Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

  • facebook

吃音を持つホッケー少年、フィギュアスケートを学ぶ少女、元フィギュアスケート選手のコーチの3人の視点から物語『ぼくのお日さま』がいよいよ劇場公開!

2024年9月10日

©2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINEMAS

 

ホッケーが苦手な少年、選手の夢を諦めたコーチ、コーチに憧れる少女の冬を描く『ぼくのお日さま』が9月13日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『ぼくのお日さま』…

雪の降る田舎町。ホッケーが苦手な吃音の少年タクヤは、ドビュッシーの曲「月の光」に合わせてフィギュアスケートを練習する少女さくらに心を奪われる。ある日、さくらのコーチを務める元フィギュアスケート選手の荒川は、ホッケー靴のままフィギュアのステップを真似して何度も転ぶタクヤの姿を目にする。タクヤの恋を応援しようと決めた荒川は、彼にフィギュア用のスケート靴を貸して練習につきあうことに。やがて荒川の提案で、タクヤとさくらはペアでアイスダンスの練習を始めることになり…

 

本作は、『僕はイエス様が嫌い』で第66回サンセバスチャン国際映画祭の最優秀新人監督賞を受賞した奥山大史さんが監督・脚本・撮影・編集を手がけ、池松壮亮さんを主演に迎えて撮りあげた商業映画デビュー作。池松さんがコーチの荒川役を務め、テレビドラマ「天狗の台所」の越山敬達さんがタクヤ、アイスダンス経験者で本作が演技デビューとなる中西希亜良さんがさくらを演じた。主題歌は音楽デュオ「ハンバート ハンバート」が2014年に手がけた楽曲。2024年の第77回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に、日本人監督としては史上最年少で選出された。

 

©2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINEMAS

 

映画『ぼくのお日さま』は、9月13日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のテアトル梅田や難波のTOHOシネマズなんば、京都・烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸等で公開。

2019年公開の初長編作品『僕はイエス様が嫌い』では、鳴り物入りで盛り上がった奥山大史監督。子どもの純粋な心に寄り添ったファンタジックな作品だったことが大いに印象に残っていた。商業映画デビュー作である本作では、素朴な子ども達の表情を映し出すと共に、子ども達を純粋に応援する大人も描いた繊細な作品に仕上がっている。主人公は、運動が苦手で吃音も抱えている少年タクヤ。アイスホッケーでは避けたいポジションであるゴールテンダーを任され、うだつが上がらない日々を送っていた。そんなある日、「月の光」に合わせてフィギュアスケートを練習する少女さくらの見とれてしまいフィギュアスケートのスピンを練習し始め、さくらのコーチを務める元フィギュアスケート選手の荒川はタクヤの姿を見て微笑ましく感じ、教えていくことに。そんな3人の姿を丁寧に瑞々しくカメラは撮っており、皆で練習に励む様子はいつまでも眺めていたくなってしまう。だが、いつまでも優しさだけが残っていかないのが物語の宿命。ふとしたことをきっかけに繊細なアンサンブルはたやすく解けてしってしまうのが何とも切ない限りだ。だが、本作に描かれていない行く末だけは幸せであってほしい。そんな思いに抱きながら、今作の主題歌であり、本作を生み出すインスピレーションのきっかけとなったハンバートハンバートの楽曲「ぼくのお日さま」を聴くと、3人の想いを体現したような楽曲であるようにも感じ取られ、より一層に愛おしい作品として胸に収まっていた。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

Popular Posts