冴えない女子高校生が毒舌音楽ライターに大変身!英音楽業界で奮闘する姿を描く『ビルド・ア・ガール』がいよいよ劇場公開!
(C)MONUMENTAL PICTURES, TANGO PRODUCTIONS, LLC,CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION, 2019
冴えない高校生が、辛口音楽ライターとなり、音楽業界で奮闘する姿を描く『ビルド・ア・ガール』が10月22日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ビルド・ア・ガール』は、1990年代前半のUKロックシーンを舞台に、冴えない高校生から辛口音楽ライターに転身した少女の奮闘を描いた青春ドラマ。1993年、イギリス郊外に家族7人で暮らす16歳のジョアンナは、底なしの想像力と文才を持て余し、悶々とした日々を過ごしていた。そんな日常を変えるべく、音楽情報誌「D&ME」のライターに応募した彼女は、単身ロンドンへ乗り込んで仕事を手に入れることに成功。しかし取材で出会ったロックスターのジョン・カイトに夢中になり、冷静な記事を書けず大失敗してしまう。編集部のアドバイスにより、過激な毒舌記事を書きまくる辛口批評家“ドリー・ワイルド”として注目を集めていくジョアンナだったが…
本作は、『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』のビーニー・フェルドスタインが主演を務め、作家でありコラムニストのキャトリン・モランの自伝的小説を映画化した。『ジョジョ・ラビット』のアルフィー・アレン、『いつか晴れた日に』のエマ・トンプソンらが共演した。
(C)MONUMENTAL PICTURES, TANGO PRODUCTIONS, LLC,CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION, 2019
映画『ビルド・ア・ガール』は、10月22日(金)より全国の劇場で公開。関西では、10月22日(金)より、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田と心斎橋のイオンシネマシアタス心斎橋、京都・烏丸の京都シネマで公開。また、10月29日(金)より神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。
『タイムズ』のコラムニストであり作家のキャトリン・モランによる半自伝的小説『女の子をつくる方法』(How To Build a Girl)を映画化した本作。キャトリン・モラン自身は8人兄弟の長女。16歳でイギリスの週刊音楽雑誌『メロディ・メイカー』でジャーナリストとしてのキャリアを始めた。なお、『メロディ・メイカー』は同じく週間音楽雑誌『NME』に吸収合併されているが、現在、紙の『NME』は廃刊となりオンラインのみである。ちなみに、本作に登場する『D&ME』は架空の音楽雑誌であるが、『NME』をモチーフにしていそうに伺えるが、『NME』に皮肉を放っているのも興味深い。なお、ジョアンナが一目惚れするロックスターのジョン・カイトも架空の人物である。現実に存在するバンドとしては、マニック・ストリート・プリーチャーズが登場。あの尖がったハイトーンボーカルとサウンドが見事に再現されていた。アルバムを出す毎に解散を発表していたバンドなので、本作に登場するのは乙なものだと感じる。本作の舞台は1993年。オアシスを筆頭とする90年代UKロックのブームの前であり、より一層にジョアンナの活動を取り上げやすい構造となっている。
ジョアンナは、独自の想像力を以て沢山のイマジナリーフレンドと過ごすしかなく、文才を持て余していた。だが、ライター募集の広告を見つけて一念発起。幼さにより相手にされていないと気づいても、簡単には諦められない行動力を以て仕事を獲得していく。とはいえ、中身は一人の少女。カリスマ性のあるミュージシャンには恋に落ちてしまう。恋心をそのまま文章化するのはいただけないが、昇華の方法を間違ってしまうと、引き戻せなくなる。如何にして自身が歩むべき道に気づいていけるか、が本作の見どころ。自身のアイデンティティを見出すには早過ぎたモラトリアムの時期を迎えたジョアンナ。半自伝的小説として赤裸々に表現したキャトリン・モランに驚かされるが、見事に体現したビーニー・フェルドスタインには拍手を送りたい。あと一歩踏み出せない人や厚い壁に立ち向かおうとしている人には是非とも観てほしい一作だ。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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