長年にわたり愛され続けている中華風家庭料理の店ふーみんと、“ふーみんママ”こと斉風瑞さんの魅力や料理の原点に迫る『キッチンから花束を』がいよいよ劇場公開!
©Eight Pictures
1971年の開店以来、著名なクリエイターや文化人で賑わう中華風家庭料理の店ふーみんと、ふーみんママこと斉風瑞さんを追ったドキュメンタリー『キッチンから花束を』が5月31日(金)より全国公開される。
映画『キッチンから花束を』は、東京・南青山で多くの人々の食卓的存在となってきた中華風家庭料理店ふーみんと店主のふーみんママこと斉風瑞(さいふうみ)さんにスポットを当てたドキュメンタリー。日本で台湾人の両親の間に生まれ育った斉風瑞さんが1971年に開店した「ふーみん」は、連日長い行列ができる超人気店として50年にわたり愛され続けている。看板メニューの「納豆チャーハン」や、イラストレーターの故・和田誠さんが生み出した「ねぎワンタン」など数々の名物料理で知られ、料理研究家の平野レミさんや絵本作家の五味太郎さんなど著名なクリエイターや文化人にも同店のファンは多い。斉風瑞さんとその家族を3年半にわたって取材し、数々の証言を交えながら、様々なメニューが生まれたエピソードや彼女と料理の原点について紐解いていく。これまで多くのCMやミュージックビデオを手がけてきた映像ディレクターの菊池久志さんが監督を務め、俳優の井川遥さんがナレーションを担当した。
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映画『キッチンから花束を』は、5月31日(金)より全国公開。関西では、大阪・梅田のテアトル梅田、京都・烏丸の京都シネマ、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。なお、テアトル梅田では、6月2日(日)12:05~の回上映後に斉風瑞さんと菊池久志監督を迎え舞台挨拶を開催予定。
あくまで”中華風家庭料理店”として始まった「ふーみん」。中華料理店ではない。”家庭料理”の店として、開店当初はお客さんの声を料理に反映していっているのが印象深い。女将さんが1人で営んでいる居酒屋さんに近いものがある、と言えば分かりやすいだろうか。お店の名物であるチャーハンに納豆を混ぜてほしい、というリクエストを受け、ふーみんママならではアレンジを盛り込んで出来上がった「納豆チャーハン」が洗練されて看板メニューになっていくのが微笑ましく感じられた。そんな幾つものメニューが人気を博し、徐々にお客さんが増えていく。お店が移転せざるを得ない状況になり、新しい場所での集客が周囲から難しそうに思われたとしても、ふーみんが持つ魅力を変えず、お客さんのオーダーに応えていく日々を丁寧に営んできたことが十分に伝わってきた。お店の立地により、時代を彩ったクリエイターらが常連客となり、長年に渡って愛され続けているのは、料理の美味しさやふーみんママこと斉風瑞が持つ魅力に他ならない。料理研究家の平野レミさんもファンであることは、それを裏付けている。是非とも関西から一度は訪れてみて、行列に並ぶことも楽しみながら、その美味しさや魅力を堪能してみたい。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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