Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

  • facebook

水泳教室に通うことになった“カナヅチ”の哲学者と、熱血コーチとの一進一退の日々を描いた『はい、泳げません』がいよいよ劇場公開!

2022年6月4日

(C)2022「はい、泳げません」製作委員会

 

とある理由で水が怖い哲学者が、陸より水の中の方が生きやすいと言う水泳コーチに出会い、人生の1歩を踏み出す様を描く『はい、泳げません』が6月10日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『はい、泳げません』は、水泳教室を舞台に“泳げない男”と“泳ぐことしかできない女”の希望と再生を描く。大学で哲学を教えている小鳥遊雄司は水に顔をつけることが怖く、泳ぐことができない。これまで頭でっかちな言い訳ばかりして水を避け続けてきたが、ひょんなことから水泳教室に通うことに。プールを訪れた彼に強引に入会を勧めたのが、陸よりも水中の方が生きやすいという風変わりな水泳コーチ・薄原静香だった。静香が教える賑やかな主婦たちの中にぎこちなく混ざった雄司は、水への恐怖で大騒ぎしながらもレッスンを続けるが…

 

本作は、NHK大河ドラマ「八重の桜」で夫婦役で共演した長谷川博己さんと綾瀬はるかさんが映画初共演を果たし、ノンフィクション作家である高橋秀実さんの著書「はい、泳げません」を映画化。『舟を編む』脚本を担当した渡辺謙作さんが監督・脚本を手がけている。

 

(C)2022「はい、泳げません」製作委員会

 

映画『はい、泳げません』は、6月10日(金)より全国の劇場で公開。

長谷川博己さんによる演技の振り幅があったおかげで、序盤でのコメディ調の柔らかさと、水への克服が進むにつれて明かされる過去の真相のシリアスさが同一作品内で見事に共存している本作。過去と向き合う作品は沢山あったが、今作における小鳥遊雄司は、過去と向き合うことができない、という少しやっかいな状態にある。過去の記憶を、水への恐怖というトラウマ体験を通して呼び起こす。仕掛け自体はシンプルだが、当事者の立場になってみれば、到底耐えられるものではない。しかし、小鳥遊は現実と向き合わなければならない状況になっていく。世間で「おっさん」と呼ばれる歳になって、新しいことを始めるエネルギーと、目を背けたくなる過去から逃げない勇気を教えてくれる作品だ。前向きに生きることの辛さと、見えなくなりがちな周囲の温かさを優しく描き、重いテーマであっても決して悪者を作らない作品の姿勢が好印象に残る。

fromねむひら

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

Popular Posts