ドクターストップによって引退を迫られたボクサーの第2の人生を描いた『生きててよかった』がいよいよ劇場公開!
(C)2022 ハピネットファントム・スタジオ
年齢と体の限界を超えてもなお、闘い続けることに生きる意味を見いだすボクサーの姿を描く『生きててよかった』が5月13日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『生きててよかった』…
長年の闘いで身体がむしばまれたボクサーの楠木創太は、ドクターストップにより強制的に引退を迫られていた。闘いへの未練と執着を捨てきれぬ中、楠木は恋人との結婚を機に引退を決意する。楠木は新しい生活を築くために仕事に就くが、何をやってもうまくいかず、社会にもなじめず苦しい日々を送る。そんな中、楠木はファンを名乗る謎の男から大金を賭けた地下格闘技へのオファーを受ける。一度だけの思いで誘いに乗った楠木だったが、久しぶりのリングで忘れかけた興奮がよみがえり、楠木はふたたび闘いの世界にのめり込んでいく。その高揚感は彼にとって何物にも代えがたいものだった。
本作は、自身もプロボクサーという経歴を持ち、『南京!南京!』や『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』など中国を拠点に活躍する俳優の木幡竜さんが、リングでしか生きられない元ボクサーを演じる格闘アクション。監督・脚本は『くそガキの告白』でゆうばり国際ファンタスティック映画祭で審査員特別賞ほか4冠を獲得した鈴木太一さんが務めた。
(C)2022 ハピネットファントム・スタジオ
映画『生きててよかった』は、5月13日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のテアトル梅田や難波のなんばパークスシネマや堺のMOVIX堺、京都・烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。
ドニー・イェンも認めた、と云われる木幡竜さんの主演作品ということで、アクション要素に期待して鑑賞。蓋を開けてみると、ヒューマンドラマが備えている質の良さに驚いた。引退した元プロの競技選手や、夢に敗れていったアスリート達に関するセカンドキャリアの問題も提示しながら、普段は注目されないような、泥臭く生きる人達に焦点をあてていく。画面全体から漂う汗臭さのような画作りも見事で、木幡竜さん演じる創太を筆頭に、登場人物全員の纏う悲壮感も全てが本作に合っている。退廃的な生活から抜け出した先に待っている「生きててよかった」は、単なる生存の有無に対する安堵の言葉ではなく、やりたいことをやりきった人生の満足感から来る言葉だと解釈した。
fromねむひら
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!