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37歳の化け猫と11歳の少女による不思議でおかしなひと夏の物語を描く『化け猫あんずちゃん』がいよいよ劇場公開!

2024年7月16日

©いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会

 

人のように暮らす化け猫が少女の願いを叶えようとする様を実写映像からトレースしてアニメーションに落としこんだ『化け猫あんずちゃん』が7月19日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『化け猫あんずちゃん』…

ある豪雨の日、寺の住職が段ボール箱の中で鳴いている子猫を見つける。その猫は「あんず」と名付けられて大切に育てられるが、奇妙なことに20年が過ぎても死ぬことはなく、30年経った頃には人間の言葉を話して人間のように暮らす化け猫となっていた。現在37歳のあんずちゃんは、原付バイクに乗って移動し、マッサージ師のアルバイトをしている。ある日、親子ゲンカしたまま行方がわからなくなっていた住職の息子が、11歳の娘かりんを連れて寺に帰ってくる。かりんの世話を頼まれたあんずちゃんは、仕方なく面倒を見ることになるが…

 

本作は、『カラオケ行こ!』『1秒先の彼』の山下敦弘監督とアニメーション作家の久野遥子監督がタッグを組み、いましろたかしさんのコミックを日仏合作で映画化し、アヌシー国際アニメーション映画祭の長編コンペティション部門に出品された長編アニメーション。森山未來さんが主人公あんずちゃんの声と動きを演じ、山下監督を中心とする実写班が撮影した映像と音声をもとに、久野監督を中心とするスタッフ陣が動きや表情を抽出してアニメーション化するロトスコープの手法で描いた。老舗スタジオ・シンエイ動画とフランスの気鋭スタジオであるMiyu Productionsがアニメーション制作を担当した。

 

©いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会

 

映画『化け猫あんずちゃん』は、7月19日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条、兵庫・神戸のOSシネマズミント神戸等で公開。

鬼才漫画家とも云われるいましろたかしさんのコミックが『ハード・コア』以来に映画化。とはいえ、いましろさんは40歳から緑内障を患ったために思うように長編作品を描けなかったようだが、ゆるフワな人柄のあるあんずちゃんをフィーチャーしながらも、市井の人々が苦しみながらも生き抜く姿を丁寧に描いている。各々のキャラクターを活かすべく、本作では、ロトスコープの手法を用いて、俳優の演技を取り込んだ上でアニメーションが制作されている。『ハード・コア』も手掛けた山下敦弘監督が実写部分で中心になって手掛けており、『苦役列車』の頃とは比べ物にならないぐらいにベテラン俳優へと成長した森山未來さんがあんずちゃんの個性を踏まえた上でどっしりと演じていた。また、あんずちゃんや11歳少女かりんの周囲にいる各キャラクターには、山下監督作品やインディペンデント作品でおなじみのキャストが勢揃いしており、物語をより一層に盛り上げていく。そして、ロトスコープアニメーションディレクターでもあった久野遥子監督によるアニメーションは、湯浅政明監督の初期作品を彷彿とさせるようなハチャメチャな展開へとまっしぐらに展開していくので、観る者を没頭させる力があるようにも感じられた。TOHO NEXTとして新たなクリエイターの才能を発掘をするべく、本作が公開されることは喜ばしく、今後の展開も楽しみしかない。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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