出版不況と権力争いに揺れる出版社の雑誌編集長が生き残りを懸けた大逆転を試みる『騙し絵の牙』がいよいよ劇場公開!
(C)2021「騙し絵の牙」製作委員会
経営改革の嵐が吹き荒れる大手出版社を舞台に、廃刊寸前の雑誌を仕切る編集長が企てた、一発逆転の秘策をスリリングに描く『騙し絵の牙』が3月26日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『騙し絵の牙』は、出版業界を舞台に、廃刊の危機に立たされた雑誌編集長が、裏切りや陰謀が渦巻く中、起死回生のために大胆な奇策に打って出る姿を描く。出版不況の波にもまれる大手出版社「薫風社」では、創業一族の社長が急逝し、次期社長の座をめぐって権力争いが勃発。そんな中、専務の東松が進める大改革によって、売れない雑誌は次々と廃刊のピンチに陥る。カルチャー誌「トリニティ」の変わり者編集長・速水も、無理難題を押し付けられて窮地に立たされるが…
本作は、『罪の声』等で知られる作家の塩田武士さんが大泉洋さんをイメージして主人公を「あてがき」した小説を、大泉さんの主演で映画化。『紙の月』『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督がメガホンをとり、松岡茉優さん、佐藤浩市さんら実力派キャストが共演する。
(C)2021「騙し絵の牙」製作委員会
映画『騙し絵の牙』は、3月26日(金)より全国の劇場で公開。
広告頼りで表現に自由がなくなっていく現代メディアを、痛烈に批判する内容ともいえる展開は、クリエイター達にとっては頭が痛いほど考えさせられるのではないだろうか。社内バトルの構図は、観客への配慮が感じられる分かりやすさで、陰謀渦巻く権力争いのスピード感も、エンタメとして丁度良いバランス。映画の劇伴を初めて担当したインストロックバンドの雄であるLITEが自らのスタイルを崩さず、マスロックと映画が見事に融合し、今までの日本の商業映画には無かった音楽が突出した新しい作品となっている。
そして、人物相関図を見ているだけでも思わずため息が漏れてしまう豪華キャスト陣による、ネタバレ厳禁な騙し合戦は観賞後に誰かと語りたくなってしまう。邦画界を牽引するベテラン俳優陣達の中でも引けを取らない演技を見せたのが松岡茉優さん。彼女の演技には毎度驚かされてばかりで、本作においても、彼女が主役と云っても過言ではないほど存在感を放っていた。今後の邦画界を牽引する次世代エースとして、彼女の出演作からは目が離せない。
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- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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