セリフはほぼアドリブでストーリーが展開する『劇場版 マーダー★ミステリー 探偵・斑目瑞男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血』文音さんと松村沙友里さんと光岡麦監督を迎え大阪先行上映会開催!
不気味な伝承が残る村を舞台に、警察の到着が遅れる中、祭の夜に起きた殺人事件の真相に探偵が迫る模様を即興劇で描く『劇場版 マーダー★ミステリー 探偵・斑目瑞男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血』が2月16日(金)より全国の劇場で公開される。2月2日(金)には、大阪・梅田のT・ジョイ梅田に文音さんと松村沙友里さんと光岡麦監督を迎え大阪先行上映会が開催された。
映画『劇場版 マーダー★ミステリー 探偵・斑目瑞男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血』は、参加者が推理小説の登場人物となって話し合いながら事件解決を目指す体験型ゲーム「マーダーミステリー」のゲームシステムをベースにしたテレビドラマ「マーダー★ミステリー 探偵・斑目瑞男の事件簿」シリーズの劇場版。「一夜のうちに3人の生贄の血を滴らせると死者が蘇生する」という不気味な伝承が残る鬼灯村。その伝承をもとにした奇祭「三つ首祭り」が行われていた夜、村の長である一乗寺家当主が遺体となって発見される。くしくもその日、村へと続く一本道で土砂崩れが発生したため、警察の到着までにはかなりの時間がかかる。事件発生当時屋敷にいた8人は、それぞれ秘密を抱えており、全員に殺害の動機があった。俳優陣にはキャラクター設定と行動指示のみが与えられ、セリフはほぼアドリブでストーリーが展開。シリーズの主人公である探偵の斑目瑞男役の劇団ひとり、助手・村城和兎役の剛力彩芽さんらテレビ版のキャストに加え、木村了さん、犬飼貴丈さん、文音さん、北原里英さん、松村沙友理さん、堀田眞三さん、八嶋智人さん、高橋克典さんが出演。
今回、文音さんと松村沙友里さんと光岡麦監督が登壇。新しいスタイルの映画に対する素直な反応が聞ける舞台挨拶が繰り広げられた。
2月16日(金)からの劇場公開を前にして、文音さんは「楽しんで頂きたいな。ミステリー映画ではあるんですが、コメディ要素もたくさん詰まっているので、我慢せずに声を出して笑ってほしいな」と楽しみにしている。松村さんも「撮影している時は、どういう作品になるのか想像がつかなかったんです。映画として新しくておもしろいな」と感激していた。光岡監督は「全てアドリブの映画。あまりない。皆さんもやったことないでしょう。新しい映画に対する新感覚を味わって頂きたいなぁ」と紹介。
大阪出身の松村さんは「来る度に街も変わっているなぁ。綺麗になって、パリなんじゃないか、って思うぐらい。大阪駅はロンドンみたい」と興奮ぎみ。ニューヨークに2年間の演劇留学をしていたことがある文音さんは「仲良くなった日本人の中でも、大阪の方達は精神力と根性が凄い。東京出身の友達が帰っていく中で、大阪出身の友達はずっとニューヨークにいた。グイグイいく力が凄い。パワフルなイメージ。そして、気持ちいい友達が多い。言いたいことを全部言う。包み隠さず嘘がない」といったイメージがある。大阪で仕事をしてきた光岡監督は「この映画館はずっと学生時代から来ていました」と感無量だ。普段は本業として番組制作に携わっており「映画監督は、TV業界の人間は憧れの仕事。雲の上の人達のような感覚なので、まだフワフワしています」と謙遜している。
全編がほぼアドリブの演技で作られている本作。文音さんは「まず1人に1台の車が用意されている。そしてアドバイザーと呼ばれる方が一人一人につく。私は監視役だと思っており、キャスト同士が会話をしないように隔離状態だった。緊張感が凄かった」と振り返る。光岡監督はそれぞれに人物設定書を用意しており「横の繋がりで話されたくない。撮影前は挨拶してほしくない。合間も含めてバラバラ。絶対に横との会話がないようにした」と説く。撮影前の挨拶もなく、文音さんは、初対面での撮影に緊張感があった。松村さんは、ずっと人を疑いながら撮影に臨んでおり、スタッフすらも信用でず、全員が悪そうに見えてしまう。文音さんは人間不信に陥り、松村さんもマネージャさえも怪しく見えていた。そんなキャスト達を見ていた光岡監督だが「皆さんは聞きたいことが出てくるはず。教えてほしそう空気でも無視する」と徹底していたようだ。
