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第2次世界大戦下のデンマークで苦悩する一家を描く『ぼくの家族と祖国の戦争』がいよいよ劇場公開!

2024年8月13日

©2023 NORDISK FILM PRODUCTION A/S

 

ナチス占領下のデンマークで、学校に難民の受け入れを命令された学長とその家族を描く『ぼくの家族と祖国の戦争』が8月16日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『ぼくの家族と祖国の戦争』は、第2次世界大戦末期にドイツから20万人以上もの難民がデンマークに押し寄せた事実をもとに、極限状態に置かれながらも信念を貫こうとする家族の物語を感動的に描いたヒューマンドラマ。1945年、ドイツによる占領末期のデンマーク。市民大学の学長ヤコブは、敗色濃厚となったドイツから逃れてきた大勢のドイツ人難民を学校に受け入れるようドイツ軍司令官に命じられ、妻リスとともに究極の選択を迫られる。一家がドイツ人を助ければ周囲から裏切り者と見なされて全てを失う可能性があるが、救いの手を差し伸べなければ多くの難民が飢えや感染症で命を落とすのだ。そんな中、ヤコブの12歳の息子セアンは難民の少女と交流を持つが、少女は感染病にかかってしまう。

 

本作では、『アクアマン 失われた王国』のピルウ・アスベックが父ヤコブ、本作が長編映画デビューとなるラッセ・ピーター・ラーセンが息子セアンを演じた。監督・脚本は『バーバラと心の巨人』のアンダース・ウォルターが務めた。

 

©2023 NORDISK FILM PRODUCTION A/S

 

映画『ぼくの家族と祖国の戦争』は、8月16日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のテアトル梅田や京都・烏丸御池のアップリンク京都や神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

本作は、第二次世界大戦末期にデンマークで実際で起きた出来事を基に作られた作品であるが、歴史を通した教訓である以上に善をなすことの儚さを描き切っている。子どもの命が大切なのは先験的だが、その命が憎悪する侵略者のものだとしたら、どうだろう。善を為すのに、愛国心、共同体の秩序、仲間意識、正義感など自分たちを取り巻いているものが忽ち壁となる。終末ドイツから流れてきた難民が自分たちの共同体に廃棄され、劣悪な環境で子どもたちが死んでいく状況に遭遇した主人公一家の母リス、父ヤコブはそれぞれ善を為そうとするが、壁による抵抗に遭う。家族が心を一つにしている訳でなく、諦めが訪れる理由は仕事や家族の安全などバラバラしている。こういう時に一番楽な態度は「自分たちは最善を尽くしたのだ」という正当化で終わらせることであるが、常に映画を見る者の目と共にあったセアン少年の目がそうさせてくれない。彼ら家族が失ったものは大きかったが、その笑顔はとても晴れやかであった。善を為すまでの諦めと粘りが目まぐるしく交わる忘れがたい物語である。

fromにしの

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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