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ハル・ベリーとダニエル・クレイグが共演!血のつながらない家族の絆とLA暴動を描く『マイ・サンシャイン』がいよいよ劇場公開!

2018年12月13日

(C)2017 CC CINEMA INTERNATIONAL–SCOPE PICTURES–FRANCE 2 CINEMA-AD VITAM-SUFFRAGETTES

 

1992年にLAで起きた暴動を背景に、人種偏見の問題を鋭く見据えたヒューマンドラマ『マイ・サンシャイン』が、12月15日(土)より全国の劇場で公開される。

 

映画『マイ・サンシャイン』は、1992年のロサンゼルス暴動に巻き込まれた家族を描いたドラマ。1992年のロサンゼルス・サウスセントラルで、ミリーは家族と一緒に暮らすことができない子どもたちを、貧しいながらも愛情を注いで育てていた。隣に暮らすオビーはミリーたちの騒々しさに文句をつけながらも、陰では彼らをあたたかく見守っていく。そんな中、黒人が犠牲になった事件で不当判決が下されたことから、暴動が勃発。その影響でミリーたちの生活にも変化が訪れる…

 

本作では、オスカー女優のハル・ベリーと、「007」シリーズで知られるダニエル・クレイグが共演し、極限下の人間模様を体現。デビュー作『裸足の季節』がアカデミー外国語映画賞にノミネートされたデニズ・ガムゼ・エルギュベン監督がメガホンを取った。

 

映画『マイ・サンシャイン』は、12月15日(土)より、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、なんばのなんばパークスシネマ、京都のMOVIX京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

目を背けたくなるような映像がハル・ベリー扮するミリーやジェシーを通して私達に流れてくる。本当にあった出来事を元にしていることが未だに信じられない。昨日まであった日常が少しずつ崩れていくことがどれだけ恐怖なのか。ミリーの周りは子供ばかりで彼女を守ってくれる人はいないが、隣人オビーと”罵り合い”という少し変わった対話で徐々に打ち解けていく様を見ていると、自然と笑みがこぼれてくる。

 

本作のような、史実を取り扱った映画はとても大切だ。知らなかった事実や考えずに蓋をしておきたい現実を目の前に提示してくれる、しかも、万人が受け入れやすい形で。提示された問題について考える時間を与えてくれる。現代を生きる私たちはただ生きていれば良いわけではない。忘れてはいけないことや、ずっと考えなくてはならないことが山ほどある。その一つがロサンゼルス暴動の背景にある黒人差別だった。

from君山

 

ロサンゼルス暴動事件を描いた今作、暴動ではなくその暴動に巻き込まれる家族に焦点を当てている。特に印象的だったのが長男ジェシーの存在。血の繋がらない幼い兄弟たちの面倒をみながら明るく暮らしていた生活が、新しく引き取られてきた青年ウィリアムにより少しずつ変化していく。暗闇でニュースを見ている時とニコールを見つめている時のジェシーの目の違いが切なかった。ウィリアムの暴力性を見せつけられながら、ジェシーは何を考えている?同じ黒人を痛めつけた事件に静かな怒りを覚えたか、それとも、暴力に訴えるウィリアムたちを達観していたか。ジェシーが暴力を止める気持ちも、ウィリアムが暴力を振るう気持ちも理解できる。その理由はどちらも差別が作ったものだということが悲しかった。

 

劇中でも出てくるように、この暴動はラターシャ射殺事件およびロドニーキング事件がきっかけだとされている。だが、土台に黒人への恒常的な圧力や差別があったことは言うまでもない。そしてそれらが蓄積された結果として起こった事件だ。時おり挿入されている実際の事件の映像や上空から見た町の様子はその悲惨さを改めて実感させる。実際に事件が起こったのがたった25年程前ということを忘れずに観てほしい。

fromマツコ

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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