他にはない異常な撮影現場となり、文音さんは「全部苦労でした」と吐露。「事件が終盤になっていくにつれ、様々なことが分かりはじめ、じゃあ犯人は誰だ、と犯人を探し出すところから、頭の中がぐちゃぐちゃになっていった。最後の方では精神的なピークをむかえていました」と思い返す。松村さんも「様々なヒントとなるアイテムを覚えるのが必死でしたね。次から次へと様々なことが起こり、誰の身に何が起こるか覚えるのが大変でした」と回想。光岡監督は「台本は無いけど、事件のあらましは僕等の中にある。証拠となるアイテムは決めていたが、あとは全部お任せ。それをどう扱い、どれが盛り上がり、誰が怪しまれていくのか、僕等は全く想定してない」と解説。撮影している立場として「エンディングが難しいやろうなぁ、と思っていた。エンディングまでお任せなので、皆でオチをつけてほしい」と任せていた。キャストにとっては無茶ぶりではあるが、文音さんは「終わった後は、皆での1つを芝居を作り上げた一体感が出ていましたね」と気に入っている。
出来上がった作品を観た文音さんは「全部が繋がり、この人のバックグラウンドを発見することが沢山あり、興味深かった。1回観ただけでは追いつかない程の沢山の情報量がある」と素直に話す。なお、現場には10個のカメラがあったようで「そんな現場はまずないですから。様々なところに隠されて撮っている。編集したことが凄いです」と感心。松村さんは「初めて観た時は感動しました。当日の記憶がないぐらい混乱していたので、これは作品になるのかな、と思っていたら、ちゃんと纏まっていた。凄い人やなぁ」と驚くばかり。なお、喋っていない時の顔が使われていたことに気づき「見ることが出来ていなかった皆の顔が観れた。細かい表情が使わていたことにビックリしました」と見所は多そうだ。劇団ひとりが主演を担っており、松村さんは「負けたくない気持ちになります。なにわの根性で、負けたくない、この対決に勝ちたい」という気持ちで臨んでいた。光岡監督は、劇団ひとりの暴走で、皆が笑いをこらえている姿を楽しんでおり、文音さんは「劇団ひとりが無茶苦茶暴れ倒す。受け手は、笑いをこらえるのが必死だった。そこで自分自身が役を超えていくところも見どころ」と提案。実際、笑っているシーンも含まれており、光岡監督はカットできなかったようだ。
最後に、文音さんは本作について「新しい映画になっています。台本がない映画なんてやったことがない。役者が演じる役なのか、本人なのか分からない狭間をいくところが注目ポイント。皆も、誰が犯人なんだろう、と思いながら観てみて、楽しいところは笑って観て頂いたら」とお薦め。松村さんは「撮影している時は大変だったんですけど、出来上がりを観るとおもしろい。皆さんも一緒に犯人が誰なのか考えてもらえたら。また、どこまでアドリブなんだろうと迷ってしまう。ほとんどアドリブなので驚いて頂けたら嬉しいな。1回だけじゃなく2回、3回と観るといっそう楽しめる作品」と期待。光岡監督は「役者さんの力は凄いなぁ、と感じたくて映画を始めました。実際に出来上がり、やっぱり凄いなぁ、と思うところがある。台本がないから、その瞬間の演技の勢いやスピードや迫力が詰まっている」とワクワクしながら、舞台挨拶は締め括られた。
映画『劇場版 マーダー★ミステリー 探偵・斑目瑞男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血』は、2月16日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のT・ジョイ梅田や難波のなんばパークスシネマ、京都・七条のT・ジョイ京都、兵庫・神戸のOSシネマズ神戸ハーバーランド等で公開。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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