何でも共有してきた双子姉妹の共有できない初恋の行方を描く『ユー&ミー&ミー』が第18回大阪アジアン映画祭のコンペティション部門で日本初上映!
©2023 GDH 559 Co., Ltd. All Rights Reserved.
何でも共有してきた双子姉妹の共有できない初恋の行方を描く『ユー&ミー&ミー』が第18回大阪アジアン映画祭のコンペティション部門で日本初上映された。
映画『ユー&ミー&ミー』…
翌年に2000年を控えた1999年。Y2K問題がニュースで流れていた年に、メコン川を挟んでラオスの向かい側にある東北タイの街ナコーンパノムに、ある一卵性双生児の姉妹がいた。ほくろがある方がミーで、ない方がユーだ。両親は不仲だったが、2人は仲良しで、生まれた時から中学生になるまで人生でほぼ全てのことをシェアしてきた。食べ物も、初めてのキスでさえも。中学3年生のある日、ミーがユーになりすまして替わりに受けた数学の追試の際に、ミーはマークという男の子と出会う。マークは自分が出会ったのがユーだと信じ込んで、ユーと付き合い始めるが……。初めてシェアできない事態に直面したユーとミー、そしてマークの複雑な初恋の行方は……?
本作を手掛けた監督のワンウェーウとウェーウワン・ホンウィワットは双子の姉妹で、ドラマの脚本、監督と共に活動してきた。今回の作品は満を持しての映画デビュー作。プロデューサーはタイ映画界のヒットメーカー、『一日だけの恋人』、『アンニョン! 君の名は』のバンジョン・ピサンタナクーンが務めた。
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映画『ユー&ミー&ミー』は、3月16日(木)10:20よりABCホールでも上映。
今年の大阪アジアン映画祭では2作目となるタイの映画制作会社GDH 559による作品。要領の良い双子の姉妹なら、こんな風にずる賢く日々を送ることが出来るのか、と思ったイントロダクション。ユーとミーの双子は1人の女の子が演じており、上手に制作しているなぁ、と観ていたら、監督が双子姉妹だった。監督同士の経験や思い浮かんだことを盛り込んだのか!?そして、ストーリーは2人が同じ男の子が気になっていく展開に。でも、出会いのプロセスはそれぞれ違っており、恋のアプローチは異なっていく。今まで好きなものを分かち合ってきたとしても、初恋相手をシェアすることは出来ない。いずれかが、或いは、どちらもが切ない結果を生んでしまうかもしれない。複雑な初恋になってしまったが、大人になっていくにつれて、環境を変えながら、同じようなことが生じてしまうのだろう。双子が成長していくことは、こういったことなんだろうか。今まで出会ってきた双子姉妹のことを思い出してしまった。そんなノスタルジックな思いをさせてくれるユニークな青春映画。GDH 559制作作品は、やはり上質である。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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