年齢を重ねてきた夫婦が子供を持つことについて思いを巡らせるヒューマンドラマ『99%、いつも曇り』がいよいよ関西の劇場でも公開!
©35 Films Parks
アスペルガー傾向にある女性が、自身の経験と性質に悩みながら、パートナーや社会と関わろうと苦心する姿を描く『99%、いつも曇り』が1月13日(土)より関西の劇場で公開される。
映画『99%、いつも曇り』…
アスペルガー傾向にある女性を主人公に、「発達障害」という言葉の違和感や他者とともに生きることのメッセージを描く。正義感が強くおしゃべりでパワフルな45歳の楠木一葉は、母親の一周忌で会った叔父から子どもを作らないのかと聞かれて大きく揺れ動く。生理も来なくなり子どもは作れないと言い放つ一葉だったが、夫の大地は子どもを欲しがっている様子。15年前に流産した経験があり子作りに前向きになれない彼女は、自分がアスペルガー傾向にあることに悩んでいた。養子を迎えるよう勧められるも、一葉と大地の想いは次第にすれ違っていく。
本作は、短編映画『橋の下で』『ヴィスコンティに会いたくて』で監督としても注目を集める俳優・声優の瑚海みどりさんが長編初監督・脚本を手がけ、自ら主演を務めたヒューマンドラマ。夫の大地役で『バベル』『杉原千畝 スギハラチウネ』の二階堂智さん、宝塚を退団後舞台や映像作品で活躍する永楠あゆ美さん、Ami Ideさん、KOTAさんらが共演。2023年には、第17回田辺・弁慶映画祭でグランプリに輝き、第26回東京国際映画祭Nippon Cinema Now部門で上映された。
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映画『99%、いつも曇り』は、1月13日(土)より大阪・十三のシアターセブン、1月26日(金)より京都・烏丸御池のアップリンク京都、2月3日(土)より神戸・元町の元町映画館で公開。
夫婦が子供を作ること。経験したことがある人間にとっては普通で当たり前のことかもしれない。だが、なんらかの障壁となることがあるならば、難しくなることはいくらでもある。結婚前であろうが、2人だけで幸せな日々を過ごしていようが、夫婦がお互いを見つめ合った上で話し合うことは、いつだって大切なことだ。コミュニケーションしたい時に相手が目の前にいなければ、自らの思いだけが先走ってしまい、相手が思ってもいないような行動を起こしてしまうことはいくらでもある。そんな夫婦と、2人を見守る周りの人達を、時にシリアスに、時に微笑ましく本作は描いていく。夫婦2人だけを描く手法もあっただろうが、本作では周囲の人々がお節介になったり、2人の生き方を変化させるきっかけになったりもしていた。特に、終盤では、アスペルガー傾向にある女性、一葉さんが予想だにしなかった行動にも向かっていくので、驚いてしまう。そこから喜怒哀楽の全てを詰め込んで夫婦のあり方を見せてもらったように感じた。各々の夫婦にそれぞれのスタンスがあり、社会の中で生きていくことが出来る世の中になることを願ってやまない。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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