同年代の友達が退屈と感じる16歳の少女が歳上男性と恋に落ちる姿を描く『スザンヌ、16歳』が関西の劇場でもいよいよ公開!
恋愛に憧れる16歳の少女が、退屈な毎日を過ごす舞台俳優と恋に落ちるも、理想と現実のギャップで揺れ動く姿を描く『スザンヌ、16歳』が9月3日(金)より関西の劇場でも公開される。
映画『スザンヌ、16歳』は、16歳の少女と年の離れた大人の男性のひと夏の恋の行方を描いたラブストーリー。16歳の多感な少女スザンヌは、同年代の友人たちに物足りなさを感じていた。そんなある日、彼女は通学途中にある劇場の前で、年の離れた舞台俳優ラファエルと出会う。ラファエルもまた、繰り返される舞台や仲間たちとの付き合いに退屈していた。互いの中に共通点を見つけたスザンヌとラファエルは恋に落ちるが、スザンヌは彼に夢中になればなるほど、自分が人生を見失っているのではないかと不安になっていく。
本作では、フランスの名優バンサン・ランドンとサンドリーヌ・キベルランの長女である20歳の新鋭スザンヌ・ランドンが監督・脚本・主演を務めている。ラファエル役を『BPM ビート・パー・ミニット』のアルノー・バロワが演じた。2020年の第73回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクション作品に選出されている。
映画『スザンヌ、16歳』は、関西では、9月3日(金)より大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、9月10日(金)より京都・九条の京都みなみ会館、9月11日(土)より神戸・元町の元町映画館で公開。
両親が名優と云われる中で育ったスザンヌ・ランドンが自身の思春期に感じた憂鬱や恋愛へのあこがれを描いた本作。育ってきた環境からしてみると、周囲が子供っぽく感じて居心地悪く感じることもあるだろうか。そんな時に素敵な年上の異性を見かけたら、思わず声をかけてしまう…今作は、誰もが経験するかもしれない青春時代のひと時をフランス映画ならではのテイストと共に瑞々しく刹那さと共に描いた一作となっている。
本作では、16歳の少女と35歳の男性による恋を描いていく。フランスの街を舞台にプラトニックに描いており、感情表現の一つとしてダンスを用いている。時にはジャック・ドゥミ監督が手掛けてきたミュージカル映画のシーンのようであり、時にはジャン=リュック・ゴダール監督の『はなればなれに』での時が止まったような感覚になるダンスシーンを思い出してしまう。友人達が幼く見える16歳の女子高生と現状に満足できない35歳の舞台俳優。二人による愛情表現としてダンスを用いることで作品に功を奏している。フランス映画として普遍的でありながら、2020年代における斬新さを兼ね備えている作品だと感じた。
なお、本作はスザンヌ・ランドン監督が15歳の時に執筆を始めた脚本を用いている。19歳で映画制作に着手し、監督と主演の両方に初挑戦した。そして、2020年のカンヌ国際映画祭で「オフィシャルセレクション」に選出。類まれなる才能ある人物として脱帽するばかり。自身の成長と共に今後はどのような作品を手掛けていくのか本当に楽しみでしかない。
- キネ坊主
- 映画ライター
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