『大きな家』は、児童養護施設で暮らす子どもたちの日常に密着した作品。東京のとある児童養護施設。ここでは死別・病気・虐待・経済的問題などさまざまな事情で親と離れて暮らす子どもたちが、血のつながりのない他の子どもや職員と日々を過ごしている。家族とも他人とも言い切れない繋がりのなかで暮らす彼らは、両親への思いや、生活を身近で支える職員との関係性、学校の友だちとの距離感、施設を出たあとの暮らしなど、さまざまな葛藤を抱えながら成長していく。
本作では、齊藤工さんによる企画・プロデュースの下、『14歳の栞』『MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』の竹林亮監督がメガホンをとり、些細だけど大切な日常の景色をカメラに収め、惑いながらも確かに大人になっていく子どもたちの姿と、そんな彼らを支えるあたたかなまなざしを映し出す。アコースティックデュオのハンバート ハンバートが主題歌を担当した。
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映画『大きな家』は、12月6日(金)より東京・名古屋・大阪の劇場で先行公開。大阪では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田で公開される。また、12月20日(金)より全国の劇場で公開。関西では、京都・出町柳の出町座や神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。
「児童養護施設」と聞くと、どのようなイメージが思い浮かぶだろうか。本作で映し出される、東京のとある児童養護施設の様子を見ると、想像していたものが覆される方もいるのでは。年齢や性別等に配慮した集合型住宅の中に子供達が住んでおり、職員の方による食事を皆で食べていたり、各々の部屋が用意されていたり、いずれは旅立っていく日のために自立するための部屋も用意されていたりする。本作は、様々な事情によって親と離れて暮らすことになった子供達のありのままの姿をカメラが捉えていた。”大人びている”という言葉では形容できない、各々が各々なりに自分が今過ごしている場所を理解した上で、学校と学校以外の場所と児童養護施設で日々を過ごす様子を映し出している。両親や兄弟姉妹への思い、職員との関係性、学校での友達との距離感を各々なり考えた上で行動しており、それぞれにしっかりとしたアイデンティティが確立されているように感じられた。『14歳の栞』を手掛けた竹林亮監督ならではの優しい目線も感じられる作品でもある。個人的な事情もあり、ふと思いを馳せてしまい、何気ないシーンに感慨深くなってしまった。登場する子供達の背中をそっと押したくなるような気持ちになった方もいるのではないか。本作のホームページから支援の手続きをしてみたり、今住んでいる場所や故郷にある児童養護施設について調べて支援してみたりするのも大切な一歩になる。そういった様々な一歩を踏み出すことを伝えてくれる大切な一作であることを記したい。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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