ある寂れた町で継父からの暴力と貧困に喘ぐ18歳の少年と裏社会の男の交差を描く『このろくでもない世界で』がいよいよ劇場公開！

2024年7月23日

寂れた町を舞台に、貧困と継父からの暴力に苦しむ少年が抱える絶望と、裏社会に生きる男の人生が交差していく『このろくでもない世界で』が７月２６日（金）より全国の劇場で公開される。

映画『このろくでもない世界で』は、荒んだ毎日を送る少年と裏社会に生きる孤独な男の運命が交錯する様子を描いた韓国発のクライムドラマ。とある地方の暴力がはびこる町。貧しい家庭で育った１８歳のヨンギュは、継父からの暴力に耐える日々を過ごしていた。そんな彼にとって、義理の妹ハヤンと悪態をつきながら一緒にハンバーガーを食べる時間が唯一の救いだった。しかしある日、ヨンギュはハヤンを守るために暴力沙汰を起こして高校を停学になり、示談金を請求されてしまう。生き抜く術を持たないヨンギュは、地元の犯罪組織のリーダーであるチゴンを頼り、彼のもとで働くことに。憧れのチゴンに徐々に認められていくヨンギュだったが、ある日、組織の非情な掟に背いてしまい…

本作では、『私のオオカミ少年』等の人気俳優ソン・ジュンギが裏社会に生きる男チゴンを大胆かつ繊細に演じ、映画初主演のホン・サビンがヨンギュ、同じく新人のキム・ヒョンソがヨンギュの義妹ハヤンを演じた。監督・脚本は、本作が初長編となるキム・チャンフンが務めている。

映画『このろくでもない世界で』は、７月２６日（金）より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のＴＯＨＯシネマズなんば、京都・烏丸の京都シネマ、兵庫・尼崎のＭＯＶＩＸあまがさきで公開。

自らの正義を貫いた結果、社会のはみ出し者へと追い込まれてしまったヨンギュ。そんな彼に通ずるものを感じ、半グレ集団のような犯罪組織をまとめるリーダーのチゴンはヨンギュを迎え入れ、師弟関係を結んだ。寄る辺なき者にとっては救いの手を差し伸べられたような出来事ではあるが、それは自らを破滅に追い込んでいく一歩となる可能性が大きい。組織の上にはヤクザがいたり、そのヤクザは政治家を操ることが出来たりする。となれば、威勢の良い若者は小手先として、いいように使われざるを得ない。まさに、原題である「Hopeless」の如く、絶望的な世界に追い込まれてしまったのだ。これに”ろくでもない世界”といった邦題をつけたネーミングセンスは秀逸であり、１８歳のヨンギュが味わったことに通じているように感じられる。だが、ヨンギュにとって本当に唯一の希望はチゴンだったのか、あるいは、彼の義理の妹であるハヤンであっただろうか。本作のエンディングを観ながら、希望ある未来が彼等に訪れることを願ってやまない。本作がキム・チャンフン監督にとって初長編であることに驚かされるばかり。今後も、どんな韓国の世界観を描くのか楽しみで仕方がない。

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