作詞の才能があると信じた女子高生が作詞家になろうと10年間も奮闘する『作詞家志望』が第19回大阪アジアン映画祭のコンペティション部門で日本初上映
©2023 Sonatina Film Limited All Rights Reserved
作詞の才能があると信じた女子高生がその後10年間にあらゆる手段を使って作詞家になろうと奮闘する姿を描く『作詞家志望』が第19回大阪アジアン映画祭のコンペティション部門で日本初上映された。
映画『作詞家志望』…
作詞の才能があると信じた女子高生が、その後10年間、あらゆる手を使って作詞家になろうと奮闘するが…。監督の自伝的要素を取り入れつつ、香港人に愛される広東ポップスをテーマに描いた青春コメディ。『私のプリンス・エドワード』のノリス・ウォン監督最新作。香港アジア映画祭閉幕作。主演のジョン・シュッインは作詞家としても活躍。
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映画『作詞家志望』は、3月9日(土)20:30よりT・ジョイ梅田でも上映。
広東語等の知識があれば、より一層に楽しめる本作。作詞家になろうとするならば、書き言葉を自在に操る能力が要求され、広東語特有の声調や押韻を活かすことも求められ、高度なテクニックが必要だ。世に広く聞かれるようなポップスの歌詞を手掛けようとするならば、沢山存在する作詞家の中に埋もれず、突出した才能を制作側に認めてもらわないといけない。ならば、10年間も頑張りたくもなる。だからといって、10年頑張ったら、輝かしい功績を残せるわけでもない。どのプロフェッショナルな業界でも同じだが、大変な世界だ。しかも、本作は、ノリス・ウォン監督の自伝を基にしている。本当にこんな大変な日々を送っていたのか。だが、作詞家として商業作品デビューが出来なかったとしても、映画監督としてデビューし外国の映画祭でも上映されるのだから、人生は何が起こるか分からないものだ。本当に夢が叶うのはひとかけらの世界で、その他大勢が何度も挫折している中で、ふとした瞬間に光が射すこともあるかもしれない。最終的に小確幸に満たされる作品であった。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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