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大地震によって、人生に行き詰まっていることにすら気付いていなかった人々が、自己の中の真実を見つめ目覚めていく『めくらやなぎと眠る女』がいよいよ劇場公開!

2024年7月23日

©2022 Cinema Defacto – Miyu Prodcutions – Doghouse Films – 9402-9238 Quebec inc. (micro_scope – Prodcutions l’unite centrale) – An Origianl Pictures – Studio Ma – Arte France Cinema – Auvergne-Rhone-Alpes Cinema

 

東日本大震災で心に影響を受けた人々を実写撮影を基にした技法で描き出す『めくらやなぎと眠る女』が7月26日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『めくらやなぎと眠る女』…

2011年、東日本大震災から5日後の東京。テレビで震災の被害を伝えるニュースを見続けたキョウコは、夫の小村に置き手紙を残して姿を消す。妻の突然の失踪に呆然とする小村は、ひょんなことから中身の知れない小箱を、ある女性に届けるため北海道へ向かうことになる。同じ頃、小村の同僚である片桐が帰宅すると2本脚で立ってしゃべる巨大なカエルが待ち受けていた。「かえるくん」と名乗るその生き物は、次の地震から東京を救うために片桐のもとにやってきたという。大地震の余波は遠い記憶や夢に姿を変えながら、小村やキョウコ、片桐の心に忍び込んでいく。

 

本作は、音楽家・アニメーション作家のピエール・フォルデスが監督・脚本を手がけ、村上春樹の6つの短編小説「かえるくん、東京を救う」「バースデイ・ガール」「かいつぶり」「ねじまき鳥と火曜日の女たち」「UFOが釧路に降りる」「めくらやなぎと、眠る女」を翻案して描いたアニメーション映画。フォルデス監督が「ライブ・アニメーション」と名づける実写撮影をベースにした制作技法により、村上作品の不思議で生々しいリアリティを再現。アヌシー国際アニメーション映画祭2022で審査員特別賞、第1回新潟国際アニメーション映画祭でグランプリを受賞した。日本語版は『淵に立つ』の深田晃司さんが演出、俳優の磯村勇斗さん、玄理さんらが声優を担当した。

 

©2022 Cinema Defacto – Miyu Prodcutions – Doghouse Films – 9402-9238 Quebec inc. (micro_scope – Prodcutions l’unite centrale) – An Origianl Pictures – Studio Ma – Arte France Cinema – Auvergne-Rhone-Alpes Cinema

 

映画『めくらやなぎと眠る女』は、7月26日(金)より全国の劇場で公開。関西では、7月26日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田や神戸・岩屋の109シネマズHAT神戸や奈良・大和郡山のシネマサンシャイン大和郡山、7月31日(水)より京都・舞鶴のCine Grulla、8月2日(金)より京都・烏丸の京都シネマ、8月10日(土)より神戸・元町の元町映画館で公開。

村上春樹さんの短編小説を原案とした優れた映画として『ドライブ・マイ・カー』や『バーニング 劇場版』等は記憶に新しい。そして、今年も新たな傑作が劇場公開される。今作は、同名小説や「かえるくん東京を救う」等を含めた6本の短編小説を原案に、独自の解釈を加え、見事に一本の作品としてまとめ上げられたアニメーション映画。物語の舞台は、2011年、東日本大震災直後の東京。突然夫の元から失踪するキョウコ、妻キョウコの失踪をきっかけに北海道へと旅に出る小村、そして小村の同僚で家に現れた巨大な”かえる”と共に大地震から東京を救う任務を背負う片桐、この三人の視点で物語が進行していく。アニメーションならではの見事な表現方法によって、村上春樹さんの作品ならではの独特な「虚実被膜の間が曖昧になっていく感覚」が再現されており、登場人物たちの恐怖、喪失、痛み、願い等の感覚が心の中に流れ込んできた。

 

「目に見えるものだけがほんとうのものとは限らない。」
劇中、とある人物が言うこのセリフは、本作において重要な意味を持つ。言葉にできることや数字に表せること等、「目に見えるもの」だけに注目が集まりがちな現代社会だが、 本作は心や感覚といった「目に見えないもの」にこそ真の価値があると訴えかけている。

fromオーイシ。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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