パトリシア・ハイスミスの謎に包まれた人生と著作に新たな光をあてる『パトリシア・ハイスミスに恋して』がいよいよ劇場公開!
©2022 Ensemble Film / Lichtblick Film
『太陽がいっぱい』など、映画史に残る名作の原作を著した作家パトリシア・ハイスミスに迫ったドキュメンタリー『パトリシア・ハイスミスに恋して』が11月3日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『パトリシア・ハイスミスに恋して』は、アメリカの人気作家パトリシア・ハイスミスの知られざる素顔に迫ったドキュメンタリー。『太陽がいっぱい』『見知らぬ乗客』といった名作映画の原作小説で知られ、欧米ではアガサ・クリスティと並ぶ人気を誇るハイスミス。中でも偽名で発表した自伝的小説「キャロル」は、1950年代のアメリカでハッピーエンドを迎えた初のレズビアン小説となったが、ハイスミス自身は女性たちとの旺盛な恋愛活動を家族や世間に隠す二重生活を余儀なくされていた。そんな彼女の生誕100周年を経て発表された秘密の日記やノート、本人映像やインタビュー音声、家族や元恋人たちによる証言、さらにアルフレッド・ヒッチコックらによる映画化作品の映像を織り交ぜながら、その謎に包まれた人生と著作にスポットを当てる。スイスの映画監督エバ・ビティヤが手がけ、テレビドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のグウェンドリン・クリスティーがナレーションを担当した。
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映画『パトリシア・ハイスミスに恋して』は、10月27日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田や心斎橋のシネマート心斎橋、京都・烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。
サスペンスやミステリーの作品を手掛けてきた作家パトリシア・ハイスミス。『太陽がいっぱい』や『見知らぬ乗客』の原作を書かれた方と聞くと、分かる方もいるだろうか。最近ではアカデミー賞作品となった『キャロル』の原作はパトリシア・ハイスミスによるものだと知ると、より一層にピンとくるのかな。作家としては輝かしい経歴を持ちながら、本当に読んでほしい作品と世間の反応との擦れ違いがあったのだとしたら、知られざる謎めいた彼女の本質を本作では知ることが出来るだろうか。そこで重要になってくるのが『キャロル』だ。元々は偽名で発表しており、自伝的小説であり、1950年代のアメリカでは貴重なハッピーエンドを迎えた初のレズビアン小説だったと知った。よくぞ現代になって映画化されたことが喜ばしいことだと気づかされる。多様性がようやく重んじられるようになった昨今においてこそ、本作は、彼女のことを深く理解するための一作である。そして、改めて、パトリシア・ハイスミスの作品にふれてみてはいかがだろうか。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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