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1つの嘘をきっかけに子を守る母親の強烈な愛と嘘を描く『かくしごと』がいよいよ劇場公開!

2024年6月4日

©2024「かくしごと」製作委員会

 

認知症の父親の介護のために田舎へ戻った絵本作家が、事故で記憶を無くした少年を助け、母だと偽り3人暮らしを始める『かくしごと』が6月7日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『かくしごと』…

絵本作家の千紗子は、長年にわたって絶縁状態となっていた父である孝蔵が認知症を発症したため、仕方なく故郷へ戻って介護をすることに。他人のような父との同居に辟易する日々を過ごしていたある日、彼女は事故で記憶を失った少年を助ける。その少年の身体に虐待の痕跡を見つけた千紗子は少年を守るため、自分が母だと嘘をついて一緒に暮らし始める。認知症が進む父と3人で、最初はぎこちないながらも次第に心を通わせ、新しい家族のかたちを育んでいく千紗子たちだったが…

 

本作では、長編デビュー作『生きてるだけで、愛。』で注目を集めた映像クリエイターの関根光才さんが杏さんを主演に迎え、作家の北國浩二さんによる小説「嘘」を映画化した。千紗子の父である孝蔵を奥田瑛二さん、少年を中須翔真さんが演じ、安藤政信さん、佐津川愛美さん、酒向芳さんが共演している。

 

©2024「かくしごと」製作委員会

 

映画『かくしごと』は、6月7日(金)より全国公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマテアトル梅田、京都・二条のTOHOシネマズ二条や九条のT・ジョイ京都や烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸等で公開。

認知症を患う父親の介護という、いつ想定外の事態に遭遇するかもしれない状況になってしまった主人公。まともにコミュニケーションが出来ない相手の対応には辟易してしまうのは仕方がない。どうにか介護認定を受けて施設に入ってもらうまでの期間をどうにか平穏に過ごせないか気が気でないだろう。そんな状況下、事故で記憶を失った少年を助けることに。虐待の痕跡を見つけ、親元に帰そうとは思えない状況だ。そこで、実は母親であることにして、少年を助けることにした…ということは観る者の倫理観を揺さぶっていく。少年を守るために嘘をつかざるを得ない状況であることは納得できるとしても、周囲には事実を伝えていないので、誘拐といわれても仕方がない。もし、自身が同じような境遇に出くわしてしまったら、どのような判断をして行動することが出来るだろうか。容易には応えられないものだ。されど、2つの大変な事態に巻き込まれながらも、認知症の父親と少年は交流していくこととなり、気づけば、疑似家族のような状態になっていく。許されたことではないかもしれないが、微笑ましい状態でもあり、平穏無事に過ごしていってほしいと願うばかりだ。だが、突然にも終わりを迎えてしまう。最終的には、衝撃的なシーンと共に本作は終わる。その余韻に羊文学の「tears」が寄り添うように流れるのが、観る者にとって救いになることを願ってやまない。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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