断線した黒電話が鳴り響く…地下室の内側と外側で兄妹に襲いかかる恐怖を描くサイコスリラー『ブラック・フォン』がいよいよ劇場公開!
(C)2021 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.
連続誘拐犯に閉じ込められた少年と、予知夢を頼りに少年を探す妹を描く『ブラック・フォン』が7月1日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ブラック・フォン』…
コロラド州デンバー北部のとある町で、子どもの連続失踪事件が起きていた。気が小さい少年フィニーは、ある日の学校の帰り道、マジシャンだという男に「手品を見せてあげる」と声をかけられ、そのまま誘拐されてしまう。気が付くと地下室に閉じ込められており、そこには鍵のかかった扉と鉄格子の窓、そして断線した黒電話があった。すると突然、フィニーの前で断線しているはずの黒電話が鳴り響く。一方、行方不明になった兄フィニーを捜す妹グウェンは、兄の失踪に関する不思議な夢を見る。
本作は、『ドクター・ストレンジ』『エミリー・ローズ』のスコット・デリクソンが監督、『透明人間』『ゲット・アウト』等スリラー作品の話題作を多数送り出しているジェイソン・ブラムが製作を手がけたサイコスリラー。原作はジョー・ヒルの短編小説「黒電話」であり、イーサン・ホークらが出演している。
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映画『ブラック・フォン』は、7月1日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や大阪ステーションシティシネマや難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や七条のT・ジョイ京都、神戸・三宮の kino cinema 神戸国際等で公開。
『ドクター・ストレンジ』のスコット・デリクソン監督は、ホラー映画を多く撮っている方。1970年代を舞台にした本作には、「ストレンジャー・シングス 未知の世界」にも通ずる世界観や、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』かと思わせるシーンが見られ、スティーヴン・キングが書いてきた小説のような、少年少女の行方不明事件に通づるものがあり、どれだけのホラー作品へのリスペクトを込めたオマージュが込められているのだろう、と感じさせられた。
そして、連続誘拐犯を演じたのは、イーサン・ホーク。どちらかと云えば、格好良く演じようともどこかで弱さが表出してしまう三枚目なキャラクターを多く演じてきた俳優だと感じている。そんな彼が、誘拐犯を演じられるのか、と驚いてしまう。基本的には、誘拐犯として恐怖の象徴として描かれているが、どこか抜けていそうな気配が感じられた。最終的には……となってしまうのだが、その時こそ、彼の真骨頂でもあるように感じてしまう。こんなキャラクターも演じられるんですね。サイコパス、スーパーナチュラル、サイキックといった1970年代にあったジャンル映画の要素を十分に盛り込んで存分に楽しめるサイコ・スリラー作品であった。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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