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ソマリア内戦に巻き込まれた韓国と北朝鮮の大使館員たちの姿を描く脱出劇『モガディシュ 脱出までの14日間』がいよいよ劇場公開!

2022年6月28日

(C)2021 LOTTE ENTERTAINMENT & DEXTER STUDIOS & FILMMAKERS R&K All Rights Reserved.

 

1990年のモガディシュ、国連への加盟を目指し韓国と北朝鮮の外交戦が激化していることを背景に、ソマリア内戦下で両国の大使館員が決死の脱出を試みる様子を描く『モガディシュ 脱出までの14日間』が7月1日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『モガディシュ 脱出までの14日間』は、韓国民主化から3年、ソウル五輪からわずか2年後の1990年、ソマリアで内戦に巻き込まれた韓国と北朝鮮の大使館員たちによる脱出劇を映画化。ソウル五輪を成功させた韓国は1990年、国連への加盟を目指して多数の投票権を持つアフリカ諸国でロビー活動を展開。ソマリアの首都モガディシュに駐在する韓国大使ハンも、ソマリア政府上層部の支持を取り付けようと奔走していた。一方、韓国に先んじてアフリカ諸国との外交を始めていた北朝鮮も同じく国連加盟を目指しており、両国間の妨害工作や情報操作はエスカレートしていく。そんな中、ソマリアで内戦が勃発。各国の大使館は略奪や焼き討ちにあい、外国人にも命の危険が迫る。大使館を追われた北朝鮮のリム大使は、職員と家族たちを連れ、絶対に相容れない韓国大使館へ助けを求めることを決める。

 

本作は、『ベルリンファイル』『生き残るための3つの取引』のリュ・スンワン監督がメガホンをとり、ハン大使役に『1987、ある闘いの真実』のキム・ユンソク、リム大使役に『国家が破産する日』のホ・ジュノが出演。第42回青龍映画賞で作品賞、監督賞ほか5部門を受賞し、韓国で大ヒットを記録した。

 

(C)2021 LOTTE ENTERTAINMENT & DEXTER STUDIOS & FILMMAKERS R&K All Rights Reserved.

 

映画『モガディシュ 脱出までの14日間』は、7月1日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都、神戸・三宮のkino cinema 神戸国際等で公開。

アフリカ東部の国、ソマリア。1990年代の内戦以来、実質的な無政府状態が続いており、日本でも外務省が危険レベル4に指定している。海外安全情報ホームページに「渡航はやめてください」という退避勧告が掲載されていることからも不穏さが伝わってくる場所だ。この国を無法地帯にするきっかけとなったソマリア内戦、渦中の町モガディシュを舞台に、取り残された韓国と北朝鮮の外交官たちの壮絶なサバイバルが描かれる。

 

実際に起きた内戦やテロに基づいて作られた作品は数多い。武力制圧された空港に軟禁されたり、街中で無差別虐殺が行われる中でホテルに身を隠して息を潜めたり。はたして生還できるのか?という極限状態の緊張感、”これほ実話だ”という地続きの恐怖、時には目を逸らし再び鑑賞を避けたくなることも珍しくない。だが、本作は、これほどにも絶望的な状況にもかかわらず、スピード感と臨場感に満ちた決死の脱出作戦を追いかけ、南北朝鮮の対立までもを絡めて、上質のエンターテイメント作品にまで押し上げている。韓国映画の構成力を見せつける、とんでもなく完成された作品だ。2021年の韓国映画No.1大ヒット、というのも納得感しかない。

 

そして、戦乱の惨状が連日報道されている現在、本作を鑑賞した人の多くが思うであろうこと、ここで描かれている危機は、遠い場所や現代とは異なる時代に限ったことではなく、いつどこで同じような運命に巻き込まれてもおかしくない。他人事ではない光景だ。映画としての興奮と感動を与えつつ、今、我が身を取り巻く世界についても改めて見回してしまう。見ごたえと観賞する意義が十分な力作だ。

fromNZ2.0@エヌゼット

 

韓国映画の十八番とも云える史実を基にした映画であるため、勿論おもしろい。ソマリア内戦下においては、独裁政権に協力した外国政府も標的になってしまう。常識が通用しない状況下で、韓国のハン大使と北朝鮮のリム大使が手を組んで脱出を試みる。まさに常識破りの物語が明かされていく。

 

南北の確執を描きながら、男と男のプライドと意地をかけた攻防は『工作 黒金星と呼ばれた男』のような緊張感も漂っている。モロッコでのロケも拘りが凄まじく、画面の隅々から「本物」を感じられる作画作りだ。些細なアクションシーンでも手を抜かず、アングル、格闘、全てが高水準で、ジャンルに関わらずエンタメ魂を忘れていないのは好印象。カーチェイスも勿論、火薬も破壊も忘れていない。エキストラも子供から大人まで海外の人を取り揃え、細部までやりきった気概には脱帽するしかない。映画において妥協しないことが示す大切さがわかる良い例となった。

fromねむひら

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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