1990年代に偽の殺し屋として警察のおとり捜査に協力していた人物の実話にインスパイアされたクライムコメディ『ヒットマン』がいよいよ劇場公開!
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偽物の殺し屋に扮して警察のおとり調査に協力し、次々と依頼人を逮捕へ導いていく大学教授を描く『ヒットマン』が9月13日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ヒットマン』は、警察への捜査協力の偽に殺し屋を演じていた大学教授が、殺しを依頼してきた女性と恋に落ちたことから運命を狂わせていく様を描いた。ニューオーリンズで2匹の猫と静かに暮らすゲイリー・ジョンソンは大学で心理学と哲学を教える一方、地元警察に技術スタッフとして協力していた。ある日、おとり捜査で殺し屋役となるはずの警官が職務停止となり、ゲイリーが急きょ代わりを務めることに。さまざまな姿や人格になりきる才能を思いがけず発揮したゲイリーは、その後も偽の殺し屋を演じて警察の捜査に協力する。そんなある時、マディソンという女性が夫の殺害を依頼してくるが、支配的な夫との生活に傷つき、追い詰められた様子の彼女に、ゲイリーは思わず手を差し伸べる。この出会いで2人は恋に落ちるが、後日、マディソンの夫が何者かに殺害され…
本作は、『6才のボクが、大人になるまで。』のリチャード・リンクレイター監督と『トップガン マーヴェリック』のグレン・パウエルがタッグを組んだクライムコメディ。1990年代に偽の殺し屋として警察のおとり捜査に協力していた人物の実話をもとにした作品で、主人公ゲイリー役のパウエルがリンクレイター監督とともに脚本も手がけた。マディソン役は『モービウス』のアドリア・アルホナが演じている。
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映画『ヒットマン』は、9月13日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマ、心斎橋のイオンシネマシアタス心斎橋、難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都、神戸・三宮のkino cinema 神戸国際等で公開。
『トップガン マーヴェリック』出演で人気を博し、以降は様々な作品に出演する度に話題になっているグレン・パウエル。今作で彼が演じるのは、大学で心理学と哲学を教える教授。その傍らで趣味や知識を活かすべく警察に協力していく中で、殺し屋役に扮して、おとり捜査に携わることに。心理学を活かして、本人の個性とは全く異なる殺し屋を演じてみたら、何の疑いもなく殺しの依頼を受けることが出来てしまった…勿論、殺人行為をすることはなく、殺しを依頼した側は逮捕されることに…これは、殺し屋にお金を支払って殺人を依頼した場合、”殺人罪の教唆”という犯罪が成立してしまうためだ。殺人を依頼するだけでも犯罪となってしまう…どんな法律も知っておくべきですね。いや、殺人を依頼なんてしませんけど。というわけで、本作は、殺人を依頼してしまう人々の姿を滑稽に映し出す”クライムコメディ”だ。主人公は次々と手柄をあげていくわけだが、それだけではワンパターンの作品だ。魅力的な女性から殺人の依頼を受けてしまい、このまま犯罪者に仕立て上げてしまうには勿体なく、救い出してしまう。人道的には素晴らしいが、犯罪の検挙数を多くしたい警察にとっては迷惑な話だ。そこから徐々に歪みが生じてしまい、予想外の展開に…主人公には、どのような運命が待ち受けているか大注目だ…だが、最終的には、リチャード・リンクレイター監督の作品を見た時に共通して感じる慈しみ深さが印象に残ってしまう。実に不思議な感性を伴った作品だ。一体どういうことなのか、是非とも劇場で楽しんでみてほしい。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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