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初共演が今であることに運命を感じていた…『ロストケア』松山ケンイチさんと長澤まさみさんと前田哲監督を迎え舞台挨拶開催!

2023年3月26日

殺人を犯した介護士と対峙する検事が、介護現場の現実を目の当たりにしながらも事件の真相を追う『ロストケア』が3月24日(金)より全国の劇場で絶賛公開中。3月26日(日)には、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田に松山ケンイチさんと長澤まさみさんと前田哲監督を迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『ロストケア』は、連続殺人犯として逮捕された介護士と検事の対峙を描いた社会派サスペンス。ある早朝、民家で老人と訪問介護センター所長の死体が発見された。死んだ所長が勤める介護センターの介護士・斯波宗典が犯人として浮上するが、彼は介護家族からも慕われる心優しい青年だった。検事の大友秀美は、斯波が働く介護センターで老人の死亡率が異様に高いことを突き止める。取調室で斯波は多くの老人の命を奪ったことを認めるが、自分がした行為は「殺人」ではなく「救い」であると主張。大友は事件の真相に迫る中で、心を激しく揺さぶられる。
松山ケンイチさんと長澤まさみさんが初共演しており、斯波を松山さん、大友を長澤さんが演じ、鈴鹿央士さん、坂井真紀さん、柄本明さんが共演。作家の葉真中顕さんによる小説「ロスト・ケア」をもとに、『そして、バトンは渡された』の前田哲さんが監督、『四月は君の嘘』の龍居由佳里さんが前田監督と共同で脚本を手がけた。[配給:東京テアトル 日活]

©2023「ロストケア」製作委員会

 

上映後、松山ケンイチさんと長澤まさみさんと前田哲監督が登壇。重い題材である本作に対して臨んだ姿勢が伝わってくる舞台挨拶が繰り広げられた。

 

劇場公開3日目を迎え、松山さんは「考えさせられる。自分の人生や今の自分の身の回りの環境の中に穴があることを認識させざるを得ない」といった感想を聞き「僕達がこの作品を通して伝えたいことは、重い題材ですが、皆さんの日々の人生の心の動きや感情が皆様の人生を充実させていく。皆さんの背中をさすってあげたり押してあげたり出来るような作品だと思っていますので、嬉しかったです」とホッとしている。長澤さんは「普段から自分が出演する映画を見てくれる仲間やお世話になった先輩方から『良い映画を作ったね』と褒めてもらうことが多くて…」と明かし「実際、介護をしていたり自分の親と向き合ったりしている人達から『自分に響くものが沢山あった。良いものを観た』と感動してくれている姿を見ているので、この作品に関われて良かったな」と印象深い。前田監督は「松山ケンイチと長澤まさみが凄い芝居をしている。心に響いた」という感想を受けており「2人の芝居が凄いことになっていることを広めてほしい。現場で間近で見ている僕が震えていました。皆さんに届けなきゃ。カメラワークやカット割りを考えてお届けできたかな」と感慨深げだ。

 

大阪を久しぶりに訪れた松山さんは「一昨年か去年、舞台で来ています」と思い返し、長澤さんは「去年の秋にドラマの撮影で。頻繁に来ています」と馴染みがある。舞台挨拶に登壇するにあたり、松山さんは「どういう風に迎えてくれるんだろう、と物凄く緊張する」と明かし、舞台裏では長澤さんと話しながら気を紛らわしていた。長澤さんとしては、お客さんの気持ちや余韻を大切にしたく、皆で悩みながらも臨んでいる。

 

本作で、松山さんと長澤さんは初共演。松山さんは、長澤さんに対し、今までも映画やドラマで見ている俳優だが、話したことがなく「初共演は1回しかない。お互いのバックグラウンドが分からない状態で本番の台詞や目線で生まれて来るものがあるんじゃないか」と考え、演じていた。長澤さんは、松山さんとの共演を楽しみにして臨んでおり「憧れていた先輩の1人でもあるので、緊張する反面、怖気づかず出来ることをやりたい」と思いを抱いていく。「今でよかったな」と思うことができ「様々な俳優と共演していく中で、組み合わせが難しい。自分達で良さを生み出していく責任もある。自分が求めていても、嵌りが悪いこともある。この共演が今であることに運命を感じていた。この作品でお互いが初めて会話するのが台詞であって良かった。それが映画に焼き付いていた」と実感。作品を観てもらいたい、という皆の思いが強く「どうやったら沢山の人に観てもらえるかな、という話をするのはなかなか無いので、私にとっては、かけがえのない時間。俳優や作り手の思いが詰まった作品なんです。だから映画館で是非観てもらいたいな」と公開を迎えるまでの日々を過ごしてきた。前田監督は2人の様子を眺めながら「撮影中は距離を置いて喋っていないんです。2人の相性が凄く良いんです。だから、喋っていなくても芝居が出来た」と納得している。

 

なお、演じる時の松山さんからは目から優しさが溢れているように見えるシーンがあり、前田監督は「長澤さんをずっと見つめているから」と考察。2人は緊張感を以て演じており、松山さんは前田監督について「偶にパトロールしに来る。喋って、またどっかに行っちゃうパターンがよくありましたね」と明かす。前田監督は「物凄く緊迫した2人のやり取りだったので、緩めないといけないな。演出ですかね」と表し、松山さんは「日本で初めて演出にスベリ芸を取り入れた監督なんです」とフォロー。前田監督は「難しいですよね、勇気が要るんですよ」と言わざるを得なかった。さらに、お客さんから直接感想を聞く時間も設けられ、俳優と役柄のギャップに驚きながら、本作で描かれていることに複雑な感情を抱えながら気持ちを整理して感想が伝えられ、作品のように印象深い舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『ロストケア』は、3月24日(金)より全国の劇場で絶賛公開中。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田シネ・リーブル梅田、難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や七条のT・ジョイ京都、兵庫・西宮のTOHOシネマズ西宮OSや神戸・三宮のOSシネマズミント神戸シネ・リーブル神戸等で公開中。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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