世界に誇れる、おもしろい日本映画を作りたい…!『最後まで行く』岡田准一さんと綾野剛さんと藤井道人監督を迎え公開記念舞台挨拶開催!
危篤の母のもとへ向かう道中で、男性を車ではねてしまった刑事が、証拠隠滅を試みるも監察官に追い詰められていく96時間を描く『最後まで行く』が5月19日(金)より全国の劇場で公開。5月10日(水)には、大阪・難波のTOHOシネマズなんばに岡田准一さんと綾野剛さんと藤井道人監督を迎え、公開記念舞台挨拶が開催された。
映画『最後まで行く』は、岡田准一さんの主演で、ひとつの事故を発端に追い詰められていく刑事の姿を描いたクライムサスペンス。中国やフランスなど各国でもリメイクされた2014年の韓国映画を『新聞記者』『余命10年』の藤井道人監督がメガホンをとり日本でリメイクした。ある年の瀬の夜、刑事の工藤は危篤の母のもとに向かうため雨の中で車を飛ばしていたが、妻からの着信で母の最期に間に合わなかったことを知る。そしてその時、車の前に現れたひとりの男をはねてしまう。工藤は男の遺体を車のトランクに入れ、その場を立ち去る。そして、男の遺体を母の棺桶に入れ、母とともに斎場で焼こうと試みる。しかし、その時、スマホに「お前は人を殺した。知っているぞ」というメッセージが入る。送り主は県警本部の監察官である矢崎で、工藤は矢崎から追われる身になってしまう。主人公の工藤を岡田さんが演じ、工藤を追い詰めるエリート監察官の矢崎役で綾野剛さんが共演。そのほか広末涼子さん、磯村勇斗さん、杉本哲太さん、柄本明さんら豪華キャストが共演する。
上映前に、岡田准一さんと綾野剛さんと藤井道人監督が登壇。開口一番に「ただいま!おま!ども、おま!ひらパー兄さんやで」と挨拶する岡田さんは「おもしろいものが好きな大阪の皆さんに自信をもって会心の一撃が出たような作品を藤井監督の下、綾野剛さんと一緒に撮らせて頂いたな」と自信満々。綾野さんは直近の道頓堀でのイベントを受け興奮ぎみ。藤井監督は「最強の大好きなアニキ2人とこの映画を作り上げて、最高のスタッフとキャストと最後まで行ききった映画でございます」と紹介。なお、綾野さんは、舞台挨拶の為に演じる際に用いた眼鏡をかけており、独特の雰囲気を醸し出していた。
本作について、岡田さんは「コロナ禍の中で映画館で観てもらえる映画をどうやって作れるか、と監督が考えられている時に、この企画がきた。これだったら、日本版のエンタメが出来るんじゃないか、という企画。映画好きにはたまらない、映画ならではの迫力と体験をして頂ける」と自信がある。アクションを作っていくことにも携わっており「アクションと芝居が乖離しないことを大事にしている。役者の立場として、芝居をやっていて違和感がない、画のために派手にやっていることはなく、芝居の役作りになるような動きを意識している」と説く。アクションマンと振付をやりあう時間があり「綾野君がその場にいる。綾野君は椅子に座りながら僕のことを見ていた。どう思っているのかな」と不安になることもあったが「一日の終わりに『最高っすね』と言ってくれた。言われるまでドキドキしていた」と一安心。現場の雰囲気について、綾野さんは「僕はずっと楽しかった。芝居は芝居なので、あくまで作品を作る時はワンチームでやっていますから、准一さんから様々なことを学びながら、フレキシブルに様々なことを提案し合える環境を准一さん自身が作ってくれた」と感謝しており「藤井監督とも何度か仕事をしている経験がある中で、この組自体がアップデートされている姿を目の前で見ていたことが幸せでしたね」と感慨深い。
13年ぶりの共演について、岡田さんは自身の主演経験を踏まえ「『SP』の頃は”これから売れる人です”と紹介されて、挨拶させて頂いた。それからずっと”共演したい”と言ってもらえたり、人づてで連絡を頂いたりしていた。でも、なかなか一緒になる機会がなく実現しなかった」と悔やみながらも「今回、13年経って藤井監督に呼ばれて、運命的だった。一人の役者として尊敬する。役に向かうことは大変なことですが、誠実に向かえば向かう程苦しくなっていく。それを怖がらずに向き合っており、こんなに優しい人はいないですよ」と綾野さんを絶賛。これを受け照れながらも綾野さんは「准一さんは会った時から人間力の深さが変わっていなかった。一ファンとして准一さんの作品をずっと観てきた。ここ最近は准一さんに凄まじい比重がかかる作品が多かったですが、その中で僕や監督が観てきた『木更津キャッツアイ』や『学校へ行こう!』の飛び跳ねている准一さんが印象に残っていた。それがこの作品で戻ってきた感じがした」と嬉しく「現場では、凄まじい人間力で立たれている。その背中を追っかけるのは果てしなかったですけど、とても幸せでしたね」と喜んだ。この2人について、藤井監督は「果てしなく大変なシーンがずっと続く。氷点下の中、地面が凍ってしまうぐらいの大雨のシーンを極寒の1月に撮影した。その中で剛さんも岡田さんもカットがかかって、”寒い”と言いながら楽しそうに話してくれている。こんな映画アスリートな人達はいない。1つ1つの良いシーンが撮れたのを喜んでくれるアニキ達でしたね」と助けられた。
今作の見所について、岡田さんは「笑いの部分。笑いと相反するものは狂気。基本はコメディ。笑いながら観てもらいたい」とおススメ。綾野さんも「この作品は、笑っていいのか、の探り合いが楽しみの一つ」と添えていく。藤井監督も「これ笑っていいんだろうか、という不謹慎な程の必死さに、僕はずっと笑いながら撮っていた。笑いで撮影が止まったことがあった程、現場は笑いに溢れていた。笑って大丈夫です」と念を押した。最後に、岡田さんは「喜劇としておもしろい作品が出来上がった。僕が生まれた場所である大阪で誇って皆さんに観て頂ける作品に仕上がっています。こういう映画で劇場に来てもらって頂けると、僕等も作れる。是非こういうエンタメを作って、日本映画っておもしろいよね、と世界に皆さんが誇ってもらえるものを作りたい、という僕らの夢があり、ずっと現場にいます。映画館に観に来て頂いて、支えて頂けたら嬉しいな」と思いを込め、舞台挨拶は締め括られた。
映画『最後まで行く』は、5月19日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や大阪ステーションシティシネマや難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や七条のT・ジョイ京都、兵庫・西宮のTOHOシネマズ西宮OSや神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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