ブラックメタルバンドのメイヘムが歩んだ狂った青春を描く『ロード・オブ・カオス』がいよいよ劇場公開!
(C)2018 Fox Vice Films Holdings, LLC and VICE Media LLC
サタニズムを標榜し、世界のメタル・シーンを席捲した実在のバンド、“メイヘム”の半生を基にした青春ドラマ『ロード・オブ・カオス』が3月26日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ロード・オブ・カオス』は、ブラックメタル黎明期の中核的存在だったノルウェーのバンド「メイヘム」の狂乱の青春を鮮やかに描いた音楽映画。1987年、オスロ。19歳のギタリスト、ユーロニモスは悪魔崇拝主義を標榜するブラックメタルバンド「メイヘム」の活動に熱中していた。ボーカルのデッドはライブ中に自らの身体を切り刻むなど過激なパフォーマンスを繰り返し、彼らはメタルシーンで熱狂的な支持を集める。しかしある日、デッドがショットガンで頭を撃ち抜いて自殺してしまう。発見者のユーロニモスは脳漿が飛び散った遺体の写真を撮り、頭蓋骨の欠片を友人らに送付し、喧伝することでカリスマ化。「誰が一番邪悪か」を競い合うインナーサークルを作り、王として君臨するが、メンバーのヴァーグが起こした教会放火事件をきっかけに主導権争いが激化していく。
本作は、ノンフィクション「ブラック・メタルの血塗られた歴史」を原作に、ブラックメタル・バンド「バソリー」の元ドラマーで、『SPUN スパン』などで知られるヨナス・アカーランド監督がメガホンをとり、複数の殺人事件や暴動などを引き起こし、社会問題に発展させたメイヘムの青春時代を描く。ユーロニモス役には『スクリーム4 ネクスト・ジェネレーション』のローリー・カルキンが務めている。
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映画『ロード・オブ・カオス』は、3月26日(金)より大阪・心斎橋のシネマート心斎橋と堺のMOVIX堺と神戸・三宮の神戸国際松竹、4月9日(金)より京都・九条の京都みなみ会館で公開。
ヘヴィメタルや、ハードロック好きの方であれば、その名を知っているであろう、ある種、最果てのメタルミュージック「ブラックメタル」。そして、「ブラックメタル=メイヘム」と言う認識は、よほどコアなメタラー以外、ほとんどの方がそうではないだろうか。本作にも登場するが、彼らの、教会放火、メンバーの死体を使ったCDジャケットと言う衝撃的事実が、彼らとブラックメタルを世に広めた、と言っても過言ではない。本作では、メイヘムの音楽的な側面については語られず、彼らの事件や、メンバーの苦悩についてを描いている。
メタルの教科書があるとすれば、なんとなく流し読みしていた「ブラックメタル」。本作を通して映像として、焼き付けられ、痛感し、改めて考えさせられるモノがあった。修正を加え、大衆的に描くよりも、無修正、R-18!と包み隠さず、真っ向勝負でコアに描いた本作は、題材にとてもマッチした作りとなっている。近年の傑作メタル映画を挙げれば『ヘヴィ・トリップ』が記憶に新しいが、『ロード・オブ・カオス』の公開により、メタル映画の”陰陽”の両輪が出揃った。メタル映画を通して、メタルミュージックの真髄、それらを取り巻くカルチャーを垣間見て欲しい。
from関西キネマ倶楽部
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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